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『3本足のからすと俺への試験』

ある日、

ロウが買い物に行ってくる。とだけ伝えて車で出かけて行った。

そこまではいつもと変わらないんだけれど、

今日は、くれぐれもアジトを守ってくれよ?と念を押して出て行った。

言われなくても、と笑って返すと、はんっ、と鼻で笑われた。





.......ロウは予知能力でもあるのだろうか。


今現在、俺は銃を抱えてリビングの扉の横に張り付いている。

廊下には、気配を消しているけれど確かに誰か居る。


ロウではない。

ロウの気配なら、フロアが一つ違ってもわかる。


呼吸を止めて、静かに近く影を待つ。

扉が開いた瞬間、バッと影に銃口を向ける。


すると、





「のぉわぁあ!!びっくりした!!」


やめてやめて!と両腕を挙げたのは、

明るいオレンジの髪を後ろへやって、薄い青色のかかったサングラスを頭に乗っけた派手な男だった。

両耳には動く度にチャラチャラと鳴るピアスをしていて、左手首に金の細い腕輪をはめ、右手首に赤いリストバンドを巻いている。

肌は人工的に焼かれた褐色だ。


「あのやろぉ、俺が今日来るって知っといていねぇのかぁ?つーかジーナが死んでからは一人じゃねぇのかよ....」

「!なんでジーナを知ってる!?」


ぐいっと銃口を突きつけると、ひぃっ、と小さく悲鳴をもらして口角をひくつかせる。


「そ、そりゃあアイツはこっちの世界じゃ有名だからな。なんせあの一匹オオカミを骨抜きにしたって...」

「それはロウとジーナの事か!?お前二人を軽侮するならその頭ぶち抜くぞ!!」


カッとなってハンマーを下ろすと、男は慌てて言い訳を始めた。
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