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【秋の味覚と大宴会】
幻想郷に秋がやってきた。
何をもって秋が来たかというと、あの強烈な日差しが和らいできたりとか、木々が緑から紅に変わっていたりとか、神の姉妹が自分達の季節だー!!と叫んでいたりとか様々だ。
そしてここ博麗神社にも秋が訪れていた。
「秋ねぇ」
「秋だな」
「秋といえば……食べ物が美味しい季節よね」
「幽々子さんみたいな台詞だな、霊夢」
「うぐっ…わ、悪い?」
「悪くは無いけど……」
境内に疎らに落ちている枯れ葉を見ながらそれとなしに呟いてみた。
「こんなに落ち葉があると、焼き芋が食べたくなるなと」
「それいいわね、ナナシ、いますぐお芋を採ってきてくれない?」
いきなり何を言いますか、この巫女さんは。
「そんなに嫌そうな顔しないでよ。野菜ぐらい豊饒の神様の所に行けばいくらでも貰えるでしょ?」
「貰うよりも捧げる時期なんじゃないか?」
「いいから、行ってきなさい」
「はいよ」
あまり口答えせず、俺は秋の神様の所へと向かった。
.
人里の方へと降りて来たが、やはりこちらも秋めいている。
八百屋に並んでいる野菜達はどれもが美味しそうに見え、食欲をそそっている。
気付いたら店の前で足を止めていた。
「おう、ナナシ。何か買ってくか?」
「そうだな……おっちゃんのオススメは何だい?」
「この南瓜だな」
そう言い八百屋のおっちゃんが指差したのは、俺も目を付けていたやつだ。
「そんじゃ、そいつと……あとは人参をいただけるか?」
「毎度あり!」
いつものようにそう言ったおっちゃんに代金を支払った。
山の麓までやって来た。
当初の目的地であるここに、用がある二人はいた。
「うっーす。静葉、穣子いるか?」
「あっ、ナナシ。久々だね。穣子ならそこらにいると思うけど」
「そうか。サンキューな静葉」
静葉に言われた通り奥に進んだ所に穣子はいた。
「穣子ー」
「あら、ナナシじゃない。どうかしたの?」
「いや、なんというか……」
「はっきり言いなさいよ」
「秋の実りを分けてもらいに来た」
「えっ?」
.
とりあえず、俺は今回の事のあらましを穣子に説明した。
「それはお疲れ様だね。というか、あの巫女は本当に神様を何だと思ってるのかしら?
それで、秋の野菜だっけ?探してるのは」
「そうだな。あと出来れば芋を多くしてくれ」
「うん、わかった。待っててくれる?」
「了解。じゃあ、ここらへんを適当に歩いてるよ」
穣子にそれだけ伝えて、適当に麓を歩くことにした。
やはり、山の麓だからか人の姿は無い。
周りに人がいない風景は何処か神秘的で、紅色に色付きだした景色をしばらく眺めていた。
「ナナシ、出来たよ」
「ありがとな、穣子」
「こんなに多くて大丈夫なの?」
確かに、穣子の言う通りだ。今日だけじゃ食べ切れないくらいはあるだろう。
「何とかなるだろ。あそこは参拝客は集まらなくても、人は集まるからな」
「そうなの。じゃあ気をつけてね」
秋姉妹の下を離れ、今度は博麗神社に向かって歩きだした。
.
「霊夢ー、今帰ったぞー」
「んあ?おーナナシじゃないか。今までどこ行ってたんだ?」
「ちょっと秋を堪能しにな。魔理沙は何しに来たんだ」
「秋だし、安全に食べれる茸をおすそ分けに来た」
「茸か……それは盲点だったな」
「あら、お帰りなさいナナシ。魔理沙も来てたの?」
「来てたぜ。それと、ほら。私がとって来た茸。おすそ分けだ」
「ありがとう。それで、ナナシは何貰ってきたの?」
「秋の実りを色々とな。南瓜は人里の八百屋から買った物だが」
「まぁこれだけあれば三人で夕食は取れるでしょ」
「はぁい、霊夢」
霊夢が魔理沙から貰った茸を台所に持って行こうとしたときに、八雲さんがスキマから現れた。
「紫、一体何の用?」
「栗が沢山採れたんだけど、おすそ分けって事でいいかしら?」
「……貰っておくわ」
八雲さんに続いて、見知った顔が揃いだしていた。
「あんた達……何でここに来てるの?」
ここにいるのは……紅魔館組、白玉楼組、八雲一家、守屋神社、地霊殿組、命蓮寺といずれも良く知る人達だった。その誰もが何か食材か料理を持ってきている。
「これだけ人が集まったんだから宴会でもしようぜ、霊夢」
「まぁ食材もいっぱいあることだし……やりますか」
.
「ふぅ……」
宴会が始まって数時間。途中で騒ぎを聞き付けた射命丸やはたて達、秋姉妹に幽花さんも加わり、宴会は賑やかになっていた。
「ナナシは向こうの中に入らないの?」
「あんなに呑めないからな。そういう霊夢はどうなんだ?」
「休憩よ、休憩」
「そうか」
「ねぇ、ナナシ」
「なんだ?」
「今日はありがとうね。あんなに沢山野菜とか貰ってきてくれて」
「まあ、外ならぬ霊夢の頼みだからな」
「ふふっ、私はナナシのそういう所好きよ」
こいつは驚いた。まさか霊夢の口から好きと言われるなんて思ってもなかった。
「なぁ、霊夢」
「んー?」
「もしかして酔ってる?」
先程から話している霊夢の頬は、ほんのりと朱くなっている。
「ちょっとだけね。それより、返事は?
乙女にあんな事言わせておいて自分は言わないなんて言わせないわよ?」
「俺も霊夢の事が好きだぞ?」
それ以降の事はあまり良く覚えていない。
だってあの時は俺も酔っていたからな。
END
→あとがき
はいどーも、くりゅです。
秋リク一つ目、霊夢夢でした。
月光華さんリクエストありがとうございました。
出来ればもう少し夢主に幻想郷を巡ってほしかったんですが、そうすると集まる人数が少なくなるのでは?
ということで人里から山の麓までの食材探しになりました。
それではこれで
幻想郷に秋がやってきた。
何をもって秋が来たかというと、あの強烈な日差しが和らいできたりとか、木々が緑から紅に変わっていたりとか、神の姉妹が自分達の季節だー!!と叫んでいたりとか様々だ。
そしてここ博麗神社にも秋が訪れていた。
「秋ねぇ」
「秋だな」
「秋といえば……食べ物が美味しい季節よね」
「幽々子さんみたいな台詞だな、霊夢」
「うぐっ…わ、悪い?」
「悪くは無いけど……」
境内に疎らに落ちている枯れ葉を見ながらそれとなしに呟いてみた。
「こんなに落ち葉があると、焼き芋が食べたくなるなと」
「それいいわね、ナナシ、いますぐお芋を採ってきてくれない?」
いきなり何を言いますか、この巫女さんは。
「そんなに嫌そうな顔しないでよ。野菜ぐらい豊饒の神様の所に行けばいくらでも貰えるでしょ?」
「貰うよりも捧げる時期なんじゃないか?」
「いいから、行ってきなさい」
「はいよ」
あまり口答えせず、俺は秋の神様の所へと向かった。
.
人里の方へと降りて来たが、やはりこちらも秋めいている。
八百屋に並んでいる野菜達はどれもが美味しそうに見え、食欲をそそっている。
気付いたら店の前で足を止めていた。
「おう、ナナシ。何か買ってくか?」
「そうだな……おっちゃんのオススメは何だい?」
「この南瓜だな」
そう言い八百屋のおっちゃんが指差したのは、俺も目を付けていたやつだ。
「そんじゃ、そいつと……あとは人参をいただけるか?」
「毎度あり!」
いつものようにそう言ったおっちゃんに代金を支払った。
山の麓までやって来た。
当初の目的地であるここに、用がある二人はいた。
「うっーす。静葉、穣子いるか?」
「あっ、ナナシ。久々だね。穣子ならそこらにいると思うけど」
「そうか。サンキューな静葉」
静葉に言われた通り奥に進んだ所に穣子はいた。
「穣子ー」
「あら、ナナシじゃない。どうかしたの?」
「いや、なんというか……」
「はっきり言いなさいよ」
「秋の実りを分けてもらいに来た」
「えっ?」
.
とりあえず、俺は今回の事のあらましを穣子に説明した。
「それはお疲れ様だね。というか、あの巫女は本当に神様を何だと思ってるのかしら?
それで、秋の野菜だっけ?探してるのは」
「そうだな。あと出来れば芋を多くしてくれ」
「うん、わかった。待っててくれる?」
「了解。じゃあ、ここらへんを適当に歩いてるよ」
穣子にそれだけ伝えて、適当に麓を歩くことにした。
やはり、山の麓だからか人の姿は無い。
周りに人がいない風景は何処か神秘的で、紅色に色付きだした景色をしばらく眺めていた。
「ナナシ、出来たよ」
「ありがとな、穣子」
「こんなに多くて大丈夫なの?」
確かに、穣子の言う通りだ。今日だけじゃ食べ切れないくらいはあるだろう。
「何とかなるだろ。あそこは参拝客は集まらなくても、人は集まるからな」
「そうなの。じゃあ気をつけてね」
秋姉妹の下を離れ、今度は博麗神社に向かって歩きだした。
.
「霊夢ー、今帰ったぞー」
「んあ?おーナナシじゃないか。今までどこ行ってたんだ?」
「ちょっと秋を堪能しにな。魔理沙は何しに来たんだ」
「秋だし、安全に食べれる茸をおすそ分けに来た」
「茸か……それは盲点だったな」
「あら、お帰りなさいナナシ。魔理沙も来てたの?」
「来てたぜ。それと、ほら。私がとって来た茸。おすそ分けだ」
「ありがとう。それで、ナナシは何貰ってきたの?」
「秋の実りを色々とな。南瓜は人里の八百屋から買った物だが」
「まぁこれだけあれば三人で夕食は取れるでしょ」
「はぁい、霊夢」
霊夢が魔理沙から貰った茸を台所に持って行こうとしたときに、八雲さんがスキマから現れた。
「紫、一体何の用?」
「栗が沢山採れたんだけど、おすそ分けって事でいいかしら?」
「……貰っておくわ」
八雲さんに続いて、見知った顔が揃いだしていた。
「あんた達……何でここに来てるの?」
ここにいるのは……紅魔館組、白玉楼組、八雲一家、守屋神社、地霊殿組、命蓮寺といずれも良く知る人達だった。その誰もが何か食材か料理を持ってきている。
「これだけ人が集まったんだから宴会でもしようぜ、霊夢」
「まぁ食材もいっぱいあることだし……やりますか」
.
「ふぅ……」
宴会が始まって数時間。途中で騒ぎを聞き付けた射命丸やはたて達、秋姉妹に幽花さんも加わり、宴会は賑やかになっていた。
「ナナシは向こうの中に入らないの?」
「あんなに呑めないからな。そういう霊夢はどうなんだ?」
「休憩よ、休憩」
「そうか」
「ねぇ、ナナシ」
「なんだ?」
「今日はありがとうね。あんなに沢山野菜とか貰ってきてくれて」
「まあ、外ならぬ霊夢の頼みだからな」
「ふふっ、私はナナシのそういう所好きよ」
こいつは驚いた。まさか霊夢の口から好きと言われるなんて思ってもなかった。
「なぁ、霊夢」
「んー?」
「もしかして酔ってる?」
先程から話している霊夢の頬は、ほんのりと朱くなっている。
「ちょっとだけね。それより、返事は?
乙女にあんな事言わせておいて自分は言わないなんて言わせないわよ?」
「俺も霊夢の事が好きだぞ?」
それ以降の事はあまり良く覚えていない。
だってあの時は俺も酔っていたからな。
END
→あとがき
はいどーも、くりゅです。
秋リク一つ目、霊夢夢でした。
月光華さんリクエストありがとうございました。
出来ればもう少し夢主に幻想郷を巡ってほしかったんですが、そうすると集まる人数が少なくなるのでは?
ということで人里から山の麓までの食材探しになりました。
それではこれで