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ハレと不安と文化祭

「それじゃ、二日間お疲れさまでしたーーーー!かんぱーい!」
 柏野の音頭でクラスメイト達が持っていたプラ製カップをぶつけ合う。
 あのあとは滞りなく文化祭も終わり、現在は後夜祭に向けての待機時間である。
 ウチのクラスは撤収作業もはやく進め、案内があるまでは簡易的なお疲れさま会状態になっていた。
「それじゃ今回の文化祭での影の立役者である……宇佐見さん!ほら、前に来て!皆、拍手拍手!」
 急に呼ばれ、何かわからぬままクラスメイトに拍手で迎えられる宇佐見。それを遠巻きに眺めていた。
「お疲れさま、ウッチー」
「おお、小野寺か。お疲れ」
 ペットボトルの飲料を持ちながら小野寺は俺の前の席を陣取った。
「今日も大変な事になったんだって?」
「まぁ、昨日の冤罪に比べればだいぶマシだよ。ホール、キッチン共に忙しかったわけだし」
 それでも問題発覚から対処まではそれなりに迅速に対応していたから、純粋に客足が凄かっただけなんだろう。
「呼び込み班も打ち上げがーって無駄に気合い入ってたから、これは店番の人達大変そうだなぁって思ってたんだ」
「そう思ったなら呼び込みをとめてくれ……」
「それは、ほら。俺も打ち上げはしたかったし」
 そんな話を小野寺としていると、校内放送で後夜祭が始まるアナウンスが流れる。
 室内で喋っていた面々もやっと始まるのかーと思い思いに教室をでていく。
 その流れについて行くように俺も教室を後にした。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
宇佐見菫子の手記
20xx/10/29
 二日間の文化祭が終わった。
 思ったより……ううん、思った以上に充実した二日間だった……と思う。
 まぁ、色々あったからと言うのもあるかもだけど。
 思い返すと春に幻想郷に行って、そこでの一悶着があって、友達を作るのも悪くないかもしれないって感じたのは間違いないのかもしれない。
 ……多分、あの頃みたいに周りを拒絶してたら楽しむどころか参加すらしてなさそうだし。
 レイムっち達に出会ってから私は確実に変わったんだなとしみじみ思う。……まだ、外の世界ではそんなに友達はできてないかもだけど、去年までと比べれば……だいぶ増えてるはずだし……。多分、きっと。
 昨日の一件でクラスの女子達とは喋れた……いや、まだ名前と顔が一致しないけど、とりあえず柏野さんは覚えれたし、そのうち他のクラスメイトも覚えれるでしょ。
 …………まあ、もうすぐ進級だったりでクラス変わっちゃう人もいるかもしれないんだけどね。
 そういう先の事は置いといて、文化祭を楽しめって後押ししてくれた皆にお礼を言いに行こうと文化祭から帰ってきてすぐに布団に入ったんだけど……」
「あら、菫子じゃない。遅かったわね」
「そりゃ、文化祭だったから普段の日曜日よりは遅くなるわよ。……そうじゃなくて、また宴会してるの?」
 幻想郷に来ると一番はじめに降り立つ、ここ博麗神社。普段なら閑散としている静かな場所なのだが、なぜか今日は宴会の日だったらしく、人妖神問わず色々な人たちが集まっていた。
「あー……早苗がね。なんか外の世界ではぶんかさい?やってるから私たちも騒ぎたいって言ってくるもんだから……」
 今日の宴会の開催理由をどこか遠い目をしながら説明してくれるレイムっち。サナエちゃんが発端……あぁ、グイグイ迫るサナエちゃんと圧に押されているレイムっちが見えるわ。
「とかいいつつ霊夢さんもノリノリだったじゃないですかー」
「あっ、サナエちゃん」
「菫子さん!やっと来たんですか?早く外の文化祭の話とか色々聞きたくて待ってたんですよ!ささ、こっちでどんな出し物があったとか、思ったより美味しかったものとか、想像以上だったアトラクションとか……とにかく話を聞かせてください!ほら、早く早く!!」
「わわ……ちょっと待ってってばー」
 こちらの返事を待つことなく、私の手を取り自分達の……守矢神社の面々が集まっている場所へと引っ張っていく。
 これじゃ皆にお礼を言えるか分からないな……と思ったが、手を引くサナエちゃんの嬉しそうな横顔を見て、私が覚えてる範囲で彼女が喜んでくれそうな話をしようかなと、そう思った。

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