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大空と正義の味方

「――ハッ、――ッ」
荒い息遣いが聞こえる。
とある紛争地帯にその青年は居た。
赤銅色の少しくすんでしまっている髪に琥珀色の瞳をしており、
黒いコートにズボンと赤い布を首に巻いていた。
――そして
「――ッ、ガハッ、」
――――その服は真っ赤に染まっていた。
青年自身も自分の体が冷えていくのを感じていた。
誰が見ても、もう助からない。
青年はいわゆる魔術と呼ばれるモノを使える。
しかし、もう応急処置をできる程度のの力さえ、失われていた。
走馬灯があるのだと知った。
思い出が流れ込んでくる。
――――遠坂、桜、藤ねえ――みんな――ごめん
――俺は先にいくみたいだ
――やり残したことは――――ある
――あいつを救えなかった――――
――切嗣、俺は…

――――――――正義の味方になれたのかな…
そこで青年の意識は途絶えた。

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