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SS

擦り傷

「いっててて……」
 思い切り、ずっこけた。
 その時に少年は自身の膝を擦りむいた。
 赤く滲んだ患部。
 苦痛に顔を歪めたシグリ。
「おい、大丈夫か?」
「ああ、問題ない」
「とりあえず、化膿しないよう、どこかで傷を洗おう」
 うっ。
 言葉に詰まったシグリの心中を察するようにヴィヴィが口角を上げる。
「なんだ? しみるのが怖いのか?」
「ま、まさか!!」
「おうおう、その調子、その調子」
 ――完全におだてられている気がする。
 シグリは小さくヴィヴィを睨みつけた。

【END】
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