テーブルの上には調理済みの料理が、乗せられていていた。


『やあー！今日いてくれて良かったぁ♡♡』

思わず歓喜の声があがってしまう。

彼は自称ホムンクルス…らしい。有名な悪魔系ヨーチューバ―を模して科学者に造られたと言っていた。
彼が公園でキャンプしているところを見て、興味本位から声をかけた。

話すと普通に人当たりがよくて、ただの優しい…いい人と変わりなかった。

いつもは魔界にいて、たまに人間界に来るけど、人間界には自分の家はないから…という話を聞いて、じゃあたまに来たときは私の家に来たら？と、家の鍵の隠し場所を教えていた。

別に金目の物は家に置いていないし…一人暮らしは寂しいし、いいかなと安易に考えて言ってしまったのが切っ掛けだ。

この猫も、その頃にはいなかったのだが、過ごしているうちに保護する切っ掛けがあり…保護してから、今では同じぐらいに可愛がってくれている。

それにたまに来た時は、こうやって料理してくれるし、優しいから癒されるし…嬉しいんだよなあ…。

洗面台でしっかりと手を洗って、また簡単に髪を整えて、部屋に向かう。

猫が私に気付くと、すり寄ってきて足元で顎をごろごろ鳴らしていた。


「ん…何かあったのか？」

座っている彼が、私を見上げる形で様子を覗ってくる。

端正な顔立ちで、観察するように見つめられて、何だか見透かされるような気持ちもあり、ドキリと、胸が跳ねてしまう。