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【アル夏ノ日ノコト】
――それは夏の酷暑の日のことだ――
僕は今、紅魔館へ向かっている。理由はただ一つ、日陰の少女に会いに行くためだ。
「咲夜さん、こんにちは」
「あらっ、ナナシさん。こんにちは」
「いつも勝手に入ってすみません…」
「お気になさらずに。貴方のことはレミリアお嬢様から通すように言われてますから」
「それじゃあ、今度何かお礼しなくちゃな…」
その後、咲夜さんの後について、図書館まで案内してもらった。
「いつもありがとうございます」
「どういたしまして。では、私はお嬢様の所に行きますので」
咲夜さんの姿が消えた。便利だなぁ、時間を操る程度の能力…
「さて、それじゃあ行きますか」
そう呟き、目の前にある大図書館の扉を開いた。
「あっ、ナナシさん」
「小悪魔さん、こんにちは」
「パチュリー様ならあちらにいますよ」
小悪魔はそう言って図書館の中央付近を指差した。
「今日ぐらいは付き合ってくれないかな……」
「ふふっ、頑張って下さいね。じゃあ私は本の整理をしなくてはならないので……」
小悪魔はさっき指差したのと反対の方向にふよふよと飛んでいった。
誰かの足音が少しずつ近づいてきた。
また白黒魔法使いかしら? それとも……彼かな?
「こんにちは、パチュリー」
どうやら、訪ねてきたのは彼の方だった。
「…なによ、また来たの?」
少し悪態をついた私の言葉にも、彼…ナナシは笑顔で返してくる
「来ちゃ悪かった? それと、こっち向いて話そうよ」
「どこを向いて話そうと私の勝手でしょ」
だって、貴方の方を向いたら、落ち着いて話せなくなるんだもの……
「で、今日は何の用なの?」
「天気もいいし、一緒に散歩でもどうかな?」
なにこれ!? もしかして、ででで…デートに誘われてる?
「えっ……うん、いいわよ」
「じゃあ、行こうか」
「ちょっと待っ…あっ」
急に立ってナナシの事を追いかけようとしたせいか、スカートの裾に足が引っ掛かってしまった。
「むきゅ…」
「っと、大丈夫? パチュリー」
「へっ…ぁ…平気よ…」
「よかった……置いていかないから、焦らないでいいよ。小悪魔さーん、ちょっとパチュリーと散歩してくるよ」
「はーい♪ 行ってらっしゃーい♪」
図書館を出たあと、咲夜さんにパチュリーと散歩してくるね、とだけ伝え歩き出した。
しかし、終始パチュリーの顔が赤かったのは何故だろう?
「で、どこに行くつもりなの?」
「んー、どこに行きたい?」
「ナナシが行きたい場所でいいわよ」
「じゃあ、いい景色が見える場所があるんだ。少し歩くけど平気?」
「私は永遠亭のお姫様とは違うのよ? 少し歩くぐらい、どうってことないわ」
「なら安心だね」
―――――――――――――――――――
「ナナシ……少し、休みましょ……」
やっぱりと言ってもいい。あの会話からあまり経たないうちにパチュリーはそばにある樹にもたれ掛かってしまった。
「あと…どれくらい歩くの?」
「もうちょっとかかるかな?」
少し急がないと、あれに間に合わないよな…
「まだ歩ける?」
「もう…無理……」
「仕方ないな…ほら、乗って」
僕はしゃがんで、背中をパチュリーに向けた。所謂、おんぶする格好だ。
「いいの?」
「このままじゃ、いい景色を見逃しちゃうからね、しっかり捕まってて」
「ぅ…うん」
そこからは少し駆け足で進んだ。彼女にあの景色を見せるために。
「パチュリー、そろそろ着くよ。パチュリー?」
耳を済ませると、規則正しい寝息が僕の背中から聞こえてきた。
「寝ちゃったのか。外に出て疲れたのかな?」
見晴らしの良い丘についたときには、もう一番見せたいものは見えなくなってしまった。
「ふぁ……あら? 私眠ってた?」
「おはよう、パチュリー」
「ぁ…おはよう、ナナシ」
パチュリーは僕の方を向いて不安そうな顔で聞いてきた。
「貴方、泣いてるの?」
「ごめんね、せっかく散歩に付き合って貰ったのに……一番見せたいもの、見せられなかった」
「いいわよ」
「へ?」
「私は貴方と過ごせたからそれでいいわ」
「……」
「一つ聞いて良いかしら?」
僕は無言で頷いた。
「何で、ナナシは毎日のように私に会いに来てくれるの?」
何でって、そりゃあ
「いつの日か見た日陰の少女に一目惚れしたからだよ」
→あとがき
どうも、くりゅです。
パチュリー夢どうでしたか?
もし図書館にいたら、白黒が現れそうだったのでこの話では場所を図書館から外に移してみました。
輝夜より体力あるよ…ね、パチュリーさん
ヒーラー様
このような感じでよろしかったでしょうか?
もし感想があれば雑談板までよろしくお願いします。
――それは夏の酷暑の日のことだ――
僕は今、紅魔館へ向かっている。理由はただ一つ、日陰の少女に会いに行くためだ。
「咲夜さん、こんにちは」
「あらっ、ナナシさん。こんにちは」
「いつも勝手に入ってすみません…」
「お気になさらずに。貴方のことはレミリアお嬢様から通すように言われてますから」
「それじゃあ、今度何かお礼しなくちゃな…」
その後、咲夜さんの後について、図書館まで案内してもらった。
「いつもありがとうございます」
「どういたしまして。では、私はお嬢様の所に行きますので」
咲夜さんの姿が消えた。便利だなぁ、時間を操る程度の能力…
「さて、それじゃあ行きますか」
そう呟き、目の前にある大図書館の扉を開いた。
「あっ、ナナシさん」
「小悪魔さん、こんにちは」
「パチュリー様ならあちらにいますよ」
小悪魔はそう言って図書館の中央付近を指差した。
「今日ぐらいは付き合ってくれないかな……」
「ふふっ、頑張って下さいね。じゃあ私は本の整理をしなくてはならないので……」
小悪魔はさっき指差したのと反対の方向にふよふよと飛んでいった。
誰かの足音が少しずつ近づいてきた。
また白黒魔法使いかしら? それとも……彼かな?
「こんにちは、パチュリー」
どうやら、訪ねてきたのは彼の方だった。
「…なによ、また来たの?」
少し悪態をついた私の言葉にも、彼…ナナシは笑顔で返してくる
「来ちゃ悪かった? それと、こっち向いて話そうよ」
「どこを向いて話そうと私の勝手でしょ」
だって、貴方の方を向いたら、落ち着いて話せなくなるんだもの……
「で、今日は何の用なの?」
「天気もいいし、一緒に散歩でもどうかな?」
なにこれ!? もしかして、ででで…デートに誘われてる?
「えっ……うん、いいわよ」
「じゃあ、行こうか」
「ちょっと待っ…あっ」
急に立ってナナシの事を追いかけようとしたせいか、スカートの裾に足が引っ掛かってしまった。
「むきゅ…」
「っと、大丈夫? パチュリー」
「へっ…ぁ…平気よ…」
「よかった……置いていかないから、焦らないでいいよ。小悪魔さーん、ちょっとパチュリーと散歩してくるよ」
「はーい♪ 行ってらっしゃーい♪」
図書館を出たあと、咲夜さんにパチュリーと散歩してくるね、とだけ伝え歩き出した。
しかし、終始パチュリーの顔が赤かったのは何故だろう?
「で、どこに行くつもりなの?」
「んー、どこに行きたい?」
「ナナシが行きたい場所でいいわよ」
「じゃあ、いい景色が見える場所があるんだ。少し歩くけど平気?」
「私は永遠亭のお姫様とは違うのよ? 少し歩くぐらい、どうってことないわ」
「なら安心だね」
―――――――――――――――――――
「ナナシ……少し、休みましょ……」
やっぱりと言ってもいい。あの会話からあまり経たないうちにパチュリーはそばにある樹にもたれ掛かってしまった。
「あと…どれくらい歩くの?」
「もうちょっとかかるかな?」
少し急がないと、あれに間に合わないよな…
「まだ歩ける?」
「もう…無理……」
「仕方ないな…ほら、乗って」
僕はしゃがんで、背中をパチュリーに向けた。所謂、おんぶする格好だ。
「いいの?」
「このままじゃ、いい景色を見逃しちゃうからね、しっかり捕まってて」
「ぅ…うん」
そこからは少し駆け足で進んだ。彼女にあの景色を見せるために。
「パチュリー、そろそろ着くよ。パチュリー?」
耳を済ませると、規則正しい寝息が僕の背中から聞こえてきた。
「寝ちゃったのか。外に出て疲れたのかな?」
見晴らしの良い丘についたときには、もう一番見せたいものは見えなくなってしまった。
「ふぁ……あら? 私眠ってた?」
「おはよう、パチュリー」
「ぁ…おはよう、ナナシ」
パチュリーは僕の方を向いて不安そうな顔で聞いてきた。
「貴方、泣いてるの?」
「ごめんね、せっかく散歩に付き合って貰ったのに……一番見せたいもの、見せられなかった」
「いいわよ」
「へ?」
「私は貴方と過ごせたからそれでいいわ」
「……」
「一つ聞いて良いかしら?」
僕は無言で頷いた。
「何で、ナナシは毎日のように私に会いに来てくれるの?」
何でって、そりゃあ
「いつの日か見た日陰の少女に一目惚れしたからだよ」
→あとがき
どうも、くりゅです。
パチュリー夢どうでしたか?
もし図書館にいたら、白黒が現れそうだったのでこの話では場所を図書館から外に移してみました。
輝夜より体力あるよ…ね、パチュリーさん
ヒーラー様
このような感じでよろしかったでしょうか?
もし感想があれば雑談板までよろしくお願いします。