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【小さき者の恋心】
「いい?ここは頭首である私が──」
「お姉様、それはこの間も聞いたわ。だから、妹である私が──」
「それも前に聞きましたよ。ですので、間をとってこの私が──」
『貴女は黙ってて!!』
「ひぅ……私だって、私だって……ここで退くわけには、行かないんですー!」
「きゃっ!?ちょっと、いきなり弾幕張らないでよ!」
「ふっ……フフフフフフ。いいわよ、貴女がその気なら、しっかり躾て逆らえないようにしてあげるわ」
「うぅ……く、来るなら来やがれってんです!」
「フラン、先にあの子を負かした方が彼の相手をするってことでどう?」
「奇遇ねお姉様、私もそう言おうと思ってたところよ」
「じゃあ、私がお嬢様方を倒せば……私が相手をしていいんですよね?」
「やれるものならなっ!!」
ふむ、どうして僕が来るとこの三人は弾幕ごっこを始めるのだろうか?
「はぁ……鈍いのね、貴方は」
「あっ、これは館長さん。毎回お世話になってます」
「そう思うなら、この三悪魔を外に連れて行って貰えないかしらね?」
「確かに……毎度図書館の中で暴れると掃除が大変ですもんね」
視界の中には入る棚は壊れてはいないが、なかに入れられていたであろう蔵書の数々が床に散乱していた。
「ですけど、流石に僕の力ではあの中に割り込んで無事に戻って来れそうにないんですよ」
「知らないわよ。そんな些細なこと」
些細なことなんですか、僕の命は……
そう言っている内に三人の弾幕ごっこに終わりが見えてきた。
「さて、私とフランはスペルが一枚ずつ。対する貴女はスペル無し」
「そして残機はみんなゼロ。あんたも私も、お姉様もコンティニュー出来ない状況だけど……どちらが不利かはわかるわよね?」
「わかります……わかっていますとも。お二人が最後に残しておくだろうスペルカードと、その攻略方もっ!」
「言ってくれるじゃない、小悪魔。それじゃ、攻略してみて頂戴?神槍『スピア・ザ・グングニル』」
「こあー、手加減出来ないから壊れても怒らないでね?禁忌『カゴメカゴメ』」
「……そこです!」
一番最初に動いたのは小悪魔さんだった。
レミリアお嬢様やフランお嬢様が獲物を振るう寸前に周囲に連続した大弾をばらまき、その途中にクナイ弾を二人に向け束で放ち、その動作を終え大弾に紛れ次の位置へと移動する。
そして移動する前の位置を紅い槍が通り抜けていった。
「くそっ、フランの事だからレーヴァテインあたりを使うのかと警戒しそびれたか。だが、まだ攻略されたわけじゃないぞ、小悪魔」
だが、どちらにも当たらず、再び弾幕を張り、二人の視界から身を隠す。
「ごめんなさいね、お姉様。こうなったら一度に二人を倒せるものを使うしかないと思ったの」
「知ったことか、この程度私にかかれば……かかれば……かか……。小悪魔!弾幕張るの止めなさいよ!避けにくいでしょうが!!」
そんなこと言って、止めるわけが───
「わかりました」
「へっ?あ、ありがと」「えっ?」
あった。その所為で二人のお嬢様方は面食らっている。
「ですが、グングニルを避けれた時点で私の勝ちが決まっていました」
「何を言って───」
「レーザーピラー、起動&固定砲台発射です♪」
小悪魔さんが笑顔でそう唱えると、二人の足下からレーザーが上がり、背後からもレーザーが放たれ、二人の吸血鬼は地に伏してしまった。
「私、勝利っ♪いぇい!と言うことで、今回は私がナナシさんの相手をしますね」
「待ちなさい、小悪魔!今のは──」
「はーい、そこまで。レミィ往生際が悪いわよ」
「だって」
「だってじゃないでしょ?ナナシくんだって今のは見ていたんだから、諦めなさい」
「それじゃ、パチュリー様。申し訳ありませんが今からお暇をいただきます!さぁ、行きましょ。ナナシさん!」
「ん、あぁ。お邪魔しました、館長さん」
「どう致しまして。出来れば今度からは違う場所でやり合ってもらいたいのだけど……」
「善処しますよ。それでは」
地下にある図書館を出て、僕を引き連れながら小悪魔さんがやってきたのは、紅魔館の庭の一角にある小さめのテラスだった。
「さっきの小悪魔さん、すごかったですね」
「そうでしょう、今日の私はルナティックですからねっ」
ルナティック……意味は、ばかげているだったっけ?
「……ですけど、貴方の前でなら、イージーになっていいですよね?」
「うん、構わないよ」
急にしおらしくなった小悪魔さんは僕に寄りかかりつつ呟いてきた。
「正直言って、私、すごく怖かったんです。だって、あのお二人に啖呵切ったんですから……だけど、私も負けたくなかったから……」
「うん」
「だって、貴方はいつも鈍感で、思わせぶりで……」
「う……ん?」
「だから、とられる前に力ずくでもいいから、貴方にこの気持ちを伝えたかったんです。私、ナナシさんが好きです。だから…つきあってください」
寄りかかられているから、顔は見えないけど多分きっとすごく緊張しているんだろうな。
僕は伏せてしまっている顔にぽんっと手を置いた。
「あはは……参ったな。こりゃ」
「……なにが参ったんですか?」
「言われちゃったからだよ。僕が言いたいことを、全部ね」
顔を上げ、僕を見上げる瞳は少し赤くなっていた。彼女は泣いていたんだろう。
「それじゃあ、その……」
「うん、不甲斐ないだろうけどよろしくね」
「はいっ!!こちらこそよろしくお願いします!」
あとがき→
お疲れ様ですくりゅです。夏が暑いです。
それは置いておき、ひさしぶりの小悪魔夢です。
さらにひさしぶりに告白系の夢小説を書いたんで、なかなか難しかったです。初心に戻るとかそんな感じ。楽しんで書くのが一番ですね。
菓子パンさん、リクエストありがとうございました。
「いい?ここは頭首である私が──」
「お姉様、それはこの間も聞いたわ。だから、妹である私が──」
「それも前に聞きましたよ。ですので、間をとってこの私が──」
『貴女は黙ってて!!』
「ひぅ……私だって、私だって……ここで退くわけには、行かないんですー!」
「きゃっ!?ちょっと、いきなり弾幕張らないでよ!」
「ふっ……フフフフフフ。いいわよ、貴女がその気なら、しっかり躾て逆らえないようにしてあげるわ」
「うぅ……く、来るなら来やがれってんです!」
「フラン、先にあの子を負かした方が彼の相手をするってことでどう?」
「奇遇ねお姉様、私もそう言おうと思ってたところよ」
「じゃあ、私がお嬢様方を倒せば……私が相手をしていいんですよね?」
「やれるものならなっ!!」
ふむ、どうして僕が来るとこの三人は弾幕ごっこを始めるのだろうか?
「はぁ……鈍いのね、貴方は」
「あっ、これは館長さん。毎回お世話になってます」
「そう思うなら、この三悪魔を外に連れて行って貰えないかしらね?」
「確かに……毎度図書館の中で暴れると掃除が大変ですもんね」
視界の中には入る棚は壊れてはいないが、なかに入れられていたであろう蔵書の数々が床に散乱していた。
「ですけど、流石に僕の力ではあの中に割り込んで無事に戻って来れそうにないんですよ」
「知らないわよ。そんな些細なこと」
些細なことなんですか、僕の命は……
そう言っている内に三人の弾幕ごっこに終わりが見えてきた。
「さて、私とフランはスペルが一枚ずつ。対する貴女はスペル無し」
「そして残機はみんなゼロ。あんたも私も、お姉様もコンティニュー出来ない状況だけど……どちらが不利かはわかるわよね?」
「わかります……わかっていますとも。お二人が最後に残しておくだろうスペルカードと、その攻略方もっ!」
「言ってくれるじゃない、小悪魔。それじゃ、攻略してみて頂戴?神槍『スピア・ザ・グングニル』」
「こあー、手加減出来ないから壊れても怒らないでね?禁忌『カゴメカゴメ』」
「……そこです!」
一番最初に動いたのは小悪魔さんだった。
レミリアお嬢様やフランお嬢様が獲物を振るう寸前に周囲に連続した大弾をばらまき、その途中にクナイ弾を二人に向け束で放ち、その動作を終え大弾に紛れ次の位置へと移動する。
そして移動する前の位置を紅い槍が通り抜けていった。
「くそっ、フランの事だからレーヴァテインあたりを使うのかと警戒しそびれたか。だが、まだ攻略されたわけじゃないぞ、小悪魔」
だが、どちらにも当たらず、再び弾幕を張り、二人の視界から身を隠す。
「ごめんなさいね、お姉様。こうなったら一度に二人を倒せるものを使うしかないと思ったの」
「知ったことか、この程度私にかかれば……かかれば……かか……。小悪魔!弾幕張るの止めなさいよ!避けにくいでしょうが!!」
そんなこと言って、止めるわけが───
「わかりました」
「へっ?あ、ありがと」「えっ?」
あった。その所為で二人のお嬢様方は面食らっている。
「ですが、グングニルを避けれた時点で私の勝ちが決まっていました」
「何を言って───」
「レーザーピラー、起動&固定砲台発射です♪」
小悪魔さんが笑顔でそう唱えると、二人の足下からレーザーが上がり、背後からもレーザーが放たれ、二人の吸血鬼は地に伏してしまった。
「私、勝利っ♪いぇい!と言うことで、今回は私がナナシさんの相手をしますね」
「待ちなさい、小悪魔!今のは──」
「はーい、そこまで。レミィ往生際が悪いわよ」
「だって」
「だってじゃないでしょ?ナナシくんだって今のは見ていたんだから、諦めなさい」
「それじゃ、パチュリー様。申し訳ありませんが今からお暇をいただきます!さぁ、行きましょ。ナナシさん!」
「ん、あぁ。お邪魔しました、館長さん」
「どう致しまして。出来れば今度からは違う場所でやり合ってもらいたいのだけど……」
「善処しますよ。それでは」
地下にある図書館を出て、僕を引き連れながら小悪魔さんがやってきたのは、紅魔館の庭の一角にある小さめのテラスだった。
「さっきの小悪魔さん、すごかったですね」
「そうでしょう、今日の私はルナティックですからねっ」
ルナティック……意味は、ばかげているだったっけ?
「……ですけど、貴方の前でなら、イージーになっていいですよね?」
「うん、構わないよ」
急にしおらしくなった小悪魔さんは僕に寄りかかりつつ呟いてきた。
「正直言って、私、すごく怖かったんです。だって、あのお二人に啖呵切ったんですから……だけど、私も負けたくなかったから……」
「うん」
「だって、貴方はいつも鈍感で、思わせぶりで……」
「う……ん?」
「だから、とられる前に力ずくでもいいから、貴方にこの気持ちを伝えたかったんです。私、ナナシさんが好きです。だから…つきあってください」
寄りかかられているから、顔は見えないけど多分きっとすごく緊張しているんだろうな。
僕は伏せてしまっている顔にぽんっと手を置いた。
「あはは……参ったな。こりゃ」
「……なにが参ったんですか?」
「言われちゃったからだよ。僕が言いたいことを、全部ね」
顔を上げ、僕を見上げる瞳は少し赤くなっていた。彼女は泣いていたんだろう。
「それじゃあ、その……」
「うん、不甲斐ないだろうけどよろしくね」
「はいっ!!こちらこそよろしくお願いします!」
あとがき→
お疲れ様ですくりゅです。夏が暑いです。
それは置いておき、ひさしぶりの小悪魔夢です。
さらにひさしぶりに告白系の夢小説を書いたんで、なかなか難しかったです。初心に戻るとかそんな感じ。楽しんで書くのが一番ですね。
菓子パンさん、リクエストありがとうございました。