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夢小説設定
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【九尾として…】
「なぁ、そろそろ放してくれないか? 橙」
「や~だ~。ナナシともうちょっと遊ぶ~!」
もうちょっとなら放してほしい…
頬をかきながら腕に引っ付いている橙の頭を撫でる。
ふにゃぁ…と小さく、可愛らしい鳴き声を上げてより腕に掴まってきた。
あぁ、どうしよう…
「橙ー? いないのかー?」
「ふぇ、藍…しゃま?」
どうやら、軽く眠っていたようだ。
「藍、こっちだ」
「どうしたんだ、ナナシって、こんな所にいたのか…」
「おはよーございます…藍しゃま」
「橙、寝起きで悪いんだが、お使いに行ってきてくれないか?」
「ふぁい…いいですよ」
「じゃあ、これ。中にメモが入っているから、お願いね」
「わかりました」
「そういや、紫さんは?」
「紫様なら神社に行ったよ」
「そっか、となると久しぶりだな。藍と二人っきりになるのは」
「ナナシが拾われた時以来だからな」
思い返してみると、ここマヨヒガでの生活ばかりが浮かんでくる。
橙と遊んだり、紫さんを起こしたり、藍と家事をこなしたり、紫さんを起こしたり…
あれっ? 何かいいように使われてないか、俺。
「まぁ、誰かがマヨヒガに迷い込むなんて珍しいからな」
「そうだよな。まあ、向こうじゃ迫害されるだけだし、むしろこっちにいた方が気が楽だ」
「迫害って…何故だ?」
「あぁ、俺は人狼だから人に忌み嫌われてんだよ。街に出るときは耳とか隠してるからいいんだけど…な。静かに暮らしたいだけなのに…なんで外の人間は、俺達を……」
「もういいよ、ナナシ。辛いなら泣いて良いんだから」
藍は泣きそうな声でそう言うと、俺のことを抱き寄せた。
「ら…ん」
いつの間にか、俺の両目からとめどなく涙が溢れていた。
「みっともないとこ見せちゃったな…」
「いいんだ。誰かに話すことで楽になる場合もあるんだから」
「あら? もうおしまい? つまんないの」
そんな声が聞こえたかと思うと、空間に一筋の亀裂が広がり、スキマから一人の女性が顔をだした。
「紫さん?!」
「紫様?!」
「折角なら、チューとかキスとか接吻とかしちゃいなさいよ、藍」
「ゆっ紫様?! 何を言っているんですか!?」
「まさかとは思うが今までのやり取り、見ていたとか言いませんよね?」
けどこの人の事だ。見ていたに違いない。
「当たり前よ、初めっから見ていたわ」
やっぱり…
「それと藍。彼には式としての貴女じゃなく、九尾としての貴女で接してあげなさい。じゃあ私はまた霊夢の所に行くから」
そういうとスキマが閉じていく。もとに戻ったみたいだ。「いきなりこんな事を聞くのは気が進まないが、ナナシは友人とか、家族を好きというのではなくて、一人の女性として私の事をどう思う?」
「…好きだよ。大好き。俺が紫さんに拾われたときから好きだった」
「…ほ、本当か?」
「ここで嘘言ってどうする?」
「私も――――」
「ただいまー。藍さま、お使い終わりましたよー」
藍の台詞は橙の元気な声で聞こえなかった。
「その、また後でで良いか?」
「おう、待ってるよ」
「すまないな…ちぇーん、今行くから待っててくれー」
「わかりましたー」
藍の足音が玄関に向かうのを聞きながら、そっと呟いた。
「待ってるさ、九尾の狐の藍としての返事を…」
俺しかいない部屋の空気に、その言葉は溶けていった。
あとがき→
ども、くりゅでありんす。
今回は、藍しゃま夢でしたが、タイトルを一度変更しました。すみません。
今回は久しぶりに夢主設定を。
さ~て今回の夢主さんは?
種族:人狼(ルーガルー)
男
備考:現代のヨーロッパ付近から来た。灰色の髪に尻尾、ケモノ耳。瞳は黄。
数年前に紫に倒れていた所を保護された。それ以来、家政婦的立場に。
でっていう様
ちょっと不安ですが出来上がりました。
マヨヒガ全員動かすのは難しい…
感想等ありましたら、雑談板にお願いします。
「なぁ、そろそろ放してくれないか? 橙」
「や~だ~。ナナシともうちょっと遊ぶ~!」
もうちょっとなら放してほしい…
頬をかきながら腕に引っ付いている橙の頭を撫でる。
ふにゃぁ…と小さく、可愛らしい鳴き声を上げてより腕に掴まってきた。
あぁ、どうしよう…
「橙ー? いないのかー?」
「ふぇ、藍…しゃま?」
どうやら、軽く眠っていたようだ。
「藍、こっちだ」
「どうしたんだ、ナナシって、こんな所にいたのか…」
「おはよーございます…藍しゃま」
「橙、寝起きで悪いんだが、お使いに行ってきてくれないか?」
「ふぁい…いいですよ」
「じゃあ、これ。中にメモが入っているから、お願いね」
「わかりました」
「そういや、紫さんは?」
「紫様なら神社に行ったよ」
「そっか、となると久しぶりだな。藍と二人っきりになるのは」
「ナナシが拾われた時以来だからな」
思い返してみると、ここマヨヒガでの生活ばかりが浮かんでくる。
橙と遊んだり、紫さんを起こしたり、藍と家事をこなしたり、紫さんを起こしたり…
あれっ? 何かいいように使われてないか、俺。
「まぁ、誰かがマヨヒガに迷い込むなんて珍しいからな」
「そうだよな。まあ、向こうじゃ迫害されるだけだし、むしろこっちにいた方が気が楽だ」
「迫害って…何故だ?」
「あぁ、俺は人狼だから人に忌み嫌われてんだよ。街に出るときは耳とか隠してるからいいんだけど…な。静かに暮らしたいだけなのに…なんで外の人間は、俺達を……」
「もういいよ、ナナシ。辛いなら泣いて良いんだから」
藍は泣きそうな声でそう言うと、俺のことを抱き寄せた。
「ら…ん」
いつの間にか、俺の両目からとめどなく涙が溢れていた。
「みっともないとこ見せちゃったな…」
「いいんだ。誰かに話すことで楽になる場合もあるんだから」
「あら? もうおしまい? つまんないの」
そんな声が聞こえたかと思うと、空間に一筋の亀裂が広がり、スキマから一人の女性が顔をだした。
「紫さん?!」
「紫様?!」
「折角なら、チューとかキスとか接吻とかしちゃいなさいよ、藍」
「ゆっ紫様?! 何を言っているんですか!?」
「まさかとは思うが今までのやり取り、見ていたとか言いませんよね?」
けどこの人の事だ。見ていたに違いない。
「当たり前よ、初めっから見ていたわ」
やっぱり…
「それと藍。彼には式としての貴女じゃなく、九尾としての貴女で接してあげなさい。じゃあ私はまた霊夢の所に行くから」
そういうとスキマが閉じていく。もとに戻ったみたいだ。「いきなりこんな事を聞くのは気が進まないが、ナナシは友人とか、家族を好きというのではなくて、一人の女性として私の事をどう思う?」
「…好きだよ。大好き。俺が紫さんに拾われたときから好きだった」
「…ほ、本当か?」
「ここで嘘言ってどうする?」
「私も――――」
「ただいまー。藍さま、お使い終わりましたよー」
藍の台詞は橙の元気な声で聞こえなかった。
「その、また後でで良いか?」
「おう、待ってるよ」
「すまないな…ちぇーん、今行くから待っててくれー」
「わかりましたー」
藍の足音が玄関に向かうのを聞きながら、そっと呟いた。
「待ってるさ、九尾の狐の藍としての返事を…」
俺しかいない部屋の空気に、その言葉は溶けていった。
あとがき→
ども、くりゅでありんす。
今回は、藍しゃま夢でしたが、タイトルを一度変更しました。すみません。
今回は久しぶりに夢主設定を。
さ~て今回の夢主さんは?
種族:人狼(ルーガルー)
男
備考:現代のヨーロッパ付近から来た。灰色の髪に尻尾、ケモノ耳。瞳は黄。
数年前に紫に倒れていた所を保護された。それ以来、家政婦的立場に。
でっていう様
ちょっと不安ですが出来上がりました。
マヨヒガ全員動かすのは難しい…
感想等ありましたら、雑談板にお願いします。