そして、真面目に仕事をして、いざ業務終了の鐘を聞くとはやる気持ちを抑えきれなくて、いつもの私からは考えられない速さで飛んだ。

いつもは早く飛ぶの苦手でぶつかっちゃうんだけど、今はなぜか気持ちがよくってすいすい動くことができた。
これ、きっとB様に会えるからだわ！そう気持ちが高ぶり、緩やかに半回転して裏門へと急いだ。
他の天使たちは、業務終了のため、みんな正門から帰るため誰ともすれ違わない。
B様と二人っきりだ。嬉しいなと、焼却炉の前に着いてそわそわしながら、B様の到着を待った。

それから…10分以上待っただろうか？

塔からは何の気配も感じない。
みんな帰ったんだろうか？B様は、残業だろうか？
こんな事なら、B様と一緒に来れば良かったなあと…考えた刹那。
焼却炉から大きな電子音が鳴り、その瞬間に体に大きな衝撃を感じた…。目の前が真っ赤な炎に包まれた…ような気がした……。
体中が、特に背中が焼けるように、熱くて痛くて、びりびりと痺れて……視界が真っ白に弾けて、意識がブツンと途切れた。


・・・・・・・



あれから、あっという間に数ヵ月もの日が経ってしまいました…。

名前さんは、私の指定した焼却炉前で、私を待ってくれていました。
そこで、私を待つ間に…“誰が仕掛けていたのか？”
対魔獣用の爆破トラップが作動してしまって、名前さんは…可哀想に、片翼が燃えてほとんどが焼けただれてしまいました。

火傷が酷すぎて、切断しないと壊死して助からないと言われたので…“知り合いのお医者さんに手術してもらいました。”
あァ…、ちゃぁんとした腕のいいお医者さんです。