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『特別サービスと変な俺』

「じゃあ何か?このコハってぇ坊やはお前が仕事のためにオークションで落として来たのか?」

「そうだ。」

「坊やじゃない。もう19だ。」

「随分小生意気なガキだな」

「なんだとっ!?」

「落ち着け」


ロウに押さえられて渋々またソファに座る。





目の前のこのムカつく男は八咫暁和。

ジーナの昔の同僚で、今ではロウの情報屋らしい。


ロウとジーナは、殺し屋が出回る世界ではかなりの有名人だそうだ。

だから、ジーナがいなくなって、『一匹オオカミ』のロウは本当に独りになったのだと噂はかなりの速さで広まったのだという。


でも、ロウは独りじゃない。

頼りないかもしれないけど、俺がいる。





「なぁセンー、喉乾いたっ。コーヒーくれ。」

「こないだバリスタが壊れた。」

「はぁ!?まじクソかよ!」


信じらんねー、とふんぞり返って椅子にもたれる八咫。

ロウがため息を吐き、俺をみる。


「コハ、コーヒーを2つ。私の分もだ、頼めるな?」


片手で頰ずえを付いて、微笑み俺を見る。

俺は、ロウのその顔に弱かった。

八咫のもだという部分に少し引っ掛かりつつも頷いてしまう
俺はきっとまだ甘いんだ。


そっと立ち上がり、カウンターの方へ向かう。

ロウがすまない、と声をかけてから、八咫と向き合った。





「で、今回のことなんだが___」
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