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【川遊び】
蒸し暑い日が続く中、家に毎日のように入り浸っている萃香が仰向けに寝転びながら言った。
「暑い……なーナナシ、川に行こうよー」
「川?確かに涼しいし遊べるだろうけど……」
「そうだろ?だから早速―――」
「けど、今日は無理だよ」
「なんでさ?ナナシのケチ」
「こんな昼過ぎから行っても大して遊べないよ。第一、遊びに行く準備が出来てないし」
「むぅー。じゃあ明日!」
明日なら何もないよな。
「わかった。明日ね」
「約束だぞ!?」
そ
川遊び、ということで色々と必要なものがあるから品揃えのよい香霖堂に来ていた。
「という訳なんですけど、何かいいものありますか、霖之助さん」
「川遊びね。楽しそうじゃないか。水着も一通りあるし、調理器具もあるよ?」
「まぁ、少し見させて貰いますね」
一通り店内を見て、気に入ったものを会計……霖之助さんに渡した。
「そういえば、ナナシ君。人から聞いた話なんだが……」
「なんですか?」
「二人から思いを寄せられているそうじゃないか」
「……はい」
「別に咎めたりはしないよ。ただ―――」
のほほんとしていた霖之助さんが急に真剣な顔付きになった。
「ただ、なんですか?」
「どっちつかずな態度はあまり取らない方がいいよ。外の世界じゃそんな態度を取った男の子を殺してしまう女の子がいるらしいし」
「と言っても、物語の中の話だけどね。おっと、そんな深刻そうな顔をしないでくれよ」
「すみません、なんか言葉に真実味があったんで」
「今の話は気にしないで川遊びを楽しんできなよ」
そう言われても、今の話が引っ掛かって素直に楽しめそうにない。
萃香とルーミアに限ってそんなことは……と思ったが、二人とも女の子だ。可能性はゼロではない。
今は明日を楽しむことだけ考えよう。
結局僕の心は晴れず、幻想郷の天気は晴れた。
とどのつまり、川遊びには持ってこいの天気だった。
「そういえば、どこに行くつもりなの?」
「んーと、妖怪の山でもいいし、霧の湖でもいいかなーって。ナナシはどっちがいい?」
霧の湖だと日が射さないから、どちらかと言えば妖怪の山かな。だけど……
「勝手に山に入って大丈夫なの?」
「平気平気、天狗は話せばわかってくれるだろうし、河童と人間は盟友だからいきなり危害を加えることはないと思うよ」
「そんなものなのかな?」
「そんなものだよ」
天狗には話して許可を貰い、萃香の言った通り、河童は危害を加えず、あまり気にしていなかった……と言うより単に興味が無かっただけの気が……。
まぁ、川で遊べるからいいんだけど。
ひとしきり川で遊んだ後、僕は一人で家に向かって歩いていた。
萃香はと言うと、霊夢のところでお酒飲んで来る。と言って、さっさと帰ってしまった。
「ん?あれは……」
家の前に、見知った少女の姿が見えた。
「こんばんは、ルーミア」
「……」
「どうかしたの?」
「ナナシのバカ!」
ただ声をかけただけなのに、いきなり怒鳴られてしまった。
「どうして私も川に連れて行ってくれなかったの?」
「それは……」
「ナナシは……私の事、嫌いになったの?」
「そうじゃないけど……」
「じゃあ、なんで」
「今日は萃香に誘われたから、ルーミアを誘えなかったんだ。だからルーミア、今度は二人でどこかに行こう」
「どこかって?」
「それは、夕飯を食べながら決めよう?ルーミアもまだでしょ?」
「……うん」
我ながら酷い逃げだと思う。
片方を持ち上げたら、もう片方を持ち上げないといけない。
見方によっては二人の気持ちを弄んでいるように見えるかもしれない。
それでも二人を幸せにしたいと思うのは悪いことなのだろうか……。
END
→あとがき
はいど~も、くりゅです。
綺羅さん、せっかくいただいたリクエストなのに、暗くなってしまってすみません。
別に、ハーレム状態が嫌いってわけじゃ無いんです。
ただ、好きなキャラを片方に絞るのが辛いだけなので…。
ちなみにこーりんの台詞の元ネタは、最終回が放送されなかったあれです。
リクエストありがとうございました。
蒸し暑い日が続く中、家に毎日のように入り浸っている萃香が仰向けに寝転びながら言った。
「暑い……なーナナシ、川に行こうよー」
「川?確かに涼しいし遊べるだろうけど……」
「そうだろ?だから早速―――」
「けど、今日は無理だよ」
「なんでさ?ナナシのケチ」
「こんな昼過ぎから行っても大して遊べないよ。第一、遊びに行く準備が出来てないし」
「むぅー。じゃあ明日!」
明日なら何もないよな。
「わかった。明日ね」
「約束だぞ!?」
そ
川遊び、ということで色々と必要なものがあるから品揃えのよい香霖堂に来ていた。
「という訳なんですけど、何かいいものありますか、霖之助さん」
「川遊びね。楽しそうじゃないか。水着も一通りあるし、調理器具もあるよ?」
「まぁ、少し見させて貰いますね」
一通り店内を見て、気に入ったものを会計……霖之助さんに渡した。
「そういえば、ナナシ君。人から聞いた話なんだが……」
「なんですか?」
「二人から思いを寄せられているそうじゃないか」
「……はい」
「別に咎めたりはしないよ。ただ―――」
のほほんとしていた霖之助さんが急に真剣な顔付きになった。
「ただ、なんですか?」
「どっちつかずな態度はあまり取らない方がいいよ。外の世界じゃそんな態度を取った男の子を殺してしまう女の子がいるらしいし」
「と言っても、物語の中の話だけどね。おっと、そんな深刻そうな顔をしないでくれよ」
「すみません、なんか言葉に真実味があったんで」
「今の話は気にしないで川遊びを楽しんできなよ」
そう言われても、今の話が引っ掛かって素直に楽しめそうにない。
萃香とルーミアに限ってそんなことは……と思ったが、二人とも女の子だ。可能性はゼロではない。
今は明日を楽しむことだけ考えよう。
結局僕の心は晴れず、幻想郷の天気は晴れた。
とどのつまり、川遊びには持ってこいの天気だった。
「そういえば、どこに行くつもりなの?」
「んーと、妖怪の山でもいいし、霧の湖でもいいかなーって。ナナシはどっちがいい?」
霧の湖だと日が射さないから、どちらかと言えば妖怪の山かな。だけど……
「勝手に山に入って大丈夫なの?」
「平気平気、天狗は話せばわかってくれるだろうし、河童と人間は盟友だからいきなり危害を加えることはないと思うよ」
「そんなものなのかな?」
「そんなものだよ」
天狗には話して許可を貰い、萃香の言った通り、河童は危害を加えず、あまり気にしていなかった……と言うより単に興味が無かっただけの気が……。
まぁ、川で遊べるからいいんだけど。
ひとしきり川で遊んだ後、僕は一人で家に向かって歩いていた。
萃香はと言うと、霊夢のところでお酒飲んで来る。と言って、さっさと帰ってしまった。
「ん?あれは……」
家の前に、見知った少女の姿が見えた。
「こんばんは、ルーミア」
「……」
「どうかしたの?」
「ナナシのバカ!」
ただ声をかけただけなのに、いきなり怒鳴られてしまった。
「どうして私も川に連れて行ってくれなかったの?」
「それは……」
「ナナシは……私の事、嫌いになったの?」
「そうじゃないけど……」
「じゃあ、なんで」
「今日は萃香に誘われたから、ルーミアを誘えなかったんだ。だからルーミア、今度は二人でどこかに行こう」
「どこかって?」
「それは、夕飯を食べながら決めよう?ルーミアもまだでしょ?」
「……うん」
我ながら酷い逃げだと思う。
片方を持ち上げたら、もう片方を持ち上げないといけない。
見方によっては二人の気持ちを弄んでいるように見えるかもしれない。
それでも二人を幸せにしたいと思うのは悪いことなのだろうか……。
END
→あとがき
はいど~も、くりゅです。
綺羅さん、せっかくいただいたリクエストなのに、暗くなってしまってすみません。
別に、ハーレム状態が嫌いってわけじゃ無いんです。
ただ、好きなキャラを片方に絞るのが辛いだけなので…。
ちなみにこーりんの台詞の元ネタは、最終回が放送されなかったあれです。
リクエストありがとうございました。