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大空と正義の味方

――――世界が崩壊する。
――――ボンコレリングは泣いていた。正当な所有者から引きはがされたことで。
――――――――ボンコレリングに残っている歴代ボス達は自分たちの正当な後継者が消えてしまったっことを嘆く。
『…ッ、、デーチモ…!!』
――――――――私はただ守りたかったのだ。
自分の仲間や故郷の人々を理不尽なモノからまもりたかったのだ。
それだけ――――だったのに。
『俺は…子孫のこんな結末のためにボンコレを作ったわけではなかった――――!』

確かにボスである以上、穏やかな最期を迎えられた歴代ボスは少ない。
歴代ボス達は初代の慟哭を聞いた。
それでもこれは――――あんまりじゃないか。
――――少しずつ自分の目指したものとは変わっていくボンコレを見てきた。
でも――――決して仲間を蔑ろにすることはなかった。
少なくとも――――ボンコレが最も重視していた仲間との信頼関係が――――
特に守護者とボスは堅い絆で結びあっていたハズだった。
『せめてもの抵抗だ。ボンコレリングを――――壊す。
 
 世界の崩壊が早いか遅いかの違いしかない――――が、これ以上ここに留まる理由もない。
 ――――私の愛したボンコレはもうなくなっていたのだ。もっと早くこうするべきだった。』
デーチモからボンコレリングが奪われたときにそうするべきだった。
けれどデーチモはまだ信じていた――――また笑いあえる日が来るハズだと。
だから待った。なのに――――、
【――――プリーモ、提案があります。】
『8世――――?』
【ボンコレリングの縦の時空軸の奇跡は使えませんか――――?
 その力を使ってデーチモを救えないでしょうか。】
ハッとした顔を初代がする。
縦の時空軸を司るボンコレリングなら恐らく――――もう一度デーチモに生を授けることができるのではないか。
いや、正確には逆行でありやり直しである。
――――成功するかどうかは分からない。けれど何もしないよりましなハズだ。
――――――――歴代ボス達は知らなかった。
デーチモは最期に”もう、二度と目覚めたくない”と願っていたことを。
ボンコレリングに縛られているため、デーチモと引きはがされてしまい、
正確に意思をくみ取ることができなかったからである。
『――――みな、協力してくれるか』
頷く。
その瞬間から歴代ボス達の死ぬ気の炎がまばゆいばかりに輝く――――!
『――――今度こそ幸せになってくれ』
ボンコレのボスになどならなくてよいから。
祈った。
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