②若きバンパイア
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4章
木々をかき分けた先には、見慣れた紅白の大きなテントが見えた。ようやくシルク・ド・フリークに着いたのだ。
私たちはトレーラーへ向かい、扉をノックするとすぐにMr.トールが顔を出した。
「おお、やはり君かね。君が私を探している気がしていたよ、ラーテン・クレプスリー」
相変わらずの巨体に、見上げるだけで首が痛くなりそうだ。
私たちを見てすぐ、Mr.トールは中へと招いてくれた。
「何か困ったことでも?」
「ダレンの件でしてな」
クレプスリーが事情を話すと、Mr.トールはうんうんと頷きながら椅子に腰を下ろす。
「なるほど……。もちろん、大歓迎だ。むしろ戻ってきてくれて助かるくらいだ。ちょうど手が足りなくてね。君たちのショーはうちの目玉になる」
「それはどうも。ありがたい」
「しばらくは公演もないし、ゆっくり体を休めるといい。ああそうだ、君の棺もちゃんと手入れさせているよ」
「おお、それは助かる!出先で一番恋しかったからな」
Mr.トールがダレンにも視線を向ける。
「君の分も用意しておこうか?」
「や、やめて!あんなとこ、二度と入りたくない!」
あれ以来、棺にはすっかりトラウマがあるらしい。血の問題と同じく、簡単には拭えないだろう。
「そうだな……テントだが、ダレンは年頃の子と一緒にしてもらえませんかね? できれば――そう、エブラと」
「君が言うなら、そうしよう」
「エブラって誰?」
「いずれわかるさ。お前の面倒はMr.トールに任せる。ちゃんと世話になるんだぞ」
そう言い残すと、クレプスリーはさっさとトレーラーを出て、お気に入りの寝床――つまり棺の元へと向かっていった。
「さあ、私たちも行こう。エブラのテントまで案内してあげる」
*
無事にエブラのテントへダレンを送り届けてから、私も自分のテントへ向かった。
私の方は、年の近い子たちとの相部屋だ。入ってみると、前にも一緒だった見知った顔があり、思わずほっと息をついた。
昼過ぎ、サーカスの仲間たちと食事をしていたダレンにそっと声をかける。
「どう? 少しは慣れた?」
「うん!僕、ここが好きだ。友達もできたよ!」
その言葉に、思わず微笑んでしまう。
でも、よく見るとダレンの顔はどこか疲れ切っていた。血を飲まずに体力仕事――例え動物の血で補っていたとしても、限界はある。
けれど、無理に血を飲ませようとすればまた拗ねるのは目に見えている。だから私はぐっと言葉を呑み込んだ。
木々をかき分けた先には、見慣れた紅白の大きなテントが見えた。ようやくシルク・ド・フリークに着いたのだ。
私たちはトレーラーへ向かい、扉をノックするとすぐにMr.トールが顔を出した。
「おお、やはり君かね。君が私を探している気がしていたよ、ラーテン・クレプスリー」
相変わらずの巨体に、見上げるだけで首が痛くなりそうだ。
私たちを見てすぐ、Mr.トールは中へと招いてくれた。
「何か困ったことでも?」
「ダレンの件でしてな」
クレプスリーが事情を話すと、Mr.トールはうんうんと頷きながら椅子に腰を下ろす。
「なるほど……。もちろん、大歓迎だ。むしろ戻ってきてくれて助かるくらいだ。ちょうど手が足りなくてね。君たちのショーはうちの目玉になる」
「それはどうも。ありがたい」
「しばらくは公演もないし、ゆっくり体を休めるといい。ああそうだ、君の棺もちゃんと手入れさせているよ」
「おお、それは助かる!出先で一番恋しかったからな」
Mr.トールがダレンにも視線を向ける。
「君の分も用意しておこうか?」
「や、やめて!あんなとこ、二度と入りたくない!」
あれ以来、棺にはすっかりトラウマがあるらしい。血の問題と同じく、簡単には拭えないだろう。
「そうだな……テントだが、ダレンは年頃の子と一緒にしてもらえませんかね? できれば――そう、エブラと」
「君が言うなら、そうしよう」
「エブラって誰?」
「いずれわかるさ。お前の面倒はMr.トールに任せる。ちゃんと世話になるんだぞ」
そう言い残すと、クレプスリーはさっさとトレーラーを出て、お気に入りの寝床――つまり棺の元へと向かっていった。
「さあ、私たちも行こう。エブラのテントまで案内してあげる」
*
無事にエブラのテントへダレンを送り届けてから、私も自分のテントへ向かった。
私の方は、年の近い子たちとの相部屋だ。入ってみると、前にも一緒だった見知った顔があり、思わずほっと息をついた。
昼過ぎ、サーカスの仲間たちと食事をしていたダレンにそっと声をかける。
「どう? 少しは慣れた?」
「うん!僕、ここが好きだ。友達もできたよ!」
その言葉に、思わず微笑んでしまう。
でも、よく見るとダレンの顔はどこか疲れ切っていた。血を飲まずに体力仕事――例え動物の血で補っていたとしても、限界はある。
けれど、無理に血を飲ませようとすればまた拗ねるのは目に見えている。だから私はぐっと言葉を呑み込んだ。
