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【伝えづらい…】
「ふぁ~あ……眠い…」
「ナナシー、境内の掃除ぐらいはやく終わらせてよねー」
「そこまで言うなら自分でやれば良いのに……」
「何か言った、ナナシ?」
「いや、なにも」
俺がここ、幻想郷に来たのは約二ヶ月前。
普段通りに布団で寝て、起きてみたらアラ不思議。
夜が迫りつつある森に放置されていた。
えっ、なにこれ? ついに親に捨てられた!?
とか思っていると、後ろから声をかけられた。
『あんた、こんなところで何をしているの?』
『え…いや…』
『格好からして外来人ね、あなた。……また紫の仕業かしら?』
『その……』
『これからどうするつもりなの?』
『あ……』
『言っておくけど、野宿なんてしたら数分足らずで妖怪の餌だからね』
『……』
『行く場所がないなら、私の家に来ない? 神社だし、部屋ならいくらでもあるわよ』
『そうさせていただきます』
と、まあこんな調子で言いくるめられて、居候中。
二ヶ月間もここで過ごしていたら、必要最低限のことはできるようになっていた。
そうだな……例えば、弾幕ごっこ。
霊夢に頼まれて買い出しに出ると、時々妖怪に襲われる事がある。
最近はルーミアやバ……チルノぐらいか?
それ以外にも色々あるが割愛させてもらう。
前は魔理沙やら射命丸がちょっかい出してきたが、ここのところ音沙汰がない。
それが怖いんだけどな……
「ふー、終わったぞ、霊夢」
「ありがとう、ナナシ」
神社の縁側に腰を下ろし、霊夢が淹れたであろう緑茶を頂く。
ずずーーーーーーーはふぅ
「美味しい……」
「ねぇ、ナナシ……」
「ん? どうした」
霊夢の方を振り向くと、彼女は何かを決意した様な表情で俺を見ていた。
「あなたは元の世界に帰りたいと思わないの?」
「なんだよ、急に…」
「答えて…!」
「う~ん……もう、どうでもいいかな? こっちの方が気に入ったし。それに…」
「それに…なによ?」
「秘密! じゃあ、ちょっと人里に行ってくる」
「ちょっと!! 待ちなさいよ、ナナシ!」
ぎゃあぎゃあ叫ぶ霊夢をよそに、俺は階段を下りていった。
「あぁ……行っちゃった……」
彼が下りていった階段を眺め、小さく溜め息をつく。
何なんだろう、このモヤモヤした感じは? 秘密って言われたからじゃないし……
……止めた。今はこの事を考えるのはよそう。帰ってきたときに聞けばいいし、もし魔理沙に感づかれたりしたら……
「よっ、霊夢。遊びに来たぜ」
既に来てるし……
「魔理沙、悪いけど帰ってもらえる?」
「なんだよー、お茶ぐらい淹れてくれよー。それともなんだ? アイツに淹れる分しかないって言うのか?」
「っ…そ、それは……///」
「別に隠さなくてもいいんだぜ? わかってるから」
「えっ…ちっ、ちょっと待って魔理沙。わかってるって……何が?」
私がそう聞くと魔理沙は呆れたような顔をした。
「お前まさか…気付かれてないと思ってんのか?」
「だから、なんの事よ?」
「霊夢がナナシの事を好きって事」
「………それに気付いてるのは、貴女だけなの?」
「文も知ってるはずだぜ?」
ああ…終わった……記事になるのは時間の問題か……
「まぁ…あとはあいつ次第なんだよな」
確かに魔理沙の言う通りなのかもしれない。
ナナシは何をしているんだろうか?
人里に来たはいいけど…どうするか。
適当に買うのは不味いよなぁ……
「さて…どうするかな」
「あー! ようやく見つけましたよ!」
「ん? ああ、射命丸か。久しぶり」
「お久しぶりです、ナナシさん。お買い物中でしょうか?」
「うん、まぁ…そんなところかな」
「もしかして…霊夢さんになにかプレゼントでも買ってあげるつもりなんですか?」
「ゴフッ!!」
射命丸の突拍子もない台詞に噎せてしまった。
「あやや? 図星だったんですか? 分かりやすい人ですね~」
こいつ…人の反応楽しんでないか?
しかし、ちょうどいいとこに来たな。
「なぁ、射命丸…一つ聞いていいか?」
「はい、何でしょうか?」
「霊夢の好きな物って分かるか?」
「分かりませんね」
断言されてしまった。やっぱり自分で考えるしかないか……
「そっか…悪かったな射命丸。変な事聞いて…」
「…ですが、ナナシさんからのプレゼントなら何でも喜ぶと思いますよ」
「…どういう意味だ、それは?」
「分からない人ですね~…好きな人からのプレゼントに喜ばない女の子はいない、それだけですよ」
「んなっ…///」
「では、後日改めて取材させていただきますね♪」
「おい、ちょっと待て……って、もういないし」
さすが烏天狗と言うべきか? しかし、奴は一つだけ間違えている。
「俺が一方的に好きなだけなんだよ……」
射命丸に茶化されたあとは、とりあえず香霖堂に寄り、帰路についた。
「やっぱ、玉砕覚悟で言ってみるべきか?」
そして、香霖堂から今までずっと一つの事を考えていた。
きっかけは射命丸のあの言葉
『好きな人からのプレゼントに喜ばない女の子はいない、それだけですよ』
まぁ、あの巫女さんが俺の事を好きになるなんて…思い上がりも甚だしいな。
「駄目で元々。やるだけやるか」
そう呟いた所でこの長い階段を遂に上りきった。
「ただいまー」
「ん? ナナシじゃないか。どこ行ってたんだ?」
射命丸の次は魔理沙か……何が起きるんだ?
「買い物に行ってただけだが…。ところで霊夢は?」
「霊夢か? あいつは湯飲み片付けるって中に入っていったぜ」
「そっか……そういや、昼飯は食べたのか?」
「いいや、駄弁ってたから私も霊夢も食べてないぜ」
「じゃあ、食べていくか?」
「すまないが、今日は遠慮しとくぜ」
そう言うと魔理沙は箒に腰をかけ、アリスのところに行かなきゃならないんでな、じゃあまた来るぜ、と俺に告げ飛んでいった。
さて、俺も中で腹を空かせているであろう巫女さんに昼飯を作りますか。
「ただいまー」
「えっ、ナナシ? あれっ、魔理沙は?」
「アリスのところに行かなきゃならないとかで、ついさっき飛んでいったが」
「そ、そう…///」
何かさっきと様子が違うな……
「霊夢、ちょっとじっとしてて…」
「う、うん」
霊夢の髪に、香霖堂で見つけた、花を象った髪留めをつけてあげた。
「やっぱり、よく似合ってる」
「そっ、そうかな…///」
「うん、すごく似合ってる。なぁ霊夢、昼を作る前に少し話してもいいか?」
「なっ…なに?」
「朝の話を蒸し返すようで悪いんだけどさ、俺は此処から離れるつもりはないよ」
「それは、こっちが気に入ったからよね?」
「それもあるけど、一番の理由は…」
「秘密…なんでしょ?」
「霊夢が好きだから」
「えっ?」
「初めて助けてもらった時から、好きだった。気付くのが遅すぎたんだろうけど、霊夢が好きだから、ここに残る」
理由になってないか、と笑いながら霊夢を見ると、耳まで赤く染めて俯いていた。
「えっと……れ、霊夢さん?」
「バカッ…そんなに面と向かって、好きって連呼されると、て…照れるじゃない…///」
「ハハッ、ごめんごめん」
「でも…私もナナシの事好きよ」
「それってどういう――――」
いい終える前に俺の口は霊夢の唇で塞がれた。
「こういう事///」
なんだ…
両思いだったのか…
→あとがき
長い間待たせてすみませんでしたm(_ _)m
ちょっと今回もごちゃごちゃしてますね(笑)
次は上手くいくように精進します!
夢主設定
人間。紫の悪戯で幻想郷に連れてこられた。
霊夢に負けず劣らずお茶が好き。
魔理沙や射命丸と知り合いなだけに、わりと有名。
博麗神社に居候中。
「ふぁ~あ……眠い…」
「ナナシー、境内の掃除ぐらいはやく終わらせてよねー」
「そこまで言うなら自分でやれば良いのに……」
「何か言った、ナナシ?」
「いや、なにも」
俺がここ、幻想郷に来たのは約二ヶ月前。
普段通りに布団で寝て、起きてみたらアラ不思議。
夜が迫りつつある森に放置されていた。
えっ、なにこれ? ついに親に捨てられた!?
とか思っていると、後ろから声をかけられた。
『あんた、こんなところで何をしているの?』
『え…いや…』
『格好からして外来人ね、あなた。……また紫の仕業かしら?』
『その……』
『これからどうするつもりなの?』
『あ……』
『言っておくけど、野宿なんてしたら数分足らずで妖怪の餌だからね』
『……』
『行く場所がないなら、私の家に来ない? 神社だし、部屋ならいくらでもあるわよ』
『そうさせていただきます』
と、まあこんな調子で言いくるめられて、居候中。
二ヶ月間もここで過ごしていたら、必要最低限のことはできるようになっていた。
そうだな……例えば、弾幕ごっこ。
霊夢に頼まれて買い出しに出ると、時々妖怪に襲われる事がある。
最近はルーミアやバ……チルノぐらいか?
それ以外にも色々あるが割愛させてもらう。
前は魔理沙やら射命丸がちょっかい出してきたが、ここのところ音沙汰がない。
それが怖いんだけどな……
「ふー、終わったぞ、霊夢」
「ありがとう、ナナシ」
神社の縁側に腰を下ろし、霊夢が淹れたであろう緑茶を頂く。
ずずーーーーーーーはふぅ
「美味しい……」
「ねぇ、ナナシ……」
「ん? どうした」
霊夢の方を振り向くと、彼女は何かを決意した様な表情で俺を見ていた。
「あなたは元の世界に帰りたいと思わないの?」
「なんだよ、急に…」
「答えて…!」
「う~ん……もう、どうでもいいかな? こっちの方が気に入ったし。それに…」
「それに…なによ?」
「秘密! じゃあ、ちょっと人里に行ってくる」
「ちょっと!! 待ちなさいよ、ナナシ!」
ぎゃあぎゃあ叫ぶ霊夢をよそに、俺は階段を下りていった。
「あぁ……行っちゃった……」
彼が下りていった階段を眺め、小さく溜め息をつく。
何なんだろう、このモヤモヤした感じは? 秘密って言われたからじゃないし……
……止めた。今はこの事を考えるのはよそう。帰ってきたときに聞けばいいし、もし魔理沙に感づかれたりしたら……
「よっ、霊夢。遊びに来たぜ」
既に来てるし……
「魔理沙、悪いけど帰ってもらえる?」
「なんだよー、お茶ぐらい淹れてくれよー。それともなんだ? アイツに淹れる分しかないって言うのか?」
「っ…そ、それは……///」
「別に隠さなくてもいいんだぜ? わかってるから」
「えっ…ちっ、ちょっと待って魔理沙。わかってるって……何が?」
私がそう聞くと魔理沙は呆れたような顔をした。
「お前まさか…気付かれてないと思ってんのか?」
「だから、なんの事よ?」
「霊夢がナナシの事を好きって事」
「………それに気付いてるのは、貴女だけなの?」
「文も知ってるはずだぜ?」
ああ…終わった……記事になるのは時間の問題か……
「まぁ…あとはあいつ次第なんだよな」
確かに魔理沙の言う通りなのかもしれない。
ナナシは何をしているんだろうか?
人里に来たはいいけど…どうするか。
適当に買うのは不味いよなぁ……
「さて…どうするかな」
「あー! ようやく見つけましたよ!」
「ん? ああ、射命丸か。久しぶり」
「お久しぶりです、ナナシさん。お買い物中でしょうか?」
「うん、まぁ…そんなところかな」
「もしかして…霊夢さんになにかプレゼントでも買ってあげるつもりなんですか?」
「ゴフッ!!」
射命丸の突拍子もない台詞に噎せてしまった。
「あやや? 図星だったんですか? 分かりやすい人ですね~」
こいつ…人の反応楽しんでないか?
しかし、ちょうどいいとこに来たな。
「なぁ、射命丸…一つ聞いていいか?」
「はい、何でしょうか?」
「霊夢の好きな物って分かるか?」
「分かりませんね」
断言されてしまった。やっぱり自分で考えるしかないか……
「そっか…悪かったな射命丸。変な事聞いて…」
「…ですが、ナナシさんからのプレゼントなら何でも喜ぶと思いますよ」
「…どういう意味だ、それは?」
「分からない人ですね~…好きな人からのプレゼントに喜ばない女の子はいない、それだけですよ」
「んなっ…///」
「では、後日改めて取材させていただきますね♪」
「おい、ちょっと待て……って、もういないし」
さすが烏天狗と言うべきか? しかし、奴は一つだけ間違えている。
「俺が一方的に好きなだけなんだよ……」
射命丸に茶化されたあとは、とりあえず香霖堂に寄り、帰路についた。
「やっぱ、玉砕覚悟で言ってみるべきか?」
そして、香霖堂から今までずっと一つの事を考えていた。
きっかけは射命丸のあの言葉
『好きな人からのプレゼントに喜ばない女の子はいない、それだけですよ』
まぁ、あの巫女さんが俺の事を好きになるなんて…思い上がりも甚だしいな。
「駄目で元々。やるだけやるか」
そう呟いた所でこの長い階段を遂に上りきった。
「ただいまー」
「ん? ナナシじゃないか。どこ行ってたんだ?」
射命丸の次は魔理沙か……何が起きるんだ?
「買い物に行ってただけだが…。ところで霊夢は?」
「霊夢か? あいつは湯飲み片付けるって中に入っていったぜ」
「そっか……そういや、昼飯は食べたのか?」
「いいや、駄弁ってたから私も霊夢も食べてないぜ」
「じゃあ、食べていくか?」
「すまないが、今日は遠慮しとくぜ」
そう言うと魔理沙は箒に腰をかけ、アリスのところに行かなきゃならないんでな、じゃあまた来るぜ、と俺に告げ飛んでいった。
さて、俺も中で腹を空かせているであろう巫女さんに昼飯を作りますか。
「ただいまー」
「えっ、ナナシ? あれっ、魔理沙は?」
「アリスのところに行かなきゃならないとかで、ついさっき飛んでいったが」
「そ、そう…///」
何かさっきと様子が違うな……
「霊夢、ちょっとじっとしてて…」
「う、うん」
霊夢の髪に、香霖堂で見つけた、花を象った髪留めをつけてあげた。
「やっぱり、よく似合ってる」
「そっ、そうかな…///」
「うん、すごく似合ってる。なぁ霊夢、昼を作る前に少し話してもいいか?」
「なっ…なに?」
「朝の話を蒸し返すようで悪いんだけどさ、俺は此処から離れるつもりはないよ」
「それは、こっちが気に入ったからよね?」
「それもあるけど、一番の理由は…」
「秘密…なんでしょ?」
「霊夢が好きだから」
「えっ?」
「初めて助けてもらった時から、好きだった。気付くのが遅すぎたんだろうけど、霊夢が好きだから、ここに残る」
理由になってないか、と笑いながら霊夢を見ると、耳まで赤く染めて俯いていた。
「えっと……れ、霊夢さん?」
「バカッ…そんなに面と向かって、好きって連呼されると、て…照れるじゃない…///」
「ハハッ、ごめんごめん」
「でも…私もナナシの事好きよ」
「それってどういう――――」
いい終える前に俺の口は霊夢の唇で塞がれた。
「こういう事///」
なんだ…
両思いだったのか…
→あとがき
長い間待たせてすみませんでしたm(_ _)m
ちょっと今回もごちゃごちゃしてますね(笑)
次は上手くいくように精進します!
夢主設定
人間。紫の悪戯で幻想郷に連れてこられた。
霊夢に負けず劣らずお茶が好き。
魔理沙や射命丸と知り合いなだけに、わりと有名。
博麗神社に居候中。