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1話
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・・・・・・・
「はぁ……。」
終業して、帰路に着いている途中で今日のミスを思い出す。
もっと考えて行動すればよかったのに…。
終わったことが、いつまでも心の中で悔やんでいた。
「お前は、何回、同じミスをするわけ。何回同じことで、俺は怒り続けなきゃいけないわけ…?」
上司の叱責が、胸を抉るような痛みで、私をなじって潰そうとしている。
余計な反芻は、プラスになることはない。
時間だけをかけて、ただ痛みを植え付けるだけだと、頭で分かってはいても、同じミスをしているのは事実なので……何とか改善策を投じなきゃいけない気がして、焦っていた。
今の時刻は、夜20:00を回っている。
腕時計を見て、思考を切り替える。
急いで帰宅して、シャワーを浴びて、ご飯を食べて…と明日に向けての段取りを頭で組む。
反省会は、それらが終わってからでいいや……明日は午前にミーティングがある。
そう考えて、早道で帰ろうと、街灯があまりない人気のない抜け道へ足を踏み入れる。
その瞬間――…後頭部付近に強い痛みが走った。
目の前が白くなる。
スローの様に周りの動きが遅い。
意識がなくなる…?と考えた刹那、重力のまま下へと崩れ落ちそうになった体を、誰かに支えられたように感じた。
そのおかげか地面と衝突することはなかった。
留まった体は妙にふわふわとした浮遊感を感じる。
「おやおや…災難ですねぇ…❤」
そして、嘲笑するかのような愉し気な低い声を、聴いたところでブツリと意識を手放した。