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【人形師の夢】
神や妖怪、それに私やパチュリーのような魔法使いには悠久にも等しい時がある。
人間はどうしてそのような永遠の時間が欲しいのだろうか? 永く生きるというのは、友人や愛する人との死別、孤独感、それ相応の痛みが伴うというのに。
だから私は、あまり人間の知人、友人をつくらないようにしている。……魔理沙は別だけど。
私は彼と永遠に別れる時が来るなら、嫌って忘れ去ろうと思っていた。
ナナシは里でも名の知れた服屋で、和裁はもとより、洋裁もできるという珍しい店だ。
そこの店主である彼は、時より道具を持って、私の家に遊びに来る。
「シャンハーイ」
「あら? どうしたの、上海」
「やぁ、アリス」
「久しぶりね、ナナシ。また服を作ってくれたの?」
「そ。今日のは上手く作れたと思ってるんだ」
「そうなの? 早く見せなさいよ」
「いつもありがとね、ナナシ。この服の布地ってお店の商品でしょ?」
「そうじゃないよ。裁断した時に余った部分だけで作ってるから、商品ではないね」
「嘘つき。それじゃあこんなに綺麗に作れないでしょ? お店のを使うなら無理に作らなくてもいいのに……」
「まぁ、趣味だからね。気にしないで。
それと…今日はアリスにもプレゼントがあるんだ」
「私に?」と聞く前に、彼は一着の服を取り出した。
「受け取ってもらえる…かな?」
「これって……ウェディングドレス?」
「自作のだから、ちょっと上手くいってないんだけどね。それで、その…これを着て僕と――」
「呆れた。それを言うためにここに来てたの? 悪いけど帰って貰える? 一応、魔法の研究中なの。上海、彼を森の外まで連れてってあげて。どこかで死なれたら後味が悪いし…」
心にもない事を言ってしまった。嬉しかったのに…。これじゃあ、嫌われたかな?
ナナシが何か言ってるけど耳に入らない。少しして家のドアが閉まる音が聞こえた。
「本当は好きなのに…」
数日後
「おーいアリスー。遊びに来たぜー」
「お邪魔しますね。アリスさん」
「右に同じ」
突然、魔理沙とパチュリーと聖さんが家に来た。
「どうしたのよ。三人揃って…」
「いやー、何と無く喋りに来ただけだぜ」
「迷惑でしたか?」
「大丈夫ですよ、聖さん。私も少し話たいことがあったし…」
「あら? アリスが他人に話なんて…ようやく人形以外の友達を作る気になったのかしら?」
「上海達は家族よ。それに、もうあなたたちが友達でしょ? それより、パチュリーはもう少し外に出たら?」
「友達の家に行くくらいならね」
「紅茶ぐらいしか出せないけど上がって。さあ、上海紅茶を淹れるの手伝って」
「シャンハーイ」
「あれ? なあアリス、上海の服ってナナシがつくったやつか?」
「なんで魔理沙が知ってるの」
「いや、前にアイツの所に行ったら、ものすごく楽しそうに作ってたからさ、それで覚えてたんだ」
「そ、そう」
上海に手伝って貰い、四人分の紅茶を淹れ、テーブルの上にカップを並べた。
「それで……アリスさんは何か相談があったのでは?」
「そうだった…聖さんとパチュリーに聞きたいんだけど……」
「おいアリスーなんで私に聞かないん――」
「魔理沙は少し黙ってて」
一度、息を整えて、聞いた。
「もし貴女達が人間を……寿命に違いがある人間を好きになったらどうする?」
隣で魔理沙が顔を伏せるのを感じた。
私の質問に聖さんはゆっくりと答えてくれた。
「私なら受け入れますね。例え寿命が違い、自分より先に相手が老いていくとしても、それを受け入れます。
どれほど続くかわかりませんが、その相手との子宝にも恵まれるかもしれませんし…それにいくら長いと言っても、一度きりの人生。それならば一番愛しい人と供にいたいですね」
それに続いてパチュリーも答える。
「私は、白蓮とは違う考えね。それに…少し人道的じゃないかもしれないけど、いい?」
「お願い」
「私は好きな人とは、ずっと一緒にいたいわ。その人に魔法の才能があるのなら同じ魔法使いにするわね。
けど…もし、才能がないとしたら…レミィに頼んで吸血鬼にしてもらうわ。
そうすると、人としての生活は無理になるかもしれないけど…それでも、永遠に一緒にいたいから…」
「でもさ、人間にしろ妖怪にしろ幸せならいいんじゃないか? だってさ、今私は幸せだぜ? 皆とこうして話したりできるからな」
二人の話を聞いていた魔理沙はそう言った。
「そうね。だったら私も謝って答えを出さないと…」
「謝る? 答え? 何かあったの、アリス」
「実は…」
「手作りのウエディングドレスですか……」
「それに告白を全部言わせず追い返すとはな…」
「アリスってあれなの? ツンデレなの?」
「知らないわよ! …でも謝りには行かないと」
「だったら里までは幻想郷最速のこの私が連れて行って…」
「最速はブン屋でしょ?」
「ああ、あの鴉天狗の…」
「うるさいなー…とりあえず乗ってけ、アリス」
「今日はありがとう。聖さん、パチュリー」
「いいのよ、気にしないで」
「自分に素直になってくださいよ?」
「うん、わかった」
「じゃ、飛ばすぜ?」
「よし、後はお前の力だけで頑張れよ」
「わかってるわよ。送ってくれてありがとう」
「おう。じゃな」
そういえば……
「はじめてよね、お店に入るの…」
そっと扉を開け中に入る。小さい店内は人里の若い女性がいくらか集まっていた。
(本当に人気なのね…)
それなのに、休んでまで私の所に来るなんて……物好きな人。
「ナナシ、居る?」
私がいつものように彼を呼ぶと、店内にいた数人が私の方を向く。
「ん…! あ、あぁ。アリスか。今日はどうしたんだい? 君から来るなんて珍しいじゃないか」
「始めてよ、来るのは。貴方が来てくれてたんだから」
一瞬、妬みの視線が私を突き刺したが、何とか堪えた。
実は何処かに橋姫でも居るんじゃないかしら?
「で、服の材料の調達かな? アリスが気に入りそうなのは―――」
「ごめんなさい」
「へ?」
「この前、貴方の話を全部聞かずに追い返しちゃって……本当にごめんなさい」
「いいよ。気にしてないし…」
「だから、今、ここで聞かせて」
「えっと、ここで? 他のお客様も居るんだけど……」
「私は…貴方の全てを受け入れるわ。寿命が違うことも、何もかも…貴方は、ナナシは受け入れてくれる?」
「はぁ……負けたよ。アリス、僕も全部受け入れるよ。僕が老いていくのが早いことも、ずっと傍にいれないことも。だからアリス、あのドレスを着て、僕と結婚してくれないかな」
「喜んで」
そう答えると店内のお客達の大きな拍手が響いた。
「どうする? ここでキス……しちゃう?」
「だっだめに決まってるでしょ!」
だって、それは二人っきりの時じゃないとすぐに忘れちゃいそうだから…
私の長い永い人生の忘れられない時間にしたいもの。
ども、くりゅです。
長々と待たせてすみませんでした。
アリス夢でしたが、何と無く白蓮を出して見ました。
口調がつかめない…
常闇さん、リクエストありがとうございました。
神や妖怪、それに私やパチュリーのような魔法使いには悠久にも等しい時がある。
人間はどうしてそのような永遠の時間が欲しいのだろうか? 永く生きるというのは、友人や愛する人との死別、孤独感、それ相応の痛みが伴うというのに。
だから私は、あまり人間の知人、友人をつくらないようにしている。……魔理沙は別だけど。
私は彼と永遠に別れる時が来るなら、嫌って忘れ去ろうと思っていた。
ナナシは里でも名の知れた服屋で、和裁はもとより、洋裁もできるという珍しい店だ。
そこの店主である彼は、時より道具を持って、私の家に遊びに来る。
「シャンハーイ」
「あら? どうしたの、上海」
「やぁ、アリス」
「久しぶりね、ナナシ。また服を作ってくれたの?」
「そ。今日のは上手く作れたと思ってるんだ」
「そうなの? 早く見せなさいよ」
「いつもありがとね、ナナシ。この服の布地ってお店の商品でしょ?」
「そうじゃないよ。裁断した時に余った部分だけで作ってるから、商品ではないね」
「嘘つき。それじゃあこんなに綺麗に作れないでしょ? お店のを使うなら無理に作らなくてもいいのに……」
「まぁ、趣味だからね。気にしないで。
それと…今日はアリスにもプレゼントがあるんだ」
「私に?」と聞く前に、彼は一着の服を取り出した。
「受け取ってもらえる…かな?」
「これって……ウェディングドレス?」
「自作のだから、ちょっと上手くいってないんだけどね。それで、その…これを着て僕と――」
「呆れた。それを言うためにここに来てたの? 悪いけど帰って貰える? 一応、魔法の研究中なの。上海、彼を森の外まで連れてってあげて。どこかで死なれたら後味が悪いし…」
心にもない事を言ってしまった。嬉しかったのに…。これじゃあ、嫌われたかな?
ナナシが何か言ってるけど耳に入らない。少しして家のドアが閉まる音が聞こえた。
「本当は好きなのに…」
数日後
「おーいアリスー。遊びに来たぜー」
「お邪魔しますね。アリスさん」
「右に同じ」
突然、魔理沙とパチュリーと聖さんが家に来た。
「どうしたのよ。三人揃って…」
「いやー、何と無く喋りに来ただけだぜ」
「迷惑でしたか?」
「大丈夫ですよ、聖さん。私も少し話たいことがあったし…」
「あら? アリスが他人に話なんて…ようやく人形以外の友達を作る気になったのかしら?」
「上海達は家族よ。それに、もうあなたたちが友達でしょ? それより、パチュリーはもう少し外に出たら?」
「友達の家に行くくらいならね」
「紅茶ぐらいしか出せないけど上がって。さあ、上海紅茶を淹れるの手伝って」
「シャンハーイ」
「あれ? なあアリス、上海の服ってナナシがつくったやつか?」
「なんで魔理沙が知ってるの」
「いや、前にアイツの所に行ったら、ものすごく楽しそうに作ってたからさ、それで覚えてたんだ」
「そ、そう」
上海に手伝って貰い、四人分の紅茶を淹れ、テーブルの上にカップを並べた。
「それで……アリスさんは何か相談があったのでは?」
「そうだった…聖さんとパチュリーに聞きたいんだけど……」
「おいアリスーなんで私に聞かないん――」
「魔理沙は少し黙ってて」
一度、息を整えて、聞いた。
「もし貴女達が人間を……寿命に違いがある人間を好きになったらどうする?」
隣で魔理沙が顔を伏せるのを感じた。
私の質問に聖さんはゆっくりと答えてくれた。
「私なら受け入れますね。例え寿命が違い、自分より先に相手が老いていくとしても、それを受け入れます。
どれほど続くかわかりませんが、その相手との子宝にも恵まれるかもしれませんし…それにいくら長いと言っても、一度きりの人生。それならば一番愛しい人と供にいたいですね」
それに続いてパチュリーも答える。
「私は、白蓮とは違う考えね。それに…少し人道的じゃないかもしれないけど、いい?」
「お願い」
「私は好きな人とは、ずっと一緒にいたいわ。その人に魔法の才能があるのなら同じ魔法使いにするわね。
けど…もし、才能がないとしたら…レミィに頼んで吸血鬼にしてもらうわ。
そうすると、人としての生活は無理になるかもしれないけど…それでも、永遠に一緒にいたいから…」
「でもさ、人間にしろ妖怪にしろ幸せならいいんじゃないか? だってさ、今私は幸せだぜ? 皆とこうして話したりできるからな」
二人の話を聞いていた魔理沙はそう言った。
「そうね。だったら私も謝って答えを出さないと…」
「謝る? 答え? 何かあったの、アリス」
「実は…」
「手作りのウエディングドレスですか……」
「それに告白を全部言わせず追い返すとはな…」
「アリスってあれなの? ツンデレなの?」
「知らないわよ! …でも謝りには行かないと」
「だったら里までは幻想郷最速のこの私が連れて行って…」
「最速はブン屋でしょ?」
「ああ、あの鴉天狗の…」
「うるさいなー…とりあえず乗ってけ、アリス」
「今日はありがとう。聖さん、パチュリー」
「いいのよ、気にしないで」
「自分に素直になってくださいよ?」
「うん、わかった」
「じゃ、飛ばすぜ?」
「よし、後はお前の力だけで頑張れよ」
「わかってるわよ。送ってくれてありがとう」
「おう。じゃな」
そういえば……
「はじめてよね、お店に入るの…」
そっと扉を開け中に入る。小さい店内は人里の若い女性がいくらか集まっていた。
(本当に人気なのね…)
それなのに、休んでまで私の所に来るなんて……物好きな人。
「ナナシ、居る?」
私がいつものように彼を呼ぶと、店内にいた数人が私の方を向く。
「ん…! あ、あぁ。アリスか。今日はどうしたんだい? 君から来るなんて珍しいじゃないか」
「始めてよ、来るのは。貴方が来てくれてたんだから」
一瞬、妬みの視線が私を突き刺したが、何とか堪えた。
実は何処かに橋姫でも居るんじゃないかしら?
「で、服の材料の調達かな? アリスが気に入りそうなのは―――」
「ごめんなさい」
「へ?」
「この前、貴方の話を全部聞かずに追い返しちゃって……本当にごめんなさい」
「いいよ。気にしてないし…」
「だから、今、ここで聞かせて」
「えっと、ここで? 他のお客様も居るんだけど……」
「私は…貴方の全てを受け入れるわ。寿命が違うことも、何もかも…貴方は、ナナシは受け入れてくれる?」
「はぁ……負けたよ。アリス、僕も全部受け入れるよ。僕が老いていくのが早いことも、ずっと傍にいれないことも。だからアリス、あのドレスを着て、僕と結婚してくれないかな」
「喜んで」
そう答えると店内のお客達の大きな拍手が響いた。
「どうする? ここでキス……しちゃう?」
「だっだめに決まってるでしょ!」
だって、それは二人っきりの時じゃないとすぐに忘れちゃいそうだから…
私の長い永い人生の忘れられない時間にしたいもの。
ども、くりゅです。
長々と待たせてすみませんでした。
アリス夢でしたが、何と無く白蓮を出して見ました。
口調がつかめない…
常闇さん、リクエストありがとうございました。