season event
名前は?
キバナの恋人成人済み
大体のポケモンが大好き
手持ちはキュウコン•シャンデラ•マホイップ•
ユキメノコ•ニンフィア•ナックラー
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ここはどこだろ?
なんだかふわふわ飛んでいる気分。
ん?この感じ‥飛んでいる?
「飛んでいるっていうより‥落ちてる?!」
ふわふわな感じに違和感を感じて目を開けると私はまっすぐ何処かへ落ちている。
周りにはポケモンのぬいぐるみがたくさん。
あ、あれは私が昔から大切にしていたロコンのぬいぐるみ。懐かしいなぁ。
いや、懐かしがっている場合じゃない!
このまま落ちていくとそのうち地面に衝突するよね?
考えるとゾクっとした。このままじゃダメだ!
とりあえず落下を食い止められるように色々考えてみる。
‥考えて考えて‥‥‥まだ地面に着かない。
いや、落下するのをただ待っている訳でもないけど‥ただ長い。長すぎるとゴールはまだ?って思うのが人間ってもので‥。
さて、落ちながら周りを見ることで色々と分かってきた。ここは穴の中を落ちているらしい。なんでここに来たかは分からないけど‥周りには木の根。ポケモンのぬいぐるみ。モンスターボール。ゲーム機。お皿に乗ったお菓子。キバナさんの写真。手紙。私が大好きな物ばかり。
すごい。冷静になると落ちながらでも周りが見えてくるみたい。‥なんだか周りの雰囲気が変わってきた。
フッと下を見ると地面が見えてきた。すると忘れていた恐怖が蘇ってきた。
咄嗟に周りにある木の枝とかを掴もうとするけど、私の力じゃ掴みきれない。手が傷だらけになるけどそんなのに構っていられない。
あ、もうダメ!
そう思って目を閉じる。‥でもいくら待っても衝撃がない。むしろまだ浮いている。
浮いているというよりも誰かに抱えられている。
恐る恐る目を開けるとやっぱり誰かに抱えられていた。その人物は私のよく知る人で。ただ何故かスーツにシルクハットをかぶっている。
「き、キバナさん?!」
「よ!ユイ!やっと落ちてきたな!」
「あんな高さから落ちてきたのに‥キバナさんが受け止めてくれたんですか?」
「ユイをずっとずっと待っていたんだ。」
「ずっと?」
「ッ!怪我してるじゃないか!」
「あ‥さっき落ちる時に色々掴んじゃったから‥」
「じゃあ、俺の家に来い!」
「え、家って‥ジムですか?」
「は?なに言っているんだ?ほら、行くぞ!」
ハットを被ったキバナさんに手を引かれ歩いていくと、不思議な色のカレーがあった。
“私を飲むと‥”
そんな気になるメッセージが書いてある。気になってしまい、つい手に取って食べてしまった。
「あ!そのカレー‥食べたのか?!」
「え?‥あれ?‥キバナさんがどんどん離れてく‥?」
「違う!ユイが大きくなってるんだ!」
「‥私キョダイマックスしてる?!」
「あ〜、まさか食べるなんて思わなかったから‥。」
「キバナさぁん。私このまま過ごすんですか?」
「‥残念ながら。」
残念そうなキバナさんの顔を見て途端に不安になった。
そりゃあ、そこらへんにあった物を食べた私が悪かったけど‥。確かにもう少し身長高くなりたいとか思っていたけど‥こんなキョダイマックス並みの大きさじゃキバナさんとお付き合いできない。着れる洋服もない。
悲しみから目から涙が出てきて、それはキバナさんの上に落ちた。
「うお!泣くな、泣くな!悪いさっきのは嘘だ!これを飲めば小さくなれるぞ!」
「これ‥きのみですか?」
「ああ!まあ食べてみろって!」
キバナさんから差し出されたきのみを食べると、私はどんどん小さくなって‥小さくなって、小さくなって‥。
「‥さすがに小さすぎませんか?」
「このサイズのユイも可愛いな!さっきのキョダイマックスも良かったけどな!」
「今の私アブリーくらいの大きさなんですけど‥?」
「移動しやすくなっただろ?さっきみたいにそこら辺のもの食べれなくなったしな!」
「うっ‥。あのカレー美味しそうだったから‥。所で、私洋服がないんですが‥。さすがに裸は‥。」
「任せなって!元々着ていた服の一部を工夫して‥ほら!サイズピッタリだろ?」
「‥本当だ。しかも可愛い。」
「さて、小さい小さいお嬢さん?どこにご乗車しますか?ハットの上、胸ポケット、肩の上。今の貴方ならどこでもOKです。」
「‥肩の上に乗ります。」
「はい、どうぞ。家に着いたら元の大きさに戻ろうな!」
「はい‥。ところで此処は何処なんですか?」
「ここはガラル鉱山だ。」
「え?‥こんな場所ありましたっけ?」
「おいおい、大丈夫か?落ちた時にどこか打ったか?」
色々疑問に思いながらキバナさんの肩に乗り歩いていく事数分。やっと外に出ると森が広がっていた。‥ガラル鉱山の周りにこんな所あったかな‥?
どんどん進むキバナさんを見上げると‥。
あれ、かっこいい‥。スーツなんて普段着ないし、シルクハットなんて被ってるところ見たことない。‥普段見たことない姿にドキドキする。つい首にピトッとくっつくとキバナさんがビクついたのが分かった。
あ、くすぐったかったかな?
「すまね。少し揺れてたよな。掴まる場所あったか?」
「ごめんなさい。掴まるところは襟に捕まっているので大丈夫です。ただ‥いつもと違う洋服だったのでドキドキしちゃって‥。」
「ッ!あー、そんなに煽るなよ!森といえど一応外だから俺様だって我慢してるんだからな!」
「‥キスくらいなら‥。」
「マジか‥。」
キバナさんが掌を肩に近づけた。
多分乗れって事だよね?
掌に乗ると私が落ちないようにそっと動かしてキバナさんの顔の前にきた。
目を閉じてキバナさんを待つ。
‥なんかバサバサ音がする‥?
お腹をガシッと掴まれた感覚を感じるとまた浮遊感。
目を開けると私は空を飛んでいた。
「え?‥えー?!キバナさーん!」
「え?!ユイーー!」
キバナさんとどんどん離れてついにはどこかの巣にたどり着いた私。
私を掴んでいたポケモンは自分の前に私を下ろす。
このポケモンは‥ムクホーク?!
が、ガラルにはいないはずじゃ?!
「ムクホーク?!本物?!わぁ、すごい!初めて見た。少し羽を触らせてください。‥すごいふかふか!私の手持ちに鳥ポケモンいないから新鮮。君、毛並みがいいね!」
興奮してムクホークをペタペタ触る私にムクホークは少し引き気味。
そんなのお構いなしに触っているとキバナさんの声が聞こえてきた。
「キバナさん?」
「ユイ!‥ってなにやってるんだ?」
「キバナさん!ムクホークですよ!ガラルにいないポケモン!」
「だからってそんなベタベタ触ってると‥あぁ、ムクホークの顔が複雑そう‥。」
「わっ!」
ついにシビレを切らしたムクホークは私を掴むとポイっとキバナさんに向かって投げた。
そしてどこかへ飛び立った。
「ああ!‥ムクホーク‥。是非私のお友達になって欲しかったです‥。」
「多分ムクホークは願い下げだろうな。さて、道草を食ったけど、そろそろ家に着くぞ!ほら肩に乗りな。」
残念に思いながらキバナさんの肩に乗り、進んでいくと着いたのは可愛らしいお家。
ここがキバナさんの言う家なんだろうか?
ナックルジムとは全く違う家。でも私の好みですごく可愛い。
「ここがキバナさんの家‥ですか?」
「あぁ、ユイの好みな家だろ?」
「はい、すっごく。」
「さて、そろそろアブリーのユイじゃなくて、ちゃんと人間の大きさのユイになってくれないとな!」
「‥これは?」
「元の大きさに戻れるケーキだ!俺様特製だ!さあ食べな!」
見るからに美味しそうなそのケーキを一口食べると私はみるみる大きくなって、元の大きさに戻った。
「戻ったけど‥ふ、服が‥。」
「ほら!こんな事もあろうかと用意しておいたぜ!」
「わぁ、可愛い。淡い青のワンピースですね。髪飾りのリボンも可愛い。」
「これも俺様特製!」
「キバナさん、こんなに器用でしたっけ?」
「まぁ、俺様だからな!さてと‥元の大きさに戻ったし、手の傷の処置も終わった所で!ユイに渡したいものがあるんだ。」
「渡したいもの?」
「あぁ、ユイこの世界は不思議に溢れてるだろ?元の世界より楽しい事が多いだろ?こっちに俺様と一緒に暮らそうぜ?」
「変な言い回しをしますね?‥確かにこの世界は不思議な事が多かったですけど‥私はやっぱり前の世界の方が好きです。スーツ姿のキバナさんも素敵だけど、やっぱりいつものパーカーにヘアバンドのキバナさんの方がキバナさんらしくて好きです。」
「そうか‥。じゃあこれだけ受け取ってくれるか?」
「え?これって‥。」
茄子の指輪‥
「‥っ!おーい!ユイ!そろそろ起きる時間だぞ!」
「え?キバナさん?」
「おはよ!ユイが寝坊なんて余程良い初夢でも見たのか?」
「いつものパーカー。」
「ん?これ寝る前に読んだのか?‥初夢には1ガラル鉱山。2ムクホーク。3茄子。をみると良い?なるほどな。んで、ムクホークって何か調べるために本の図鑑を出してきて‥眠るために童話を読んだのか?」
「ガラル鉱山。ムクホーク。茄子。」
「手、怪我したのか?青いリボン巻きつけてるけど‥手当てする前に寝たのか?」
「夢‥?」
「ん?良い初夢見れたか?」
「とっても不思議な夢を見ました。」
「ん?」
「やっぱりキバナさんはいつものパーカーにヘアバンドが一番カッコいいです。」
「ん?!‥ありがとな!」
「不思議な夢だけど‥ただの夢で良かったです。」
「ん?どんな夢を見たんだ?」
「お雑煮を食べながらお話します。少し長くなりますけど。」
そう言って部屋の扉を閉めた。
「ただの夢じゃないかもな。」
そんな声が鏡から聞こえたのは私は知らない。