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【幼心の】
………
「なあ、天子。怒らないからさ、どうしてこんな事になっているのかを正直に話してくれ」
「だって、これくらいやらなきゃナナシはしてくれそうになかったから……やっぱり大きいわね…」
「そりゃ……んぁっ……そうだけどさ……」
「んー、もうちょっとしないとだめかな?」
「待て……天子、これ以上は、無理……」
「だめよ。ちゃんとやらないと入らないじゃない」
「くっ、あ……もうダメ、出そう……」
「出るはず無いんだから、大丈夫よ」
「んっ……あっ……ちょっと、てん……し、そんなに締め付けたら、まずいって」
「だから、大丈夫って言ってるでしょ!?これくらいガマンしてよ」
「いや、ホント……もう、ムリ……」
「(内臓が)出るって……言ってるだろ……」
ほら、また喉元までナニかが……
「平気だって。コルセットで戻した人はいないから、ね?」
何が、ね?だ。
こっちは割と本気で戻ってきてるって言うのに。
何故、こんな事になっているかというと……話は二日前に遡る。
「仮装大会ぃ?」
「そ。霊夢主催で、紅魔館の庭を借りてやるんだって」
「で、天子はそれに出ると。頑張ってな」
「え?何言ってるのよ。私じゃなくて、出るのはナナシ、貴方よ」
「俺?」
俺が出るより、天子が出たほうが華もあるし、何より素材が良い。
なんなら、香霖堂に行って、外の世界の服を調達しようかと考えているんだが。
「まぁ、私は何着ても似合うし、出場したら絶対に優勝しちゃうから、それだったら、ナナシが出た方がいいでしょ?」
この有頂天子め……ただ単に俺で遊びたいんじゃないのか?
と思っても口には出さない。
「別に構わないんだけどさ……俺は何を着ればいいんだ?」
仮装なら何かに化けた方がいいのか?それとも……
「それはね、ウフフフ……」
あ、マズイ。天子が妖しく笑っている……。
天子は俺に歩み寄り、
「ナナシにはね、コレを着てほしいの」
そう言って差し出してきたものは……
「ドレス?」
これは、どう見ても女物だ。
一度、目を瞑ってみる。
…………………………うん、女物だ。
「あのー、天子さん?これはさすがに……」
これじゃあ、「仮装」ではなく「女装」だ。
「着てくれないの?」
「うぁ……」
涙混じりに俺を見上げる天子。
これは嘘だとわかっているのに、凄く罪悪感を感じる。
「くっ……あーもう!わかった、わかったよ!着る着ます着させていただきます!!」
それを聞いた天子は、念願の玩具を手に入れ子どものように笑い、こう言ってきた。
「さすが私の彼氏。よくわかってるじゃない」
「なんで……なんで一位を取っちゃうんだよ……」
なんだか釈然としない。
他にも、と言うより明らかに俺よりも上の人はいた。
それなのに、なんで……
「ナナシー」
あぁ、遠くから誰かが呼んでいる。
迎えでも来たのかな。死んじゃいないけど。
「やったね、ナナシ。優勝だよ?」
天子か……
「そうだな……なんか、色々と失った気もするけど……」
信頼とか、いままでに築き上げた関係とか……根こそぎなくなったかもな……。
「でも、私はたとえナナシが周りの失っても、傍にいるからね」
「へ?」
「だって、私はナナシの事……大好きだから」
「天子……」
「おーい、ナナシー?どこ行ったんだー?早く来いよー」
「主役がいないと始まらないわよー」
なんだ……失ったと思ってたのは俺だけだったのか。
「ありがとな、天子。それじゃ、向こうに行くか?」
「うん」
Fin
→あとがき
ここまで読んでくれてありがとうございます。
くりゅです。
天子夢でした。
甘くなくてすみません……
あとすこし。頑張ろう、自分。
………
「なあ、天子。怒らないからさ、どうしてこんな事になっているのかを正直に話してくれ」
「だって、これくらいやらなきゃナナシはしてくれそうになかったから……やっぱり大きいわね…」
「そりゃ……んぁっ……そうだけどさ……」
「んー、もうちょっとしないとだめかな?」
「待て……天子、これ以上は、無理……」
「だめよ。ちゃんとやらないと入らないじゃない」
「くっ、あ……もうダメ、出そう……」
「出るはず無いんだから、大丈夫よ」
「んっ……あっ……ちょっと、てん……し、そんなに締め付けたら、まずいって」
「だから、大丈夫って言ってるでしょ!?これくらいガマンしてよ」
「いや、ホント……もう、ムリ……」
「(内臓が)出るって……言ってるだろ……」
ほら、また喉元までナニかが……
「平気だって。コルセットで戻した人はいないから、ね?」
何が、ね?だ。
こっちは割と本気で戻ってきてるって言うのに。
何故、こんな事になっているかというと……話は二日前に遡る。
「仮装大会ぃ?」
「そ。霊夢主催で、紅魔館の庭を借りてやるんだって」
「で、天子はそれに出ると。頑張ってな」
「え?何言ってるのよ。私じゃなくて、出るのはナナシ、貴方よ」
「俺?」
俺が出るより、天子が出たほうが華もあるし、何より素材が良い。
なんなら、香霖堂に行って、外の世界の服を調達しようかと考えているんだが。
「まぁ、私は何着ても似合うし、出場したら絶対に優勝しちゃうから、それだったら、ナナシが出た方がいいでしょ?」
この有頂天子め……ただ単に俺で遊びたいんじゃないのか?
と思っても口には出さない。
「別に構わないんだけどさ……俺は何を着ればいいんだ?」
仮装なら何かに化けた方がいいのか?それとも……
「それはね、ウフフフ……」
あ、マズイ。天子が妖しく笑っている……。
天子は俺に歩み寄り、
「ナナシにはね、コレを着てほしいの」
そう言って差し出してきたものは……
「ドレス?」
これは、どう見ても女物だ。
一度、目を瞑ってみる。
…………………………うん、女物だ。
「あのー、天子さん?これはさすがに……」
これじゃあ、「仮装」ではなく「女装」だ。
「着てくれないの?」
「うぁ……」
涙混じりに俺を見上げる天子。
これは嘘だとわかっているのに、凄く罪悪感を感じる。
「くっ……あーもう!わかった、わかったよ!着る着ます着させていただきます!!」
それを聞いた天子は、念願の玩具を手に入れ子どものように笑い、こう言ってきた。
「さすが私の彼氏。よくわかってるじゃない」
「なんで……なんで一位を取っちゃうんだよ……」
なんだか釈然としない。
他にも、と言うより明らかに俺よりも上の人はいた。
それなのに、なんで……
「ナナシー」
あぁ、遠くから誰かが呼んでいる。
迎えでも来たのかな。死んじゃいないけど。
「やったね、ナナシ。優勝だよ?」
天子か……
「そうだな……なんか、色々と失った気もするけど……」
信頼とか、いままでに築き上げた関係とか……根こそぎなくなったかもな……。
「でも、私はたとえナナシが周りの失っても、傍にいるからね」
「へ?」
「だって、私はナナシの事……大好きだから」
「天子……」
「おーい、ナナシー?どこ行ったんだー?早く来いよー」
「主役がいないと始まらないわよー」
なんだ……失ったと思ってたのは俺だけだったのか。
「ありがとな、天子。それじゃ、向こうに行くか?」
「うん」
Fin
→あとがき
ここまで読んでくれてありがとうございます。
くりゅです。
天子夢でした。
甘くなくてすみません……
あとすこし。頑張ろう、自分。