過去サイト掲載分
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【僕だけの嫉妬姫】
地上で過ごしていた僕が橋姫と呼ばれている彼女と出会ったのは、つい最近の事だった。
事の発端は僕が魔理沙の家に遊びに行った事からだった。
「おはよ、魔理沙」
「おお、ナナシか。はよー」
寒くなった外を歩いてきた僕にとって、魔理沙の家は暖かかった。
「ん? 随分と寒そうだな?」
「まあ、もう冬だしね……何処か暖まれる場所知らない?」
「暖まれる所ねぇ……あっ、そういやナナシ、地霊殿というか、地底には行ったか?」
「いや、まだ行ってないよ」
「じゃあ行こうぜ。あっちなら少しは暖かいだろうし……。まぁ温泉とかあれば私も入りたいしな」
「うん、行こうか」
地上と地下を結ぶ縦穴。下に向かえば向かうほど空気が暖まっていくのを感じた。
「あっ! 貴女は……」
「ぅげっ……嫉妬妖怪」
突然現れた彼女に僕は見とれてしまった。所謂一目惚れだろう。
「宝舟が現れたから少しは休めると思っていたのに……。さらには同じ魔法使いの女の子じゃなくて、男と一緒に来るなんて……あぁ妬ましい、妬ましいわ」
「ばっ…ナナシとはそんな関係じゃないって……あー、言っても聞きそうにないな!! くそっ! 行くぞナナシ!!」
「えっ? ちょっと……引っ張らないでーー!!」
「まっ魔理沙……速すぎるよ」
「わるいわるい」
縦穴から魔理沙に最高速度で引っ張られて、すぐに地底に到着した。
そして、着いてすぐに魔理沙は「あっ、そういや前にこいしに次に来たときに顔出すって約束してたんだ。つーわけで、じゃな!」
と言って去ってしまった。
「あっ……行っちゃった。どうしようか?」
遠ざかる魔理沙の背中をしばらく眺めていて、ふと気付いた。自分が立っているのが往来の真ん中なのだと。
とりあえず、人気の少ない場所を探して歩いていると、数分で迷った。適当に歩いていたら迷った。
うわぁ、マズい。自分も妖怪だけど、流石に知らない場所で迷うのはつらい。かといって、僕の知ってる人はいないだろうし……
はぁ…仕方ない戻る……って迷ってたんだ。でも、ここに止まってても仕方が無い。ひとまずは通りに出よう。
~少年移動中~
一応、路地からは出られたけど、今度は人気の無い広場に出た。
「これからどうしようか…」
こんな風に完全に孤立すると、人肌が恋しくなる。妖怪だけど。
こっちに来る前は、味方だと思っていた者からの迫害にもあったせいか、幻想郷での周りの人達の優しさに触れすぎたからか、独りはとても辛い……
「あっ…ようやく見つけた。…えっと、ナナシでいいのかしら?」
「そうだけど…君はさっきの…」
「パルスィよ。水橋パルスィ」
「パルスィは僕を捜してくれてたの?」
「まぁ、そんなところよ。…で、あなたはこんな所で何をしているの?」
「恥ずかしいけど、迷子なんだ」
「あの白黒は?」
「ああ、魔理沙ならこいしさんに会いに行くって言って僕をおいて行っちゃったよ」
「そう…それじゃあ、ここを案内してあげるわ」
「いいの?」
僕にとっては願ってもない事なんだけど。
「いいのよ、そのために捜していたんだから」
「じゃあ、よろしくね。パルスィ」
「よろしく。あっ、もうそろそろお昼時だし、何か食べてから案内するわね」
パルスィと入った食事処で、帰り際に最近よく一緒に酒を呑む萃香に会った。
「ナナシじゃないか。どうしたのさ? まさか…お前も昼から呑みに来たのか?」
「僕は夜にしか呑まないって決めてるんだよ。それに萃香、呑み過ぎは体に悪いよ?」
「体に悪いって? 何を云うか! 酒は万病に効く薬というんだぞ?」
「どんな良薬でも、使い過ぎると体に毒…って、どうしたのパルスィ?」
急に服の裾を引っ張られたと思ったら、パルスィが小声で僕に囁いた。
「…行こ」
「あ、そうだね。じゃあまた、萃香」
「おーう、またなー」
萃香に別れを告げると、パルスィに手を引かれ、食事処を後にした。
「パルスィ、急にどうしたのさ?」
「だって……から」
「へ?」
「嫉妬…しちゃうから。ナナシが、誰か他の女の子と話してると…嫉妬しちゃうから……
変…だよね。さっき会ったばかりなのに…私…ナナシの事が好きなの…
ごめんね、急に…」
「変じゃないよ。僕だって、その…パルスィのこと、好きだから…」
「え!?」
「その…僕でよかったら…付き合ってくれないかな?」
「いや…あの…こ、こちりゃこそ、よろしくお願いしましゅ!」
彼女の返事は、微笑ましいほど噛み噛みだった。
それから…
「あら? ナナシじゃない。久方ぶりね」
「おはよ、霊夢。人里に買い物に行くって…食料でも切らした?」
「いや、お祭りの道具やら、お酒の買い出しよ……全く、魔理沙も萃香も、いつも呑みに来るんなら手伝いなさいっての!!
はぁ…手伝ってくれる人はいないのかしらね?」
「それ、もしかして遠回しに、手伝えって行ってるの?」
「違うわよ。……それより、さっきからこっちを睨んでいるあの子をどうにかしてくれない?」
「あ…じゃあ、お祭りで」
「ええ、お祭りで」
僕は、彼女の前まで少し駆け足で近付いた。
「……ナナシ、何話してたの?」
「お賽銭入れてけって…」
「…ホント?」
「本当だって」
「じゃあいい。はい」
「ん? どうしたの、手なんか出して」
「手、繋いで。私が嫉妬しないようにさ」
「わかったよ……。じゃあ、もう離さないよ?」
「ナナシがいいなら、私もそれでいい…」
僕は離さないようにしっかりと握った。
僕だけの嫉妬姫の手を
END
こんばっぱー
くりゅです。
時間がかかってしまいましたが…パルスィ夢でした。
パルスィの口調がわかりません。
嫉妬もあまりしていない気が……
敬様
リクエストありがとうございました。
ちょっと、口調が変かも知れませんが、それでも気に入って貰えたら幸いです。
ではまた
地上で過ごしていた僕が橋姫と呼ばれている彼女と出会ったのは、つい最近の事だった。
事の発端は僕が魔理沙の家に遊びに行った事からだった。
「おはよ、魔理沙」
「おお、ナナシか。はよー」
寒くなった外を歩いてきた僕にとって、魔理沙の家は暖かかった。
「ん? 随分と寒そうだな?」
「まあ、もう冬だしね……何処か暖まれる場所知らない?」
「暖まれる所ねぇ……あっ、そういやナナシ、地霊殿というか、地底には行ったか?」
「いや、まだ行ってないよ」
「じゃあ行こうぜ。あっちなら少しは暖かいだろうし……。まぁ温泉とかあれば私も入りたいしな」
「うん、行こうか」
地上と地下を結ぶ縦穴。下に向かえば向かうほど空気が暖まっていくのを感じた。
「あっ! 貴女は……」
「ぅげっ……嫉妬妖怪」
突然現れた彼女に僕は見とれてしまった。所謂一目惚れだろう。
「宝舟が現れたから少しは休めると思っていたのに……。さらには同じ魔法使いの女の子じゃなくて、男と一緒に来るなんて……あぁ妬ましい、妬ましいわ」
「ばっ…ナナシとはそんな関係じゃないって……あー、言っても聞きそうにないな!! くそっ! 行くぞナナシ!!」
「えっ? ちょっと……引っ張らないでーー!!」
「まっ魔理沙……速すぎるよ」
「わるいわるい」
縦穴から魔理沙に最高速度で引っ張られて、すぐに地底に到着した。
そして、着いてすぐに魔理沙は「あっ、そういや前にこいしに次に来たときに顔出すって約束してたんだ。つーわけで、じゃな!」
と言って去ってしまった。
「あっ……行っちゃった。どうしようか?」
遠ざかる魔理沙の背中をしばらく眺めていて、ふと気付いた。自分が立っているのが往来の真ん中なのだと。
とりあえず、人気の少ない場所を探して歩いていると、数分で迷った。適当に歩いていたら迷った。
うわぁ、マズい。自分も妖怪だけど、流石に知らない場所で迷うのはつらい。かといって、僕の知ってる人はいないだろうし……
はぁ…仕方ない戻る……って迷ってたんだ。でも、ここに止まってても仕方が無い。ひとまずは通りに出よう。
~少年移動中~
一応、路地からは出られたけど、今度は人気の無い広場に出た。
「これからどうしようか…」
こんな風に完全に孤立すると、人肌が恋しくなる。妖怪だけど。
こっちに来る前は、味方だと思っていた者からの迫害にもあったせいか、幻想郷での周りの人達の優しさに触れすぎたからか、独りはとても辛い……
「あっ…ようやく見つけた。…えっと、ナナシでいいのかしら?」
「そうだけど…君はさっきの…」
「パルスィよ。水橋パルスィ」
「パルスィは僕を捜してくれてたの?」
「まぁ、そんなところよ。…で、あなたはこんな所で何をしているの?」
「恥ずかしいけど、迷子なんだ」
「あの白黒は?」
「ああ、魔理沙ならこいしさんに会いに行くって言って僕をおいて行っちゃったよ」
「そう…それじゃあ、ここを案内してあげるわ」
「いいの?」
僕にとっては願ってもない事なんだけど。
「いいのよ、そのために捜していたんだから」
「じゃあ、よろしくね。パルスィ」
「よろしく。あっ、もうそろそろお昼時だし、何か食べてから案内するわね」
パルスィと入った食事処で、帰り際に最近よく一緒に酒を呑む萃香に会った。
「ナナシじゃないか。どうしたのさ? まさか…お前も昼から呑みに来たのか?」
「僕は夜にしか呑まないって決めてるんだよ。それに萃香、呑み過ぎは体に悪いよ?」
「体に悪いって? 何を云うか! 酒は万病に効く薬というんだぞ?」
「どんな良薬でも、使い過ぎると体に毒…って、どうしたのパルスィ?」
急に服の裾を引っ張られたと思ったら、パルスィが小声で僕に囁いた。
「…行こ」
「あ、そうだね。じゃあまた、萃香」
「おーう、またなー」
萃香に別れを告げると、パルスィに手を引かれ、食事処を後にした。
「パルスィ、急にどうしたのさ?」
「だって……から」
「へ?」
「嫉妬…しちゃうから。ナナシが、誰か他の女の子と話してると…嫉妬しちゃうから……
変…だよね。さっき会ったばかりなのに…私…ナナシの事が好きなの…
ごめんね、急に…」
「変じゃないよ。僕だって、その…パルスィのこと、好きだから…」
「え!?」
「その…僕でよかったら…付き合ってくれないかな?」
「いや…あの…こ、こちりゃこそ、よろしくお願いしましゅ!」
彼女の返事は、微笑ましいほど噛み噛みだった。
それから…
「あら? ナナシじゃない。久方ぶりね」
「おはよ、霊夢。人里に買い物に行くって…食料でも切らした?」
「いや、お祭りの道具やら、お酒の買い出しよ……全く、魔理沙も萃香も、いつも呑みに来るんなら手伝いなさいっての!!
はぁ…手伝ってくれる人はいないのかしらね?」
「それ、もしかして遠回しに、手伝えって行ってるの?」
「違うわよ。……それより、さっきからこっちを睨んでいるあの子をどうにかしてくれない?」
「あ…じゃあ、お祭りで」
「ええ、お祭りで」
僕は、彼女の前まで少し駆け足で近付いた。
「……ナナシ、何話してたの?」
「お賽銭入れてけって…」
「…ホント?」
「本当だって」
「じゃあいい。はい」
「ん? どうしたの、手なんか出して」
「手、繋いで。私が嫉妬しないようにさ」
「わかったよ……。じゃあ、もう離さないよ?」
「ナナシがいいなら、私もそれでいい…」
僕は離さないようにしっかりと握った。
僕だけの嫉妬姫の手を
END
こんばっぱー
くりゅです。
時間がかかってしまいましたが…パルスィ夢でした。
パルスィの口調がわかりません。
嫉妬もあまりしていない気が……
敬様
リクエストありがとうございました。
ちょっと、口調が変かも知れませんが、それでも気に入って貰えたら幸いです。
ではまた