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夢ならば。
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ネオンの光が視界の隅でひとときだけ流れる電磁波のように残る。
繰り返し、何度も弾けて、そのまま心の隅に色を残すみたいに、変わっていく。
来る前と今とじゃ、容量が変わって重くこの身に響く。私の中心が何だか引き攣って痛いような気がする…。
…楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。
数えきれないほどの揺蕩う海月も、ぴったりくっついて眠っている仲良しなコツメカワウソも、ビルを背景に造られた空から水の波紋の影を落とし、泳ぐペンギンコーナーも。
たくさんの初めてを一緒に過ごして、水族館から出た後、雑貨屋さんに行った。
別に立てたプランには載っていない、何となくで決めた買い物だが、ブラックは特に何ともない顔で「いいですよ」と了承してくれた。
可愛いらしい色鮮やかなアクセサリーたちが、飾るためのツリーに掛けられて並べられていた。
その中でも、赤いガーネットの天然石のピアスが目に付いた。
大きさも小ぶりで、職場に付けて行くのも気にしなくてよさそうだった。
『ブラックさん、これ、ブラックさんみたいですね。』
そう言い見せると、
「確かに、そうかもしれませんね…。お土産にしますか?」
と聞いてきた。
でも、夢では持って帰れないのでは…?と思い固まっていると、
「オレちゃんへのアンケートのお礼です。あわてんぼうのサンタさんになりましょうか!」
そう言ってカカカッっと無邪気に笑った。
『え、どういうことですか?』
「…後日届けてあげます。オレちゃん、リスナーの皆さんちゃんは大事にしますので。」
そう言って、ささっと流れるように会計を済ませてしまった。
店を出ると、秋の終わりを告げるかの様な冷たい木枯らしが、身に突き刺さる。
コートの襟が揺れる。ブラックの丈の長いコートは風の方向へと身を任せて靡いた。
明晰夢と言えど、多少時間の概念はあるらしく、さっきまで明るかった外はいつの間にか暗くなっていて、街灯が安全を見渡すようにして等間隔に並び、道に向けて灯りを点じていた。
『あの、でも、プレゼントなんて、ただのリスナーにやりすぎじゃないですか?』
と、聞くと
「……、協力してくださった名前さんは少なくとも他の皆さんちゃんよりは、協力者としてランクは上ですよ。」
そう言ってのけた。
『っ…、ブラックさんって、何か人たらし…みたいですね。アハハ…』
冷たい寒さゆえか、頬が赤く染まるが、特に何も言われることなく少しの間、無言が続いた。
「さて、そろそろ時間が来てしまったようです…。」
そう言うとほぼ同時に、アラーム音が聞こえてくる。
ブラックは、私に向き直るとそっと両手で私の手を包んで、大きな目を向けた。