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【貴方への贈り物】
「藍さまー、贈り物って何がいいんですか?」
「なんだ、橙?紫様に何か贈るのか?だったら……」
「紫さまじゃなくて……」
「違う?だったら……橙、いくらわからないからって本人に聞くのは―――」
「男の人に何か贈り物するなら何がいいんですか?」
「止めた方が……って、おっおおおおお男の人ぉぉ!?」
「ふぇ?ら、藍さま、どうしたんですか!?」
「一体誰だ!私の橙を誑かしたのは!ああ、仕方ない。今すぐそいつを……むぐぅっ!?」
「落ち着きなさい、藍」
「ゆっ紫様……傘の柄の部分が入ってます……」
「紫さま!あのっ、男の人に何か贈り物を送りたいんですけど……」
「橙、贈り物には貴女の気持ちが篭るからなんでもいいのよ。きっと相手の人も喜んでくれるわ」
「……そうなんですか?ありがとうございました!それじゃあ行ってきますね!」
.
「今日は来ないのかな……?」
最近、家によく一人の女の子が来るようになった。
雨の日に家の軒先で雨宿りをしている所に声をかけたのが始まりだったと思う。
その娘は誰が見ても人外とわかるけれど、不思議なことに恐怖感は微塵も起こらなかった。
ただ可愛かったのかもしれないけど……。
「って、何を考えているんだ僕は……」
頭を振り考えていたことを振り払う。すると、僕の後ろから、みぃ。と小さな声が聞こえた。
「やっぱりお前も会いたいよなー?ろろ」
僕の言葉に返事をするかのように声をあげるろろ。
女の子を見つけたのもこの子だったりする。
.
「ナナシさん、来ましたよ」
しばらくしてその女の子がやって来た。
「いらっしゃい、橙ちゃん。今日は来ないかと思ったよ」
「ちょっと捜し物をしてて……それと、はいこれ」
「これは?」
「前に雨宿りさせてもらったお礼にと思って……いらなかったですか?」
「いや、嬉しいよ。まさか橙ちゃんからプレゼントを貰えるなんてね。ありがと」
「どういたしまして。……あの、一つわがまま言っていいですか?」
「ん?僕に出来ることなら聞いてあげるよ」
「えっと……」
.
橙ちゃんのわがままは至極簡単な事だった。
「えへへ……。暖かいな」
「こんなのでよかったの?」
「はい!だって、ろろ君がいつも気持ち良さそうにしてたから……私もしてみたいなーって」
僕の膝の上に座るってそんなに気持ちいいのか?
ろろはろろで特等席を盗られていつもの寝床に包まっている。
「ほんと、きもちいい……です……」
そう言うと橙ちゃんは膝の上で眠ってしまった。
「本当、気持ち良さそうに眠ってる」
さっき貰ったプレゼントも嬉しかったけど、それよりもこんな風に橙ちゃんを見ている方が嬉しかったりする。
終わる
→あとがき
.
………甘夢のはず。
橙甘夢でした。くりゅです。
前に橙は書いたかなーと思って、見直してみたら書いてなかった。
短編じゃなくて長編で少し書いてただけだわ。
ちなみに橙のプレゼントは鈴です。鈴の音でナナシがどこにいるのかわかるから……とか。
あと『ろろ』はナナシが飼っている猫。白黒の猫だから、ろろ。ほら、し『ろ』く『ろ』だし。
S様、リクエストありがとうございました。
.
「藍さまー、贈り物って何がいいんですか?」
「なんだ、橙?紫様に何か贈るのか?だったら……」
「紫さまじゃなくて……」
「違う?だったら……橙、いくらわからないからって本人に聞くのは―――」
「男の人に何か贈り物するなら何がいいんですか?」
「止めた方が……って、おっおおおおお男の人ぉぉ!?」
「ふぇ?ら、藍さま、どうしたんですか!?」
「一体誰だ!私の橙を誑かしたのは!ああ、仕方ない。今すぐそいつを……むぐぅっ!?」
「落ち着きなさい、藍」
「ゆっ紫様……傘の柄の部分が入ってます……」
「紫さま!あのっ、男の人に何か贈り物を送りたいんですけど……」
「橙、贈り物には貴女の気持ちが篭るからなんでもいいのよ。きっと相手の人も喜んでくれるわ」
「……そうなんですか?ありがとうございました!それじゃあ行ってきますね!」
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「今日は来ないのかな……?」
最近、家によく一人の女の子が来るようになった。
雨の日に家の軒先で雨宿りをしている所に声をかけたのが始まりだったと思う。
その娘は誰が見ても人外とわかるけれど、不思議なことに恐怖感は微塵も起こらなかった。
ただ可愛かったのかもしれないけど……。
「って、何を考えているんだ僕は……」
頭を振り考えていたことを振り払う。すると、僕の後ろから、みぃ。と小さな声が聞こえた。
「やっぱりお前も会いたいよなー?ろろ」
僕の言葉に返事をするかのように声をあげるろろ。
女の子を見つけたのもこの子だったりする。
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「ナナシさん、来ましたよ」
しばらくしてその女の子がやって来た。
「いらっしゃい、橙ちゃん。今日は来ないかと思ったよ」
「ちょっと捜し物をしてて……それと、はいこれ」
「これは?」
「前に雨宿りさせてもらったお礼にと思って……いらなかったですか?」
「いや、嬉しいよ。まさか橙ちゃんからプレゼントを貰えるなんてね。ありがと」
「どういたしまして。……あの、一つわがまま言っていいですか?」
「ん?僕に出来ることなら聞いてあげるよ」
「えっと……」
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橙ちゃんのわがままは至極簡単な事だった。
「えへへ……。暖かいな」
「こんなのでよかったの?」
「はい!だって、ろろ君がいつも気持ち良さそうにしてたから……私もしてみたいなーって」
僕の膝の上に座るってそんなに気持ちいいのか?
ろろはろろで特等席を盗られていつもの寝床に包まっている。
「ほんと、きもちいい……です……」
そう言うと橙ちゃんは膝の上で眠ってしまった。
「本当、気持ち良さそうに眠ってる」
さっき貰ったプレゼントも嬉しかったけど、それよりもこんな風に橙ちゃんを見ている方が嬉しかったりする。
終わる
→あとがき
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………甘夢のはず。
橙甘夢でした。くりゅです。
前に橙は書いたかなーと思って、見直してみたら書いてなかった。
短編じゃなくて長編で少し書いてただけだわ。
ちなみに橙のプレゼントは鈴です。鈴の音でナナシがどこにいるのかわかるから……とか。
あと『ろろ』はナナシが飼っている猫。白黒の猫だから、ろろ。ほら、し『ろ』く『ろ』だし。
S様、リクエストありがとうございました。
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