宇佐見菫子と初めての後輩
「どこから話したものか……とりあえず腐れ縁って雑な感じじゃあ……だめよね。そもそも、あいつとは幼なじみなんだけど」
「え⁉ただただチーくんとは仲良いだけじゃなかったんだ?」
「幼なじみで同じ高校って、何か約束でもしたの?」
「いやー、これがほんっとに偶然なのよ。去年のクラス名簿見たとき変な声出たもの。あと、幼なじみって言っても小五からだし……」
「あら、別に問題ないんじゃないかしら。そのくらいから家族ぐるみの関係なら定義的には幼なじみになると思うわよ」
「そういう話じゃなくて…!とりあえず偶然同じ学校なだけよ」
私以外の三人からの疑問にやれやれといった面持ちで答えつつ柏野さんは喋り続ける
「で、高校入ってから幼なじみの思わぬ一面を見て……みたいなのはないのかな?」
「んー……結構趣味や好みが近いのもあったからそういうのは、なかったわね」
「紅菜ちゃんの趣味っていうと……」
「演劇……というか衣装制作ね。舞台衣装っていうよりもコスプレの方が近いかな?それの自作というか、バウンドコーデになるくらいのアレンジしたり、小物作ったり……」
「え!凄い‼今度見せて欲しいな!」
「ほうほう、つまりチーくんはコスプレ趣味があると……」
「いや、それはないかなぁ。素材としては良い感じなんだけどね。……ゴホン。それより、中学じゃ私の趣味の方がマイナーというか理解されにくくて結構隠してたんだけど……」
柏野さんの話を私を含めた三人でおおー、とかへー、という相槌をうったり、時には気になることを聞いている。
「紅菜っちー、今のところ結構な素敵エピソードは聞くし、お互いに信頼してるみたいな感じなんだけど、どうしてその先に踏み込もうとしないの?……これかなりデリケートな気がするから、言いたくなければ言わなくてもいいんだけどさ」
話を聞いている限り、片思いというかどちらかと言えば両想いに近いのかなっていうエピソードはあるんだけど、意識して踏み留まってる様な感じがする。……まあ、私がそう言うことに疎いからかもしれないけど。
「あー……多分だけど意識する前の話だからかな。……ここまで話してたら隠しても意味ないし。まぁ聞いた話なんだけど、色々あってあいつは好きになった相手に何も伝える間もなくもう会えなくなったらしくてさ。それを知ったときに私は誰にも渡したくないって思っちゃったわけよ……。って改めて口にするとめちゃくちゃハズイわね」
「そんなことないよ!その気持ちすっごい大事だから‼」
顔を赤くした柏野さんを柏木さんは励ますように声をかけた。
「あ、ありがと。……だから踏み込もうとしないというよりも、そういう気がなかったからってだけでさ。その話を知ったのも割りと最近で、今は話してるときに変なボロ出さないかってちょっと怖いんだよね」
話し終えた柏野さんはあはは……と力無く笑っていた。
「まあ、ここで愚痴っぽいけど吐き出せたからほんのちょっと肩の荷が降り……って!」
座っていた椅子の足が滑り、柏野さんが倒れそうになる。
「ったく、大丈夫か、紅菜?あの座り方は後ろに倒れやすいんだから気を付けろっての……」
そんな彼女を支えたのは渦中の人物だった。
「おおー、チーくんナイスタイミング!」
「ほんと、宮東のいう通りだよ。タイミング良く教室に戻ってきたから良かったものの……って何かすっごく暖かい目で見られてる気がするんだけど……?」
「ぁ……ぅ、うるさい、バーカ、バーカ!」
「助けたのにそれは酷くない⁉」
素直になれない柏野さんを見て、
「青春ね」「青春ですね」「青春だねぇー」
と更に暖かい目でみる三人。
「とにかく!千歳はあっち行ってて!それと宇佐見さん!」
「はい!」
照れを隠すためか、普段より強い口調で柏野さんは私を呼んだ。
「もう時間無いから放課後ね!他の三人もそれで良い?」
上手く流れないかなと思ったけど、私の番は忘れていなかったらしく、他の三人の了承と共に今日の放課後の予定が決まったのであった。
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「え⁉ただただチーくんとは仲良いだけじゃなかったんだ?」
「幼なじみで同じ高校って、何か約束でもしたの?」
「いやー、これがほんっとに偶然なのよ。去年のクラス名簿見たとき変な声出たもの。あと、幼なじみって言っても小五からだし……」
「あら、別に問題ないんじゃないかしら。そのくらいから家族ぐるみの関係なら定義的には幼なじみになると思うわよ」
「そういう話じゃなくて…!とりあえず偶然同じ学校なだけよ」
私以外の三人からの疑問にやれやれといった面持ちで答えつつ柏野さんは喋り続ける
「で、高校入ってから幼なじみの思わぬ一面を見て……みたいなのはないのかな?」
「んー……結構趣味や好みが近いのもあったからそういうのは、なかったわね」
「紅菜ちゃんの趣味っていうと……」
「演劇……というか衣装制作ね。舞台衣装っていうよりもコスプレの方が近いかな?それの自作というか、バウンドコーデになるくらいのアレンジしたり、小物作ったり……」
「え!凄い‼今度見せて欲しいな!」
「ほうほう、つまりチーくんはコスプレ趣味があると……」
「いや、それはないかなぁ。素材としては良い感じなんだけどね。……ゴホン。それより、中学じゃ私の趣味の方がマイナーというか理解されにくくて結構隠してたんだけど……」
柏野さんの話を私を含めた三人でおおー、とかへー、という相槌をうったり、時には気になることを聞いている。
「紅菜っちー、今のところ結構な素敵エピソードは聞くし、お互いに信頼してるみたいな感じなんだけど、どうしてその先に踏み込もうとしないの?……これかなりデリケートな気がするから、言いたくなければ言わなくてもいいんだけどさ」
話を聞いている限り、片思いというかどちらかと言えば両想いに近いのかなっていうエピソードはあるんだけど、意識して踏み留まってる様な感じがする。……まあ、私がそう言うことに疎いからかもしれないけど。
「あー……多分だけど意識する前の話だからかな。……ここまで話してたら隠しても意味ないし。まぁ聞いた話なんだけど、色々あってあいつは好きになった相手に何も伝える間もなくもう会えなくなったらしくてさ。それを知ったときに私は誰にも渡したくないって思っちゃったわけよ……。って改めて口にするとめちゃくちゃハズイわね」
「そんなことないよ!その気持ちすっごい大事だから‼」
顔を赤くした柏野さんを柏木さんは励ますように声をかけた。
「あ、ありがと。……だから踏み込もうとしないというよりも、そういう気がなかったからってだけでさ。その話を知ったのも割りと最近で、今は話してるときに変なボロ出さないかってちょっと怖いんだよね」
話し終えた柏野さんはあはは……と力無く笑っていた。
「まあ、ここで愚痴っぽいけど吐き出せたからほんのちょっと肩の荷が降り……って!」
座っていた椅子の足が滑り、柏野さんが倒れそうになる。
「ったく、大丈夫か、紅菜?あの座り方は後ろに倒れやすいんだから気を付けろっての……」
そんな彼女を支えたのは渦中の人物だった。
「おおー、チーくんナイスタイミング!」
「ほんと、宮東のいう通りだよ。タイミング良く教室に戻ってきたから良かったものの……って何かすっごく暖かい目で見られてる気がするんだけど……?」
「ぁ……ぅ、うるさい、バーカ、バーカ!」
「助けたのにそれは酷くない⁉」
素直になれない柏野さんを見て、
「青春ね」「青春ですね」「青春だねぇー」
と更に暖かい目でみる三人。
「とにかく!千歳はあっち行ってて!それと宇佐見さん!」
「はい!」
照れを隠すためか、普段より強い口調で柏野さんは私を呼んだ。
「もう時間無いから放課後ね!他の三人もそれで良い?」
上手く流れないかなと思ったけど、私の番は忘れていなかったらしく、他の三人の了承と共に今日の放課後の予定が決まったのであった。
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