今日の訓練が終わった後、いつも通り夕食を作った。

が、


「いや〜、コハちゃん天才だわ。めっちゃ旨かった！！」


八咫。なぜまだ居る。

堂々とジーナの席に座って飯まで食いやがって。

早く帰れよ、と口にしようとした矢先、また信じられないことを耳にした。


「センー、俺今日泊まってくわ。」

「........は？」


これには流石のロウも声をもらした。

驚愕である。

こいつ何処まで図太いんだ。





八咫は、飯は食うわ風呂へ入るわテレビは見るわでもう好き勝手だった。

ここはお前ん家じゃねぇんだぞ。

くつろぎすぎだろ。と思ったが口には出さなかった俺は少し大人になれた気がする。


しかし、八咫の傍若無人は止まらなかった。

なんと俺のベッドで寝やがったのだ。

これはちょっと...と思って起こそうとしたけど、ロウが放っておけ、なんて言う。

困ると反論したが、ロウはいつもの様に煙をひと吐きして、


「悪いが、今日は私のベッドで寝てくれ。ソファよりはマシだろう。」


と、何食わぬ顔で言った。

その言葉にまさに開いた口が塞がらなくなる。


「な、何言ってんの！？いいよ、俺、ソファで寝るって！」

「駄目だ。私がソファで寝るから、お前は布団で寝ろ。
お前に風邪でもひかれると困る。知っているだろう。私は家事が出来ん。」

「そこは認めてるんだ！？...知ってるけど、俺、ロウにはちゃんと休んで欲しい......ダメ？」


許しを乞う様に懇願すると、ロウは目をそらして少し考える様なそぶりを見せた。


「.........わかった。仕方ない...」


賛同しがたい意見をつき通され折れてしまったことを悔いているのか、片手で頭を抱えるロウ。

これは、訓練でロウに勝てた時の気分だ。