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【冬眠前の下準備】

晩秋。あれほど秋めいていた木々も、今ではその躯全てを晒している。
寒さも一段と強くなり、もうそろそろマフラーの出番かもしれない。

「うぁー……寒い」

そして、この時期は紫の冬眠への準備期間でもある。
「おはよう、ナナシ

「あっ、藍さん。おはよう」

「紫様は?」

「まだ寝てるよ。ほら、もうすぐ冬だし」

「あぅぁ……なんだか申し訳ないな。いつも紫様の世話を焼いて貰っているのに……」

「あはは、気にすんなって。昔からの仲なんだからさ」

「ありがとう、ナナシ。そう言ってぐうたらな紫様の面倒を見てくれて……」

「誰がぐうたらなのかしらねぇ?」

「あっ、おはよう紫」

「ゆ、紫さま…起きていらしたんですか?」

「ついさっきね。それで、誰がぐうたらなのかしら、藍?」

「い、いやそれは……」

ナナシ。朝ご飯の用意お願い出来るかしら?
藍は今からちょっと用事が出来たから」

藍はこれから何をされるか知っているのか、小刻みに体を震わせている。
なんだか小動物みたいだ。



.
「紫、藍さんの躾は無しにして貰えるかな?」

さすがに躾という名のごうも……お仕置きがあると、楽しい食事も楽しくなくなってしまう。

「だって、藍が私の事ぐうたらって……」

「無くしてくれたら、今日はご飯を食べさせてあげるのも吝かでないんだがな……」

「仕方ないわね……藍、ナナシに感謝しなさいよ?」

今の説得で納得してくれたのか、上機嫌にこの場をさる紫。
ありゃ、かなりの無茶ぶりを覚悟しないとな……。

「ありがとう…本当にありがとう、ナナシ

「いや、気にすんなって。それより、藍は橙と朝ご飯をとってくれるか?
なんだか、今日は随分時間がかかりそうだから」

「わかった。私と橙の分は、こっちで作っておくから、紫様の分はお願いするよ」





.
「紫ー、朝ご飯持って来たぞー」

今日は紫の部屋で食べることにした。
というのも、人前で食べさせるなんて慣れている訳がなく、いつも使っている場所は藍さんと橙に譲って、紫の部屋で食べ(させ)れば見ているのは紫だけなのでいくらかかましになる。

しかし、さっき食べさせてやると言ったが、どう食べさせるかは言ってないんだよな……。

「ふぁ……あっ、ありがとう、ナナシ

部屋に入ると、欠伸をして今起きたような様子の紫がいた。

「眠いのか?」

「ちょっとね……。さて、それじゃあ……どうやって食べさせてもらおうかしら?」

「あまり無茶は言わないでくれよな」

「いいじゃないの。まずは…そうね、お味噌汁を―」

「飲ませればいいんだな?」

蓮華で味噌汁を掬い、紫に食べさせようとする。
なんだか病人の看病みたいだ。

「口移しで食べさせて貰える?」

「初っ端から難易度高いな、オイッ!!」

あまり無茶を言うなと言ったばかりだろうが!




.
「ダメなの?」

ダメというよりは、こちらの羞恥心の問題なんだが……。

「口移しに憧れるのは良いんだが、あれは実際にやるとなると口の中で咀嚼しないと……って」

「お味噌汁は噛まなくても口移し出来るわよね?」

こいつ、謀ったな!?

「あらあら、顔真っ赤よ?
まぁ、冗談はこれくらいにしておいて……ナナシ、ご飯をお箸で食べさせてくれる?」

やはりというか、なんというか……弄ばれてたのね

「わっーたよ。ほら、あーん」

紫の前にご飯を差し出す。
対面に座っているので、少し身を乗り出す感じだ。

紫は差し出されたご飯を口に入れ、その中でいくらか咀嚼してから飲み込んだ。

「美味しい」

「そりゃ、藍さんが炊いたんだから、美味しいだろう」

「それもそうだけど、貴方が食べさせてくれたから美味しいのよ」

またそんな事言って……
何も出んぞ?




.
「それより、なんで口移しをしようとしたんだ?」

「ほら、もうすぐ冬眠するじゃない、私。それだから、眠る前にナナシを食べとおこうかと…ね?」

ね?じゃねぇよ。

「食べられるのは勘弁願いたいな。つか、寂しいなら冬眠中ずっと……って訳にはいかないが、少しの間なら隣で横になってやろうか?」

そう言った時の紫の顔ったら、真っ赤よ真っ赤。
珍しいもの見れたな、と思ってると紫に腕を捕まれた。

「どうしたんだ、紫?まだご飯は残って――――」

ナナシ、今から冬眠しましょ?」









END



あとがき→


.
はい、どうも、くりゅです。

秋リク二つ目でした。

紫夢。なんだかぐだぐだでしたねww


糺様、リクエストありがとうございました。

冬眠前の紫のイメージが湧かず、少しぐだぐだになってしまいましたが、楽しんでもらえたら嬉しい限りです。




ではまた、つぎのフリリクか長編のあとがきで。
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