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大空と正義の味方

英霊エミヤの魂の開放を見届けた。
きっとアイツは真実を言えば意地でも座に残ろうとしただろうから、
アラヤに『もう、生前の願いの対価は支払った』ということにしてもらった。
今度こそ――――平凡でささやかでいい、幸せになって天寿を全うしてほしいと思う。


『――では早速働いてもらう』
『おまえには――ある世界に転生してもらう』
『そこで――――――ある人物を必ず守り抜け』
「…意外だな、人を殺せという命令じゃないのか?」
少々皮肉交じりに問う。
しかし、アラヤの抑止力の守護者は大抵が人殺しによる後始末だと思っていたので意外だった。
アラヤの守護者になった以上、人助けはできないだろうとあきらめていたから――。
『無駄口を叩くな、おまえは――私の言うとおりに仕事をこなせばよい』
「…で、その必ず守り抜かなければならない人物っていうのは誰なんだ。」
『――その前に言っておくことがいくつかある。
――――まず、第1にその世界ではガイアの影響力が小さく、

代わりにトゥリニセッテという世界を支える柱が存在している。
おまえの護衛対象はそのトゥリニセッテの一角――――
縦の時空軸を司る大空だ。』

「縦の時空軸…過去と現在と未来を司どるということか?」

そして、なぜアラヤがこんなことをいうのか推察する。

「…つまり、一度その大空が死んで世界を支えられなくなった平行世界があるのか……?」

『さすがに察しがいいな。その通りだ。
そして、この世界には魔術は存在するが
――――もはや衰退し、お前がいた世界とは比べ物にならん。

だが中には力のある魔術師が、神秘の秘匿など考えずに行使することがある』

「…もう神秘を秘匿することを表向きにでも守る力がないのか。」

『そういうことだ。この大空が死亡した原因も魔術師によるものといっていいい。

――――だから、トゥリニセッテを作った人物からアラヤに協力を要請してきたのだ。
――――――――大空を救ってくれ、とな』
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