①奇妙なサーカス
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8章
その晩ダレンは再び私達の元に現れた。頭では分かっていても力が抑えきれなく、周りの人間を傷つけてしまいそうで怖いのだと。
「結局あんたの言う通りになっちゃったね、もう逃げないよ」
「よかろう。我が輩の手下になるには、やるべき仕事がどっさりある」
「仕事って?」
「ふぅむ、そうだなぁ……まずはお前に死んでもらおうか!」
バンパイアは闇の生き物。
人間での生活を捨てなくてはならない。
それは即ち、死ぬということ。
ダレンは≪人間≫としての最後の週末を家族や友だちと過ごした。その間にクレプスリーと私はダレンの部屋のクローゼットに忍び込んで待っていた。
クレプスリーが「いやはや、狭いところで何分待たされたことか」と愚痴をこぼすと、涙を浮かべたダレンが怒鳴った。
「あんたにとってはどうでもよくても僕には大切な場所なんだ。最後のお別れなんだから」
そう言ったダレンはもう一度部屋の中をながめ回し、ベッドの下からバッグを取り出してクレプスリーに渡した。
「おい。なんだこれは?」
「僕の持ち物。日記とか家族の写真とかいろいろ。これ、預かってくれない?でも絶対中身は覗かないでよ」
怪訝そうな顔をしたクレプスリーはその荷物をすぐに私へ渡した。
「大丈夫。覗かないから」
そう声をかけたがそもそも興味がないから覗くはずがない。
クレプスリーは薬を取り出してダレンに飲ませた。あれは毒だ。全身を麻痺させて心臓の動きも鼓動が聞こえないくらいに最小限に抑える。
極めつけにクレプスリーはダレンの首の骨を折った。そして、動けなくなったダレンを抱えて、窓の外へと投げ落とした。
ほんの数秒して外からドサッと鈍い音がした。
どうか本当に死んでいませんように。
シーンと静まり返ってしばらくすると外が騒がしくなり、家のチャイムが鳴った。数分後には救急車がきてダレンは運ばれていった。
それからの物事はスムーズに進んだ。
医者はすぐにダレンが死亡したと診断した。二階から落ち、首が折れて心臓が動いていないのならば医者としては正しい判断だろう。
葬儀も行われ、家族、友だちと大勢の人達に見送られながらダレンは埋葬された。
「ネア、もっと手を動かせ」
「これでも精いっぱいやってる!」
先ほど埋められたばかりの棺を夜中の墓場でクレプスリーと掘りおこす。やっと棺が見え、クレプスリーが棺の蓋を開ける。すると蓋が空いた瞬間、ダレンは深呼吸して起き上がり、咳き込んだ。
「大丈夫?」
「もう、死ぬほど疲れたよ」
ダレンは力なく笑った。
折られた首はバンパイアの力のおかげもあって治りかけている。あと2、3日もすれば全快するだろう。
クレプスリーは再び棺の蓋を閉めて再びシャベルを持ってせっせと土を戻し始めた。
「あの、手伝ったほうがいい?」
「いや、いい。かえって足手まといだ。そこらへんを散歩して体をほぐしてこい。ネア、お前もダレンに着いていてやれ。まだ薬のせいで体が不自由だからな」
そう言われるとダレンは墓石をぬうようにして歩き始めた。
ふらふらとした足取りはクレプスリーの言った通り着いていたほうがいいなと思い、私もダレンから少し距離をとって歩き出した。
色々考えたいこともあるだろう。
しかし、この広い墓地を見渡しているとふと人の気配がした。
その晩ダレンは再び私達の元に現れた。頭では分かっていても力が抑えきれなく、周りの人間を傷つけてしまいそうで怖いのだと。
「結局あんたの言う通りになっちゃったね、もう逃げないよ」
「よかろう。我が輩の手下になるには、やるべき仕事がどっさりある」
「仕事って?」
「ふぅむ、そうだなぁ……まずはお前に死んでもらおうか!」
バンパイアは闇の生き物。
人間での生活を捨てなくてはならない。
それは即ち、死ぬということ。
ダレンは≪人間≫としての最後の週末を家族や友だちと過ごした。その間にクレプスリーと私はダレンの部屋のクローゼットに忍び込んで待っていた。
クレプスリーが「いやはや、狭いところで何分待たされたことか」と愚痴をこぼすと、涙を浮かべたダレンが怒鳴った。
「あんたにとってはどうでもよくても僕には大切な場所なんだ。最後のお別れなんだから」
そう言ったダレンはもう一度部屋の中をながめ回し、ベッドの下からバッグを取り出してクレプスリーに渡した。
「おい。なんだこれは?」
「僕の持ち物。日記とか家族の写真とかいろいろ。これ、預かってくれない?でも絶対中身は覗かないでよ」
怪訝そうな顔をしたクレプスリーはその荷物をすぐに私へ渡した。
「大丈夫。覗かないから」
そう声をかけたがそもそも興味がないから覗くはずがない。
クレプスリーは薬を取り出してダレンに飲ませた。あれは毒だ。全身を麻痺させて心臓の動きも鼓動が聞こえないくらいに最小限に抑える。
極めつけにクレプスリーはダレンの首の骨を折った。そして、動けなくなったダレンを抱えて、窓の外へと投げ落とした。
ほんの数秒して外からドサッと鈍い音がした。
どうか本当に死んでいませんように。
シーンと静まり返ってしばらくすると外が騒がしくなり、家のチャイムが鳴った。数分後には救急車がきてダレンは運ばれていった。
それからの物事はスムーズに進んだ。
医者はすぐにダレンが死亡したと診断した。二階から落ち、首が折れて心臓が動いていないのならば医者としては正しい判断だろう。
葬儀も行われ、家族、友だちと大勢の人達に見送られながらダレンは埋葬された。
「ネア、もっと手を動かせ」
「これでも精いっぱいやってる!」
先ほど埋められたばかりの棺を夜中の墓場でクレプスリーと掘りおこす。やっと棺が見え、クレプスリーが棺の蓋を開ける。すると蓋が空いた瞬間、ダレンは深呼吸して起き上がり、咳き込んだ。
「大丈夫?」
「もう、死ぬほど疲れたよ」
ダレンは力なく笑った。
折られた首はバンパイアの力のおかげもあって治りかけている。あと2、3日もすれば全快するだろう。
クレプスリーは再び棺の蓋を閉めて再びシャベルを持ってせっせと土を戻し始めた。
「あの、手伝ったほうがいい?」
「いや、いい。かえって足手まといだ。そこらへんを散歩して体をほぐしてこい。ネア、お前もダレンに着いていてやれ。まだ薬のせいで体が不自由だからな」
そう言われるとダレンは墓石をぬうようにして歩き始めた。
ふらふらとした足取りはクレプスリーの言った通り着いていたほうがいいなと思い、私もダレンから少し距離をとって歩き出した。
色々考えたいこともあるだろう。
しかし、この広い墓地を見渡しているとふと人の気配がした。
