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『帰らぬ者と残った後悔』

夜、車の音がして目が覚めた。

枕の下においた銃を取り、ゆっくりと玄関へ近づく。

カチャリ、と鍵の開く音がして、銃をきつく握る。

沈黙の中、緊張が走った。

扉が開く。

扉の奥が見えた瞬間、銃を構えた。





しかし、目に入ったのは仕事着の、スーツ姿のロウだった。

ホッとして銃を下ろす。


「っ、おかえり。どうだった?」


ロウは答えなかった。

いつもくわえている煙草も、今日は持ってない。


無言のまま、扉を閉めて靴を脱ぐ。

俺の横を通り過ぎ、まっすぐリビングへ向かう。

暗い顔をして、どさりとソファに座り込んだ。


その瞬間、顔を苦痛に歪めた。

ロウは怪我をしていた。

スーツの左脇のところから、血が滲んでいる。


でも、ロウの怪我も心配だったけど、それでも、俺は聞いてしまった。





「ねぇ、ジーナは?___」
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