①奇妙なサーカス
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2章
「ネア、水をくれ!!」
「……えっ。!う、うんっ!」
あれからクレプスリーはどうにもあの子どもが気になるようで暫くは黙りこくっていたけれど痺れを切らしてテントを出ていった。本番を終えたマダム・オクタへ餌やりを済ませ、食事の支度をしようとした矢先に冒頭のあれだ。
勢いよくテントの入口が開いたと思えばクレプスリーの口元は、血まみれで慌てて入ってきた。私が直ぐにコップに入れた水を渡すとクレプスリーはそれを口に含ませて吐き出した。
「酷い血だ!まるで悪魔の血!あんな奴をバンパイアにしてはならん!!」
「一体何があったの?」
「我が輩の事をじっと見ておった先程の子どもだ。終わった後もあの場にいてな、何を言うかと思ったら我が輩の正体を知っておるだと!しかも仲間にしてくれと言い出すから味見をしたんだ、したらどうだ!奴の血は悪魔だ!!」
その後も2、3度口を濯いだ後、クレプスリーは寝床となっている棺へ入っていった。
全くバンパイアになりたいだなんておかしな子どもが居るものだ。今の自分が、人間であることがどんなに幸せなのか分かっていないんだ。
バンパイアなんて伝説やフィクションの存在にしか過ぎないと思っていた。でも現にそれは存在していて、人間の血を吸い、太陽を避け暗の中で生きる闇の存在であった。
私だってなりたくてバンパイアになった訳じゃない。私の場合それを選ばざるを得なかったのだ。
それなのにその子どもは自分の今の幸せを投げ打ってまでなぜバンパイアになりたいのか、疑問を持ちながらテントを出ればシルク・ド・フリークのメンバーやスタッフがまだ片付けの作業に追われていた。
先程最終公演が終わり、私たちはまた明日から次の街へ移動する。機材や大道具が次々とトレーラーに運ばれていく様を横目に見ていた。
「よぉ!ネア、お疲れ様」
「エブラ、お疲れ様。そのソーセージいただくよ」
「どうぞ!この街もあっという間だったなぁ……、ネア、今日珍しい客が来てたの気づいたか?」
「うん。子どもでしょ……」
「なんだよ。何かあったのか?」
蛇少年のエブラは私より少し年上の男の子だ。蛇のような鱗を持ち、脱皮もして舌も長い。手と足に妙な水かきを持っているけれどそれ以外は普通の男の子で、よくお互いの話し相手になっている。
「それがその子どもが私達の正体を知ってたみたい。仲間にしてくれって言うもんだからクレプスリーが血を味見したらとんでもない味だって、さっきまで大騒ぎだったよ」
思い出してため息がでた。
今晩ショーが終わったらクレプスリーと血を飲みに行く約束だったんだけどクレプスリーがあんな感じじゃお預けだ。
「……俺の血飲む?」
「有難いけど辞めておくよ。生憎、蛇の血はバンパイアにとって毒だから無理だよ」
「ちぇっ!貸しが出来ると思ったのになぁ」
勿論、エブラは私が半バンパイアであることは知っている。と言うよりもシルク・ド・フリークのメンバー皆が知っているから、ここではバンパイアであることを隠さなくとも自然体で居られて楽だ。
明日にはクレプスリーの機嫌も治ってるといいなと思いながら目の前で煌びやかに揺れている焚き火の日を見つめていた。
「ネア、水をくれ!!」
「……えっ。!う、うんっ!」
あれからクレプスリーはどうにもあの子どもが気になるようで暫くは黙りこくっていたけれど痺れを切らしてテントを出ていった。本番を終えたマダム・オクタへ餌やりを済ませ、食事の支度をしようとした矢先に冒頭のあれだ。
勢いよくテントの入口が開いたと思えばクレプスリーの口元は、血まみれで慌てて入ってきた。私が直ぐにコップに入れた水を渡すとクレプスリーはそれを口に含ませて吐き出した。
「酷い血だ!まるで悪魔の血!あんな奴をバンパイアにしてはならん!!」
「一体何があったの?」
「我が輩の事をじっと見ておった先程の子どもだ。終わった後もあの場にいてな、何を言うかと思ったら我が輩の正体を知っておるだと!しかも仲間にしてくれと言い出すから味見をしたんだ、したらどうだ!奴の血は悪魔だ!!」
その後も2、3度口を濯いだ後、クレプスリーは寝床となっている棺へ入っていった。
全くバンパイアになりたいだなんておかしな子どもが居るものだ。今の自分が、人間であることがどんなに幸せなのか分かっていないんだ。
バンパイアなんて伝説やフィクションの存在にしか過ぎないと思っていた。でも現にそれは存在していて、人間の血を吸い、太陽を避け暗の中で生きる闇の存在であった。
私だってなりたくてバンパイアになった訳じゃない。私の場合それを選ばざるを得なかったのだ。
それなのにその子どもは自分の今の幸せを投げ打ってまでなぜバンパイアになりたいのか、疑問を持ちながらテントを出ればシルク・ド・フリークのメンバーやスタッフがまだ片付けの作業に追われていた。
先程最終公演が終わり、私たちはまた明日から次の街へ移動する。機材や大道具が次々とトレーラーに運ばれていく様を横目に見ていた。
「よぉ!ネア、お疲れ様」
「エブラ、お疲れ様。そのソーセージいただくよ」
「どうぞ!この街もあっという間だったなぁ……、ネア、今日珍しい客が来てたの気づいたか?」
「うん。子どもでしょ……」
「なんだよ。何かあったのか?」
蛇少年のエブラは私より少し年上の男の子だ。蛇のような鱗を持ち、脱皮もして舌も長い。手と足に妙な水かきを持っているけれどそれ以外は普通の男の子で、よくお互いの話し相手になっている。
「それがその子どもが私達の正体を知ってたみたい。仲間にしてくれって言うもんだからクレプスリーが血を味見したらとんでもない味だって、さっきまで大騒ぎだったよ」
思い出してため息がでた。
今晩ショーが終わったらクレプスリーと血を飲みに行く約束だったんだけどクレプスリーがあんな感じじゃお預けだ。
「……俺の血飲む?」
「有難いけど辞めておくよ。生憎、蛇の血はバンパイアにとって毒だから無理だよ」
「ちぇっ!貸しが出来ると思ったのになぁ」
勿論、エブラは私が半バンパイアであることは知っている。と言うよりもシルク・ド・フリークのメンバー皆が知っているから、ここではバンパイアであることを隠さなくとも自然体で居られて楽だ。
明日にはクレプスリーの機嫌も治ってるといいなと思いながら目の前で煌びやかに揺れている焚き火の日を見つめていた。
