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【とある薬師の恋愛模様】
「八意さーん、頼まれていた物をお持ちしましたー」
「ありがと、ナナシ」
少し前から永遠亭で働いて貰っているナナシ。彼の夢は薬師らしく、勉強も兼ねてここで働きたいと言うのでウドンゲに次ぐ私の助手として頑張っている。
「他に何かありますか?」
「そうね……しばらく私の横にいなさい。貴方の勉強になるだろうし」
「はい!」
熱心に私の作業を見るナナシ。
この子の真っ直ぐな所が好きな訳なのだが……月の頭脳と呼ばれた私でも、恋愛沙汰となるとまるで駄目なのだ。
「ししょー、お使い終わりまし――ってナナシくん?」
「お帰りなさい、ウドンゲ。荷物はナナシに渡しておいてくれる」
例えば、この子になら相談してもいいんだろうが……何と言うかそうしたら負けた気がする。
「わかりました。はいこれ。それで、また勉強?」
「まだよくわからないんだけどね」
「じゃあ、これから頑張らなくちゃ。あっ、そうだ。師匠、先程姫様が呼んでましたよ?」
「ありがとう、ウドンゲ。
できたらこのまま夕ご飯の用意もしてくれる?ナナシは休んでていいから」
.
ナナシの事はウドンゲに任せて、輝夜の下に来たのだが……
「で、永琳はナナシの何処が好きなの?」
「はい?」
「だーかーらー!えーりんは何でナナシに一目惚れしちゃったのか聞いてるのよ?」
「いやいや、一目惚れじゃなくてですね…………えっ!?何で輝夜が知っているの?」
「イナバ達はどうか知らないけど、端から見ててもわかるわよ?何て言うか……永琳も初心ねー」
よりによって一番知られたくない相手に知られてしまっていたとは……。
「五月蝿いわね。で、話しはそれだけ?」
「ちょっとアドバイスしてあげようかと思ったんだけれど……余計なお世話だったかしらね」
「……聞いてあげないこともないわ」
「とりあえず永琳は一歩踏み込めてないのよ。凄い簡単な一歩なんだけど、最も恐い一歩を」
仮にも名家の五人に求婚されていたお姫様だ。なら、この状態を打破する良い助言を―――
「だからね、当たって砕け散りなさい」
助言を――――
「私から見て、ナナシのフラグは立っているのよ、絶対。何て言うのかしら?あと一歩で攻略可能だぜ!って感じに。だからここで永琳が少し恥ずかしそうに『す、好き……なのよ、貴方が』とか言えばもうナナシルート一直線なの!!」
助言をしてくれるなんて思うんじゃなかった……
.
「でも、初めの方はあってるのよね……」
自室で先程輝夜に言われた言葉を思い返す。
一歩踏み込めてないか……。
確かにそうだ。嫌われたり、気まずくなりたくないから自分の感情を押し殺す。
こんなにも大好きなのに……。
「デートでもしちゃおうかな?」
でも…どうしようか?
あまり外に出てないから、里の事なんてよくわからないし……
「当たって砕け散れ……か」
そうね、明日の診療は臨時休診しないと。薬はウドンゲがいるから大丈夫だろうし。
.
「ナナシ、今日はちょっと私に付き合ってくれる?」
朝、朝食に呼びに来た彼を捕まえてデートに誘う。
「何か買い出しですか?」
だが、こちらの意図は伝わらなかったようだ。
「そうじゃなくて……今日は息抜きに里に行こうと思っているのだけど、一緒に来ない?」
「それって……まぁ、僕でいいのなら付き合いますよ?」
「あ、ありがとう……。それじゃあ朝ご飯を食べたら玄関でね」
.
「お待たせしました、八意さん」
「ナナシ、こういう時ぐらい名前で呼びなさい」
「あっ、はい。わかりました永琳さん」
朝食を食べ、他の皆には買い出しに行くと伝えて永遠亭を出た。
その時なんとなく輝夜が笑っていたような……気のせいだと信じたい。
「それで、どこに行くんですか?」
「そうね……」
…………
………
……
気が付くともう日も傾きだしていて、そろそろ帰る頃合いだった。
「ごめんなさい、無理に引っ張り回して」
「いいですよ。僕も楽しめましたから」
雑貨屋、服屋とナナシを連れ回し最後に甘味処で長々と話ていただけなのだが…それでも彼は楽しんでくれたようだ。
「ありがとう。……ねぇ、ナナシ」
今言わなくちゃ後悔する。そんな思いが私を後押ししてくれた。
「なんですか、やごこ…永琳さん?」
「その…私ね、す、好き……なのよ。貴方の事が」
それを聞いた彼は面食らった顔をしていた。
やっぱり駄目だったか……
「えっと、いやその……僕でいいんですか?」
「ナナシで、じゃなくてナナシがいいのよ……わかりなさい」
ちょっと戸惑い気味だった彼は、私の言葉を聞いてはにかんだ表情で答えてくれた。
「よろしくお願いしますね、永琳さん」
END
あとがき→
はい、永琳甘夢……だったのか?
くりゅです。
永琳のキャラが掴めてないな、俺。
輝夜はこれであっていると信じたい。
光闇様、リクエストありがとうございました。
夢主は出ないけどちょっとしたおまけ→
.
「輝夜、因みにあの知識は五つの難題の時に身につけ……」
「違うわ、乙女ゲーよ!!」
「そうよね……蓬莱ニートが恋愛を語れるわけないわよね」
「ニートじゃない!自宅警備員!!」
終わる
「八意さーん、頼まれていた物をお持ちしましたー」
「ありがと、ナナシ」
少し前から永遠亭で働いて貰っているナナシ。彼の夢は薬師らしく、勉強も兼ねてここで働きたいと言うのでウドンゲに次ぐ私の助手として頑張っている。
「他に何かありますか?」
「そうね……しばらく私の横にいなさい。貴方の勉強になるだろうし」
「はい!」
熱心に私の作業を見るナナシ。
この子の真っ直ぐな所が好きな訳なのだが……月の頭脳と呼ばれた私でも、恋愛沙汰となるとまるで駄目なのだ。
「ししょー、お使い終わりまし――ってナナシくん?」
「お帰りなさい、ウドンゲ。荷物はナナシに渡しておいてくれる」
例えば、この子になら相談してもいいんだろうが……何と言うかそうしたら負けた気がする。
「わかりました。はいこれ。それで、また勉強?」
「まだよくわからないんだけどね」
「じゃあ、これから頑張らなくちゃ。あっ、そうだ。師匠、先程姫様が呼んでましたよ?」
「ありがとう、ウドンゲ。
できたらこのまま夕ご飯の用意もしてくれる?ナナシは休んでていいから」
.
ナナシの事はウドンゲに任せて、輝夜の下に来たのだが……
「で、永琳はナナシの何処が好きなの?」
「はい?」
「だーかーらー!えーりんは何でナナシに一目惚れしちゃったのか聞いてるのよ?」
「いやいや、一目惚れじゃなくてですね…………えっ!?何で輝夜が知っているの?」
「イナバ達はどうか知らないけど、端から見ててもわかるわよ?何て言うか……永琳も初心ねー」
よりによって一番知られたくない相手に知られてしまっていたとは……。
「五月蝿いわね。で、話しはそれだけ?」
「ちょっとアドバイスしてあげようかと思ったんだけれど……余計なお世話だったかしらね」
「……聞いてあげないこともないわ」
「とりあえず永琳は一歩踏み込めてないのよ。凄い簡単な一歩なんだけど、最も恐い一歩を」
仮にも名家の五人に求婚されていたお姫様だ。なら、この状態を打破する良い助言を―――
「だからね、当たって砕け散りなさい」
助言を――――
「私から見て、ナナシのフラグは立っているのよ、絶対。何て言うのかしら?あと一歩で攻略可能だぜ!って感じに。だからここで永琳が少し恥ずかしそうに『す、好き……なのよ、貴方が』とか言えばもうナナシルート一直線なの!!」
助言をしてくれるなんて思うんじゃなかった……
.
「でも、初めの方はあってるのよね……」
自室で先程輝夜に言われた言葉を思い返す。
一歩踏み込めてないか……。
確かにそうだ。嫌われたり、気まずくなりたくないから自分の感情を押し殺す。
こんなにも大好きなのに……。
「デートでもしちゃおうかな?」
でも…どうしようか?
あまり外に出てないから、里の事なんてよくわからないし……
「当たって砕け散れ……か」
そうね、明日の診療は臨時休診しないと。薬はウドンゲがいるから大丈夫だろうし。
.
「ナナシ、今日はちょっと私に付き合ってくれる?」
朝、朝食に呼びに来た彼を捕まえてデートに誘う。
「何か買い出しですか?」
だが、こちらの意図は伝わらなかったようだ。
「そうじゃなくて……今日は息抜きに里に行こうと思っているのだけど、一緒に来ない?」
「それって……まぁ、僕でいいのなら付き合いますよ?」
「あ、ありがとう……。それじゃあ朝ご飯を食べたら玄関でね」
.
「お待たせしました、八意さん」
「ナナシ、こういう時ぐらい名前で呼びなさい」
「あっ、はい。わかりました永琳さん」
朝食を食べ、他の皆には買い出しに行くと伝えて永遠亭を出た。
その時なんとなく輝夜が笑っていたような……気のせいだと信じたい。
「それで、どこに行くんですか?」
「そうね……」
…………
………
……
気が付くともう日も傾きだしていて、そろそろ帰る頃合いだった。
「ごめんなさい、無理に引っ張り回して」
「いいですよ。僕も楽しめましたから」
雑貨屋、服屋とナナシを連れ回し最後に甘味処で長々と話ていただけなのだが…それでも彼は楽しんでくれたようだ。
「ありがとう。……ねぇ、ナナシ」
今言わなくちゃ後悔する。そんな思いが私を後押ししてくれた。
「なんですか、やごこ…永琳さん?」
「その…私ね、す、好き……なのよ。貴方の事が」
それを聞いた彼は面食らった顔をしていた。
やっぱり駄目だったか……
「えっと、いやその……僕でいいんですか?」
「ナナシで、じゃなくてナナシがいいのよ……わかりなさい」
ちょっと戸惑い気味だった彼は、私の言葉を聞いてはにかんだ表情で答えてくれた。
「よろしくお願いしますね、永琳さん」
END
あとがき→
はい、永琳甘夢……だったのか?
くりゅです。
永琳のキャラが掴めてないな、俺。
輝夜はこれであっていると信じたい。
光闇様、リクエストありがとうございました。
夢主は出ないけどちょっとしたおまけ→
.
「輝夜、因みにあの知識は五つの難題の時に身につけ……」
「違うわ、乙女ゲーよ!!」
「そうよね……蓬莱ニートが恋愛を語れるわけないわよね」
「ニートじゃない!自宅警備員!!」
終わる