①奇妙なサーカス
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キャンディーと赤い瞳
「おーい!スティーブどこー?」
シルク・ド・フリークのショーが終わって帰ろうとした時、スティーブの姿が見えなくなっていた。
周りには家に帰ろうとする大人たちでボロ屋敷の通路は埋め尽くされていた。
「さぁさぁ!今日の素敵なショーのお土産はいかが〜?」
やっと建物から出ると外には来る時にはなかった出店が並んでいた。お菓子や面白そうなおもちゃもある。
もしかしてスティーブはこれを知ってて先に行っちゃったのか、それとも――。ほんの少し胸騒ぎがしたけど、せっかくだしアニーや、一緒に来られなかったトミーとアランにお土産を買って行ってやろう。
フリークのサーカスとあって、見たことのない奇妙なお菓子が沢山売られている。蜘蛛の巣の見た目をしたキャンディーや骸骨のグミ!引っ張るとずっーと伸びてちぎれない!
僕は、見ていて飽きない商品に目を輝かせていたら商品の向こう側に人が居るのに気づかず、声をかけられてびっくりした。
「買うものは決まった?」
「えっ。あぁ、まだ……。色々あって悩んじゃって!」
「それならコレとコレがおすすめ。あとコレも」
「じゃ、じゃあそれで!」
教えてくれたお菓子もよく見ずにお願いしたら目の前の人は慣れた手際でお菓子を袋に詰め始めた。
「ショーは楽しめた?」
「うん!とっても!!特に曲芸グモのショーは最高で……、!」
さっきのショーを思い出しながら、商品から顔を上げると僕に話しかけていたのはまさにそのショーに出ていた女の子だった。
間違いない、さっき舞台で見た衣装のままその子は僕の目の前にいた。
ショーの時にも思ったけれど、何かこの子には目が離せないというか惹かれるものがあった。それは真っ赤な瞳がそうさせているのか僕には分からないけれど、歳が変わらないくらいなのに凛とした雰囲気に少し背筋が伸びる。
「君、さっきショーに出てた……!」
「ええ。そうだけど……。はいこれ、キャンディー2個おまけしたから一緒に来ていた友達と分けて」
「ありがとう!」
「もう時間も遅いから早く帰りなさい」
君も僕とさほど変わらないくせに……、と思いながら僕はその子に手を振って目的のお土産も買えたし、またスティーブを探すことにした。
「ネア、ありがとう。店番変わるわ」
「ありがとう、テントに戻るね」
さっきの子の声がして振り返ってみたけれど、もうそこにはその女の子の姿はなかった。
辺りにはもうお客の姿は少なく、テントの向こうにかすかに聞こえるのは片付けをしている仲間たちの声だった。私は通路を抜けながら、さっきのお客の背中をちらりと振り返った。お土産袋を抱えながら、何かを探しているような、少し不安そうな目をしていた。
――あの子、友達とはぐれたのかな。
ただの通りすがりの人間、ただの少年。
でも、胸のどこかに、なぜかほんの少しだけひっかかりが残った。理由は分からない。ただ、あの時あの場所で、彼とすれ違ったということだけが、後に私の記憶に強く刻まれることになる。
それは、まだ少し先の話。
「おーい!スティーブどこー?」
シルク・ド・フリークのショーが終わって帰ろうとした時、スティーブの姿が見えなくなっていた。
周りには家に帰ろうとする大人たちでボロ屋敷の通路は埋め尽くされていた。
「さぁさぁ!今日の素敵なショーのお土産はいかが〜?」
やっと建物から出ると外には来る時にはなかった出店が並んでいた。お菓子や面白そうなおもちゃもある。
もしかしてスティーブはこれを知ってて先に行っちゃったのか、それとも――。ほんの少し胸騒ぎがしたけど、せっかくだしアニーや、一緒に来られなかったトミーとアランにお土産を買って行ってやろう。
フリークのサーカスとあって、見たことのない奇妙なお菓子が沢山売られている。蜘蛛の巣の見た目をしたキャンディーや骸骨のグミ!引っ張るとずっーと伸びてちぎれない!
僕は、見ていて飽きない商品に目を輝かせていたら商品の向こう側に人が居るのに気づかず、声をかけられてびっくりした。
「買うものは決まった?」
「えっ。あぁ、まだ……。色々あって悩んじゃって!」
「それならコレとコレがおすすめ。あとコレも」
「じゃ、じゃあそれで!」
教えてくれたお菓子もよく見ずにお願いしたら目の前の人は慣れた手際でお菓子を袋に詰め始めた。
「ショーは楽しめた?」
「うん!とっても!!特に曲芸グモのショーは最高で……、!」
さっきのショーを思い出しながら、商品から顔を上げると僕に話しかけていたのはまさにそのショーに出ていた女の子だった。
間違いない、さっき舞台で見た衣装のままその子は僕の目の前にいた。
ショーの時にも思ったけれど、何かこの子には目が離せないというか惹かれるものがあった。それは真っ赤な瞳がそうさせているのか僕には分からないけれど、歳が変わらないくらいなのに凛とした雰囲気に少し背筋が伸びる。
「君、さっきショーに出てた……!」
「ええ。そうだけど……。はいこれ、キャンディー2個おまけしたから一緒に来ていた友達と分けて」
「ありがとう!」
「もう時間も遅いから早く帰りなさい」
君も僕とさほど変わらないくせに……、と思いながら僕はその子に手を振って目的のお土産も買えたし、またスティーブを探すことにした。
「ネア、ありがとう。店番変わるわ」
「ありがとう、テントに戻るね」
さっきの子の声がして振り返ってみたけれど、もうそこにはその女の子の姿はなかった。
辺りにはもうお客の姿は少なく、テントの向こうにかすかに聞こえるのは片付けをしている仲間たちの声だった。私は通路を抜けながら、さっきのお客の背中をちらりと振り返った。お土産袋を抱えながら、何かを探しているような、少し不安そうな目をしていた。
――あの子、友達とはぐれたのかな。
ただの通りすがりの人間、ただの少年。
でも、胸のどこかに、なぜかほんの少しだけひっかかりが残った。理由は分からない。ただ、あの時あの場所で、彼とすれ違ったということだけが、後に私の記憶に強く刻まれることになる。
それは、まだ少し先の話。
