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宇佐見菫子の困惑

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宇佐見菫子の手記
20xx/07/16
 電車で寝過ごして新宿まで出てしまった……しかも早朝に……。
 お互いに疲れてたのだから仕方ない。
 彼も引き連れて町をぶらつく。途中から眠気の方が強くなり12時前にお互い帰路につく。
 学生だからオールなんてなんてことないはずだけど……まああれだけ走り回ってたから仕方ないわよね。
 今は部屋のベッドが恋しいわ……。


20xx/07/17
 祝日で学校も休み!幻想郷に長くいれる!
 そして一昨日の事を神社にいたみんなに話す。
 レイムッチは「アンタ一人なら超能力とかでどうにかなるかもしれないけど、一般人を巻き込んで危険な目に合わせないでよね?」と私のしたことに灸を据えてきた。
 それを見ていたマリサッチは「まーまー、そういう危険な状況でバシーンと使うんだろ?お前の能力をさ」と一言。
 その言葉には苦笑いで返すしかなかった。
 あの時確かにスペルカードを一度、身を守るために使ったけど……それでどうしようもなければ?と今になって恐ろしくなったのだ。
 サナエちゃんはこの話を聞くと、「人前で幻想の力を行使するなら、細心の注意を払ってくださいね?」と告げてきた。
 そりゃ、人前では使わないようにしてるけど……。
 わかったような、わからないような曖昧な表情を浮かべる私を見て、彼女は「……私は人の前で奇跡を行使した。……といっても、そうせざるを得ない状況で、でしたけどね。
 だから私は此処にいる。
 貴女ならこの意味……解りますよね?」と。

 わかってると返事をしようとしたところで目が覚める。


 わかってるわよ。貴女の言いたいことくらい。


 幻想郷。
 それは夢と幻想、夢想の世界。
 サナエちゃんの奇跡を起こす能力は、現人神という存在はこちらの世界じゃ誰一人として信じてない……。
 それじゃあ私の超能力は?
 空想や絵空事……。もしも私のこの能力が世間に知られてしまったら?そして誰も信じなかったら?
 その時私は、どうなってしまうのだろうか?




 それだけは、知るのが怖いよ……。


20xx/07/21

 私の原点、改めて口にすると突拍子もないけど、あの時に見た夢の世界がどことなく幻想郷に似ているから、三日間の神隠しは本当にあったことだと信じている。
 まあ、人に話すときにはそのあたりだけぼかすんだけど。
 誰もが鼻で笑うか、嘘と決めつけてしまうこの話を、彼は否定せず、それがあったからこそ今の私があると言ってのけた。
 その時の私はたぶん呆気にとられたような顔をしてたんだろうなあ。
 否定されなかった。ただそれだけなのに、少しだけ嬉しい気持ちになる。
 その反面、彼に隠している事があるから素直に喜べない。それどころか罪悪感がある。


 幻想郷の事を話すことは口止めされてるけど、私の……超能力の事は話してもいいかな?





 ダメだ。それでもし否定されたら私はどうなる?
 ただ孤独になるだけならまだいい、中学の頃は率先して独りになろうとしていたんだから。
 でも、サナエちゃんのように世界に拒絶されたら?
 その結果、私を私足らしめるこの能力が失われたら?
 そう考えただけで足がすくみどうしようもなくなってしまう。





 でも相談なら……マミさんやカセンちゃんに相談するだけなら許されるかな?
 ちょうど夏休みだし、今度相談にのってもらおうかな……。

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