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『3本足のからすと俺への試験』

そうこうしていると、不意に玄関の扉が音を立てた。

しまった。

この男が入って来てから、鍵が開けっ放しだ。


銃を突きつけたまま、廊下の方を見ると、ふわりと煙の匂いがした。


「おぉ、思ってたより面白いことになってるな。」


フーッ、と煙をひと吐きすると、薄く笑みを浮かべながら部屋に入って来たロウの姿を見るなり、男が安堵した様な表情になる。

しかしすぐに怒りを露わにして、


「おいセン!なんなんだよ!このガキ!」


と叫んだ。


「ガキじゃない!!」


反射的に叫び返してしまった。後ろでロウがクツクツと喉で笑う。


「なかなかのモノだろう?私が仕込んでやったんだ」

「お前なぁ....番犬がいるなら言ってくれればいいだろ?」

「こいつの試験もかねてだったんでな。」


ぽふり、と俺の頭に手を置いたロウ。

もういい下ろせと指示を出されたので渋々銃口を下げた。

男はふへーっ、と息を吐いてその場に座り込む。





「こうして顔合わすのも何年振りだ?久しぶりだなぁ、おい。カラス。」

「八咫だっつってんだろーがよ。通り名で呼ぶな一匹独身オオカミ」

「どタマぶち抜くぞテメェ」
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