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夢小説設定
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【知らないようで知っていて】
ある日の白玉楼
「ナナシーどこ行ったのー?」
「……」
西行妖ではない別の桜の木の上で俺を探している幽々子の事を眺めていた。
ひとしきり辺りを探すと別の所へ移動し、また声を上げて俺を呼んでいる。
「なんで出て行かなかったんですか?」
それと入れ代わるように庭師の妖夢が庭を掃きながら俺に問い掛けてきた。
「別に……隠れ鬼と思ってもらえれば嬉しいんだが」
「隠れ鬼だったら名前を呼ばずに探しますけどね」
全く、この堅物少女め……
「なに、幽々子との戯れだ。大した用でもないだろ」
「やっと見つけたわよナナシ」
「あっ……」
足で枝にぶら下がりながら……って幽霊だからぶら下がるもなにも無いけど、そんな風にして妖夢と話していたもんだから戻ってきた幽々子に見つかってしまった。
.
「それで、ナナシはなんで幽々子様から逃げていたのですか?」
白玉楼の屋敷の一室。そこに手足を縛られ投げ込まれた俺はねっころがりながら二人の話を聞くことにした。
「逃げていたんじゃなくて、ちょっとした賭け事をしてたのよ。ね?ナナシ」
目で合図を送ってきたので、それに従い頷いておく。
「賭け事……?なるほど、ナナシが唆してそのようなことを……。わかりました。これは斬っておきますね」
「ち、違うわよ妖夢。これは私から持ち掛けたの。あまりにも退屈だったから……」
「そうなんですか……ナナシ、すみません。勝手に疑ったりして」
「いや、構わないさ。それよりも縄を解いてもらえないか?」
「あっ、それ無理です」
「なんで!?」
凄くいい笑顔で言うな。怖いじゃないか。
「幽々子様から解いていいと言われるまでは縛っておきたいんです」
この小娘……っ!だがここで憤っても仕方ない。
「わかった、わかった。だからその刀をしまえ。危なっかしいだろう?」
「そうよ、妖夢。あとの事は私に任せて掃除を続けて貰えるかしら?」
「……わかりました、幽々子様がそういうなら」
幽々子に頼まれた妖夢は渋々と庭掃除に向かった。
出ていく時に物凄い目付きでこちらを見ていたのは気のせいだと信じたい。
.
「さて、これで縄を解いて貰えるな」
「何を言っているの?まだ解かないわよ」
嘘だろ?何の冗談なんだ、幽々子さんよ。
「……理由を聞いても大丈夫か?」
「ナナシが私の話を聞いてくれないから。解いたら逃げるでしょ?」
そりゃ、まあ。
「だから、このまま縛っておけば逃げずに話を聞いてくれるから解かないの」
「そうかい。ならもう逃げないから話とやらを聞かせてくれ」
「えっ!?でも……まだ心の準備が」
何故心の準備が必要なんだろうか?
「そろそろ手足が厳しいから、できれば早く話して欲しいのですが」
後ろ手に縛られ仰向けになりながら幽々子を急かす。
「むぅ~……わかったわ。一回しか言わないからしっかり聞いててね?」
言葉は出さず、首を縦に振り返事をする。
「私は……ナナシの事が好きなの。だから――」
「ああ、知ってた」
「付き合っ…えっ、知ってたの?」
「そりゃ、な。何となくわかってた」
えっ、どうしよう……と俺に背を向け慌てる幽々子。
「はぁ……で、何か言いかけてなかったか?」
「ちょっと待って!知ってると思わなかったから、落ち着かせてっ」
しばらく一人でぶつぶつと喋り、よしっ。と決心したかのように振り向いた。
「もういいのか?」
「ええ、ちゃんと聞いててよ?私はナナシが好き。だから――――」
END
→あとがき
.
どうも、くりゅです。
久々のリクエストだったので、うまくまとめられず長々と待たせてしまいました。
幽々子は可愛く、妖夢は少し辛辣にというイメージをもって書き進めていました。
今回は夢主設定を下に記しときます。
孤孤さん、リクエストありがとうございました。
お待たせしてすみません##6P##
主人公 ナナシ
白玉楼に居座る幽霊
しかし、半霊のようにふわふわしているのでなくヒトガタを保っている。
正体は生前の幽々子の友人。恋仲ではなかった。
.
ある日の白玉楼
「ナナシーどこ行ったのー?」
「……」
西行妖ではない別の桜の木の上で俺を探している幽々子の事を眺めていた。
ひとしきり辺りを探すと別の所へ移動し、また声を上げて俺を呼んでいる。
「なんで出て行かなかったんですか?」
それと入れ代わるように庭師の妖夢が庭を掃きながら俺に問い掛けてきた。
「別に……隠れ鬼と思ってもらえれば嬉しいんだが」
「隠れ鬼だったら名前を呼ばずに探しますけどね」
全く、この堅物少女め……
「なに、幽々子との戯れだ。大した用でもないだろ」
「やっと見つけたわよナナシ」
「あっ……」
足で枝にぶら下がりながら……って幽霊だからぶら下がるもなにも無いけど、そんな風にして妖夢と話していたもんだから戻ってきた幽々子に見つかってしまった。
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「それで、ナナシはなんで幽々子様から逃げていたのですか?」
白玉楼の屋敷の一室。そこに手足を縛られ投げ込まれた俺はねっころがりながら二人の話を聞くことにした。
「逃げていたんじゃなくて、ちょっとした賭け事をしてたのよ。ね?ナナシ」
目で合図を送ってきたので、それに従い頷いておく。
「賭け事……?なるほど、ナナシが唆してそのようなことを……。わかりました。これは斬っておきますね」
「ち、違うわよ妖夢。これは私から持ち掛けたの。あまりにも退屈だったから……」
「そうなんですか……ナナシ、すみません。勝手に疑ったりして」
「いや、構わないさ。それよりも縄を解いてもらえないか?」
「あっ、それ無理です」
「なんで!?」
凄くいい笑顔で言うな。怖いじゃないか。
「幽々子様から解いていいと言われるまでは縛っておきたいんです」
この小娘……っ!だがここで憤っても仕方ない。
「わかった、わかった。だからその刀をしまえ。危なっかしいだろう?」
「そうよ、妖夢。あとの事は私に任せて掃除を続けて貰えるかしら?」
「……わかりました、幽々子様がそういうなら」
幽々子に頼まれた妖夢は渋々と庭掃除に向かった。
出ていく時に物凄い目付きでこちらを見ていたのは気のせいだと信じたい。
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「さて、これで縄を解いて貰えるな」
「何を言っているの?まだ解かないわよ」
嘘だろ?何の冗談なんだ、幽々子さんよ。
「……理由を聞いても大丈夫か?」
「ナナシが私の話を聞いてくれないから。解いたら逃げるでしょ?」
そりゃ、まあ。
「だから、このまま縛っておけば逃げずに話を聞いてくれるから解かないの」
「そうかい。ならもう逃げないから話とやらを聞かせてくれ」
「えっ!?でも……まだ心の準備が」
何故心の準備が必要なんだろうか?
「そろそろ手足が厳しいから、できれば早く話して欲しいのですが」
後ろ手に縛られ仰向けになりながら幽々子を急かす。
「むぅ~……わかったわ。一回しか言わないからしっかり聞いててね?」
言葉は出さず、首を縦に振り返事をする。
「私は……ナナシの事が好きなの。だから――」
「ああ、知ってた」
「付き合っ…えっ、知ってたの?」
「そりゃ、な。何となくわかってた」
えっ、どうしよう……と俺に背を向け慌てる幽々子。
「はぁ……で、何か言いかけてなかったか?」
「ちょっと待って!知ってると思わなかったから、落ち着かせてっ」
しばらく一人でぶつぶつと喋り、よしっ。と決心したかのように振り向いた。
「もういいのか?」
「ええ、ちゃんと聞いててよ?私はナナシが好き。だから――――」
END
→あとがき
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どうも、くりゅです。
久々のリクエストだったので、うまくまとめられず長々と待たせてしまいました。
幽々子は可愛く、妖夢は少し辛辣にというイメージをもって書き進めていました。
今回は夢主設定を下に記しときます。
孤孤さん、リクエストありがとうございました。
お待たせしてすみません##6P##
主人公 ナナシ
白玉楼に居座る幽霊
しかし、半霊のようにふわふわしているのでなくヒトガタを保っている。
正体は生前の幽々子の友人。恋仲ではなかった。
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