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「そういえば、ナナシって偽名だったりする?」
同じメカニック科のニカとはよく勉強会、とはほぼ名目で魔力供給のため毎日のようにニカと共にいる
ニカが分からなかったことを教えたりもしてるからやはり勉強会であっていると思う
そんな中ふと疑問に思ったのかそんな事を聞いてきた
魔術に関しての文献に何が書いてあるかわからないけど、聖杯戦争のことも書かれてるのだろう、普通サーヴァントは簡単に真名は明かさない、弱点になりうるからである
「名前は、うん、真名ですけど、セカンドネームは偽名ですよ」
と、少し苦笑いをしながら答える
何かを察したのか少し申し訳なさそうな表情をするニカ
「もしかして聞いちゃいけないことだった?」
「いえ、そういうわけではないのですけど、決める時にかなりもめまして」
ほんとあの時は酷かった
金の名を入れたいと言い出しゴージャスにしろと言い出した時は全力で止めた
なら宙に関するのだから金星の名にしようイナンナとかイシュタルとかは?と行った時に大音量で「たわけっっ!!!!!!!」と壁をぶち抜く声量で拒否られるし、全部却下されるしで、最終的に決まったのがフォスフォロス
「金星の名で女性名をつけるくらいなら男性名をつけろって大変だったんですよね...すいません面白くなかったですよね?」
「ううん、そんな事ないよ、ナナシの事知れるから私は楽しいよ」
そう言ってにこにこ笑うニカを見て少しほっとしたナナシ
この関係もお互い利害の一致というか、ほぼ脅しにちかかったから、自分と一緒にいるのは心中穏やかではないだろうと
そんな事を考えていたからニカの行動に反応が遅れてしまった
ニカの手がかぶっていたフードの中に入って何かをしようとしていたらしい、思うようにならなくて「えっ?」と口からもれて目を丸くしていた
あれそういえば
「ニカが飴舐めてるの珍しいですね」
「え、あ、チュチュから貰って、そのたまにはいいかなぁ〜って、おも、って」
ナナシは何を思ったのかニコッと笑い、ニカの口の中にある棒付きの飴の棒をもち、それを取り出して自分の口に放り込んだ
「今日はもうお開きにしましょう。それではまた」
「う、うん、また」
そのまま去っていったナナシの後ろ姿を放心したまま見ていた
今のは一体何が起こったのか、そういえば魔力供給は魔術師の体液での摂取の方が効率が良いって文献に書いてあったなと
「そうじゃなきゃあんな事しないよね、うん」
「おたくら、今日なんか距離ありません?」
メカニック科の教室でいつも通りナナシとニカは席に座っている、のだが、二人の間には少し間があった
人1人座れるかな?ってくらいの間が
「え、そうですか?いつも通りですよ」
「いやいやいや、おたくらいつも距離感バグってんでしょ?」
「あはは...そんなこと、ないよ...?」
「いやなんで疑問形なんすかねぇ」
「ナナシ・フォスフォロス、少し来なさい」
「はい。すいませんちょっといってきます」
先生に呼ばれナナシは席をたち向かった
その様子を少しぼんやりと眺めていたニカを見たロビンは、イタズラでも思いついたようにニヤリと笑い
「そういやニカ、ナナシのやつ夜になるとどっか行ってるっぽいんだよねぇ。なにかしらねーか?」
「え?私は夜なら地球寮にいるからしらないかな」
「そっか、ま、もし見かけたら言っといてくれ、"夜遊び"もたいがいにしろよって」
"夜遊び"と聞いてニカは驚いたように目を丸くした
正直いってそんなことするような人には見えないと思ってたし、いやでもナナシはいろんな人といつもいるからしてないともいいきれない
ロビンの言うことだしな、平気で嘘つく時もあるし
「あぁ、あと、あいつ意外と奥手だから頑張りな」
なんて考えていたらとんでもないことを言われまたも目を丸くして言葉が出なかった
そんなニカの様子を見て満足したのかロビンはニヤニヤとわらっていた
その日の夜グラスレー寮
ナナシはグラスレー寮に身を置いている
本人は睡眠など必要ないサーヴァントの身だから住む場所も必要ないと思っていたが、学園に入るといろいろと面倒なことがおきるわけで、このグラスレー寮入居もそのいろいろのうちの一つだったりする
グラスレー寮のとある部屋の前で立っている生徒がいた
「ロビンにあんな事言われたから、つい来ちゃった...」
ニカである。彼女はロビンに言われたことが気になってしまい、自らナナシの部屋の前まで来てしまったのだ
生徒たちが寝静まった夜に、誰にも見つからないよう
部屋のドアを開けようと手を伸ばしてふと思う
(あれ、そういえば部屋のドアってオートロック───)
ドアが開く音がしてニカは身体をこわばらせた
鍵はかかっていないらしくすんなり開いてしまったので、ニカは足音をたてないように部屋に入った
何も無い殺風景な部屋だった。授業で必要な工具や制服にカバン、あと何故か大量に置いてある棒付きの飴
それ以外は何も無かった
寝室にたどり着いてベッドを見ると人1人分の膨らみがあった
(うん、いるみたい)
ニカは確認してホッとし、ベッドをじっと見てある好奇心が芽生えてしまった
ナナシの寝顔が見たい
ちょっとだけだから、と言い聞かせベッドに近づいた
「いけない子ですね」
「え───」
急に腕を掴まれ気がついた時にはベッドに押し倒されていた
いまいち何が起きたのか理解出来てないのか、ニカは目を丸くしながらかたまっていた
「ん?あれ、ニカ?なんでここに」
「え、えっとー...よ、様子見、かな?」
ロビンにそそのかされたなんてとも言えないし、寝顔見たかったとも言えずに目を泳がせていた
ナナシはその様子をみて、あぁなるほど、とニコッといつもとはどこか違う、獲物を狙うように笑った
「夜這いってやつですか」
「よっ!?夜這いだなんてっ」
「あぁ、あれですね、据え膳食わぬはなんとやらってやつですね」
あ、これはもしかしてやばいやつでは?ニカは身体から冷や汗が伝うのを感じて身体を強ばらせる
何が奥手なのか、ロビンの言うことを真に受けるんじゃなかったと少し後悔していた
逃げようにも力では絶対に勝てないのはわかりきっていた
ナナシの顔が徐々に近づいてきてギュッと目を瞑った
「ナナシっ!!!!!!助けてっ!!!!!」
部屋の外からけたたましく足音が聞こえてきたと思ったら突然大声で部屋に入ってナナシを呼ぶ声
「立香」
「はっ!!!??ご、ごめんっ!!!!!!!」
立香は今の状況を目撃し、顔を真っ赤にしながら部屋の外へ出ていった
その様子がおかしくてナナシはつい吹き出し、ニカの上からどいてベッドを降りた
部屋のドアを開けると立香は顔を覆いながらしゃがんでいた
「立香、ナイスタイミングできてくれました」
「ほ、ほんとに?私邪魔してない??今から何かしようとしてなかった?」
「えぇ、大丈夫ですよ、それにロビンも部屋にいましたからね」
「なーんだ、バレてたか」
そう言ってニカの目の前にロビンフッドが急に姿を現しニカは驚愕した
まさか自分たち以外に人がいたなんて思わないし、しかも何もないとこから現れたわけだ
「なにがバレてたか、ですか。顔のない王を使って隠れてたんですからバレバレですよ」
「ははっ、まいったねこりゃ」
「それで、どうしたんですか」
ナナシは立香の元へ行き詳細を聞いてる間にニカは落ち着きを取り戻していた
一度に多くのことがあったわけで、まだ混乱はしていた
「いやー、ニカ姉がノってくれるなんてねぇ」
「あんな言い方されたら気になるでしょ?」
「まぁこちらとしては好都合ですがね」
すぅっとロビンの表情が変わる。獲物を狙う狩人のような目を向けられニカは恐怖を覚えた
「あんたがスパイだってのはとっくにわかってんだ」
ロビンは腕を前に出し何かをするような体制になっていた
その腕にはボウガンのようなものがついていて、今にも撃ちそうな雰囲気をだしていた
「わ、わたしは」
「まぁあんたがスパイだろうがなんだろうが正直どうでもいいが、うちの立香やナナシに手を出すって言うんなら」
「ニカ姉怖がってるじゃん、やめなよ」
「へいへい、わかりましたよっ」
いつの間にかいた刑部姫に止められロビンはボウガンをしまい立香たちの所へむかった
「ごめんねニカ姉、でもね、さっきロビンが言ったことは本気だからね」
そう言って刑部姫も立香たちの元へいった
「うわーーーもーーー!!!寝坊したよぉおお!!!」
今日は追試の日、立香は試験当日も寝坊して落ちていて、今度こそは寝坊しないで試験に受かるんだ!!って意気込んでいたのに寝坊した
「間に合わないっ!!」
「ボクが背負って会場まで連れていきますよ」
「ほんと!!??ありがとう!!!」
立香は両手を広げ、ナナシは立香を抱き抱える
お姫様抱っこと言うやつである。この方が運びやすいしお互いこれが当たり前と思ってやっている
「まーちゃんレーションあるよ!」
「ありがとうおっきーー」
「ボクたちは先に行ってますね」
「はいよー、俺達もさっさと準備していくんで」
「いきます」
ナナシは立香をしっかり抱え、走り出す
サーヴァントの身体能力は人とは違う、場所が30分以上かかるとこでもものの数分で到着してしまう
「リツカ・フジマルはまだ来ていないのか?」
「ただいま到着しました!!!!」
強風でも吹いたのか、てくらいの風とともにナナシとお姫様抱っこされた立香が急に現れ一同は驚愕していた
ナナシは立香を降ろし、腰につけていたポシェットからクシを取り出し立香の髪をとかした
「あれ、あの人」
「おい立香!!なんでスペーシアンなんかと一緒にいんだよ!!!」
「あ、チュチュ!なんでって、言われても?」
立香は頭にはてなを浮かべながら首を傾げる
それにもイライラしたのか今にも殴りかかりそうな勢いでナナシに詰め寄った
「おいてめぇ、立香になんかしてんじゃねーだろな??」
「何もしてませんて」
「ちょっとまってって! ナナシは私専属のメカニックなんだから一緒に居てもおかしくないでしょ?」
立香のその言葉に一同は驚愕した
スペーシアンとアーシアンが組んでるっていうのは異例だし、何より差別がひどいここではありえないからだ
そしてなによりも
「みんななんでそんなに驚いてるの?」
「ナナシって特定の誰かには肩入れしないって有名だからかな」
「そうなんだ?」
「そうなんですか?」
ナナシはニコニコ笑いながらニカの方を見る
ニカは少し気まずそうな表情を浮かべながらナナシから視線を外す
「あ"ぁ"?てめぇニカ姉になんかしたのか?ぶっ殺すぞ??」
「ちょ、チュチュ、やめなってなにもないから」
「無駄話をしてないで早く位置につきなさい」
「は、はいっ」
「スレッタ頑張ってね!」
「が、がんばる、ます!」
立香はスレッタに手を振ってエールをおくっていた
その後ろからミオリネがついていき、ナナシの前で止まりじっと見ていた
どうかしたのかと声をかけようと思ったら急に制服をまくり上げられた
「みっ!?ミミミミミオリネさんっ!!!???なななにしてるんですか!!?」
「なんでおたくがそんなあわててんの」
いつの間にか到着していたのかロビンと刑部姫が立香の近くにいた
当の制服をまくり上げられた本人はミオリネに上げててと言われ抵抗することなく自分の制服を上げていた
ミオリネはペタペタとお腹を一通り触り、ない、と呟いた
「えっと、満足しました?」
「......うっすいお腹」
「...君には言われたくないですね」
そうさらっと言い放つナナシの言葉にミオリネはぴくりと反応する
スレッタはおろおろしてるし、ニカたちは驚いた表情をして見ていた
ミオリネはヒールでおもいっきりナナシの足を踏みつけ、ふんっ、と鼻を鳴らして歩き出した
スレッタは「すいませんすいません」ってぺこぺこしながらミオリネの後をおった
「ナナシ足大丈夫?」
「サーヴァントですから大丈夫ですよ」
そうニコッとっ笑いながら言うナナシの表情は、どこか寂しそうだった
同じメカニック科のニカとはよく勉強会、とはほぼ名目で魔力供給のため毎日のようにニカと共にいる
ニカが分からなかったことを教えたりもしてるからやはり勉強会であっていると思う
そんな中ふと疑問に思ったのかそんな事を聞いてきた
魔術に関しての文献に何が書いてあるかわからないけど、聖杯戦争のことも書かれてるのだろう、普通サーヴァントは簡単に真名は明かさない、弱点になりうるからである
「名前は、うん、真名ですけど、セカンドネームは偽名ですよ」
と、少し苦笑いをしながら答える
何かを察したのか少し申し訳なさそうな表情をするニカ
「もしかして聞いちゃいけないことだった?」
「いえ、そういうわけではないのですけど、決める時にかなりもめまして」
ほんとあの時は酷かった
金の名を入れたいと言い出しゴージャスにしろと言い出した時は全力で止めた
なら宙に関するのだから金星の名にしようイナンナとかイシュタルとかは?と行った時に大音量で「たわけっっ!!!!!!!」と壁をぶち抜く声量で拒否られるし、全部却下されるしで、最終的に決まったのがフォスフォロス
「金星の名で女性名をつけるくらいなら男性名をつけろって大変だったんですよね...すいません面白くなかったですよね?」
「ううん、そんな事ないよ、ナナシの事知れるから私は楽しいよ」
そう言ってにこにこ笑うニカを見て少しほっとしたナナシ
この関係もお互い利害の一致というか、ほぼ脅しにちかかったから、自分と一緒にいるのは心中穏やかではないだろうと
そんな事を考えていたからニカの行動に反応が遅れてしまった
ニカの手がかぶっていたフードの中に入って何かをしようとしていたらしい、思うようにならなくて「えっ?」と口からもれて目を丸くしていた
あれそういえば
「ニカが飴舐めてるの珍しいですね」
「え、あ、チュチュから貰って、そのたまにはいいかなぁ〜って、おも、って」
ナナシは何を思ったのかニコッと笑い、ニカの口の中にある棒付きの飴の棒をもち、それを取り出して自分の口に放り込んだ
「今日はもうお開きにしましょう。それではまた」
「う、うん、また」
そのまま去っていったナナシの後ろ姿を放心したまま見ていた
今のは一体何が起こったのか、そういえば魔力供給は魔術師の体液での摂取の方が効率が良いって文献に書いてあったなと
「そうじゃなきゃあんな事しないよね、うん」
「おたくら、今日なんか距離ありません?」
メカニック科の教室でいつも通りナナシとニカは席に座っている、のだが、二人の間には少し間があった
人1人座れるかな?ってくらいの間が
「え、そうですか?いつも通りですよ」
「いやいやいや、おたくらいつも距離感バグってんでしょ?」
「あはは...そんなこと、ないよ...?」
「いやなんで疑問形なんすかねぇ」
「ナナシ・フォスフォロス、少し来なさい」
「はい。すいませんちょっといってきます」
先生に呼ばれナナシは席をたち向かった
その様子を少しぼんやりと眺めていたニカを見たロビンは、イタズラでも思いついたようにニヤリと笑い
「そういやニカ、ナナシのやつ夜になるとどっか行ってるっぽいんだよねぇ。なにかしらねーか?」
「え?私は夜なら地球寮にいるからしらないかな」
「そっか、ま、もし見かけたら言っといてくれ、"夜遊び"もたいがいにしろよって」
"夜遊び"と聞いてニカは驚いたように目を丸くした
正直いってそんなことするような人には見えないと思ってたし、いやでもナナシはいろんな人といつもいるからしてないともいいきれない
ロビンの言うことだしな、平気で嘘つく時もあるし
「あぁ、あと、あいつ意外と奥手だから頑張りな」
なんて考えていたらとんでもないことを言われまたも目を丸くして言葉が出なかった
そんなニカの様子を見て満足したのかロビンはニヤニヤとわらっていた
その日の夜グラスレー寮
ナナシはグラスレー寮に身を置いている
本人は睡眠など必要ないサーヴァントの身だから住む場所も必要ないと思っていたが、学園に入るといろいろと面倒なことがおきるわけで、このグラスレー寮入居もそのいろいろのうちの一つだったりする
グラスレー寮のとある部屋の前で立っている生徒がいた
「ロビンにあんな事言われたから、つい来ちゃった...」
ニカである。彼女はロビンに言われたことが気になってしまい、自らナナシの部屋の前まで来てしまったのだ
生徒たちが寝静まった夜に、誰にも見つからないよう
部屋のドアを開けようと手を伸ばしてふと思う
(あれ、そういえば部屋のドアってオートロック───)
ドアが開く音がしてニカは身体をこわばらせた
鍵はかかっていないらしくすんなり開いてしまったので、ニカは足音をたてないように部屋に入った
何も無い殺風景な部屋だった。授業で必要な工具や制服にカバン、あと何故か大量に置いてある棒付きの飴
それ以外は何も無かった
寝室にたどり着いてベッドを見ると人1人分の膨らみがあった
(うん、いるみたい)
ニカは確認してホッとし、ベッドをじっと見てある好奇心が芽生えてしまった
ナナシの寝顔が見たい
ちょっとだけだから、と言い聞かせベッドに近づいた
「いけない子ですね」
「え───」
急に腕を掴まれ気がついた時にはベッドに押し倒されていた
いまいち何が起きたのか理解出来てないのか、ニカは目を丸くしながらかたまっていた
「ん?あれ、ニカ?なんでここに」
「え、えっとー...よ、様子見、かな?」
ロビンにそそのかされたなんてとも言えないし、寝顔見たかったとも言えずに目を泳がせていた
ナナシはその様子をみて、あぁなるほど、とニコッといつもとはどこか違う、獲物を狙うように笑った
「夜這いってやつですか」
「よっ!?夜這いだなんてっ」
「あぁ、あれですね、据え膳食わぬはなんとやらってやつですね」
あ、これはもしかしてやばいやつでは?ニカは身体から冷や汗が伝うのを感じて身体を強ばらせる
何が奥手なのか、ロビンの言うことを真に受けるんじゃなかったと少し後悔していた
逃げようにも力では絶対に勝てないのはわかりきっていた
ナナシの顔が徐々に近づいてきてギュッと目を瞑った
「ナナシっ!!!!!!助けてっ!!!!!」
部屋の外からけたたましく足音が聞こえてきたと思ったら突然大声で部屋に入ってナナシを呼ぶ声
「立香」
「はっ!!!??ご、ごめんっ!!!!!!!」
立香は今の状況を目撃し、顔を真っ赤にしながら部屋の外へ出ていった
その様子がおかしくてナナシはつい吹き出し、ニカの上からどいてベッドを降りた
部屋のドアを開けると立香は顔を覆いながらしゃがんでいた
「立香、ナイスタイミングできてくれました」
「ほ、ほんとに?私邪魔してない??今から何かしようとしてなかった?」
「えぇ、大丈夫ですよ、それにロビンも部屋にいましたからね」
「なーんだ、バレてたか」
そう言ってニカの目の前にロビンフッドが急に姿を現しニカは驚愕した
まさか自分たち以外に人がいたなんて思わないし、しかも何もないとこから現れたわけだ
「なにがバレてたか、ですか。顔のない王を使って隠れてたんですからバレバレですよ」
「ははっ、まいったねこりゃ」
「それで、どうしたんですか」
ナナシは立香の元へ行き詳細を聞いてる間にニカは落ち着きを取り戻していた
一度に多くのことがあったわけで、まだ混乱はしていた
「いやー、ニカ姉がノってくれるなんてねぇ」
「あんな言い方されたら気になるでしょ?」
「まぁこちらとしては好都合ですがね」
すぅっとロビンの表情が変わる。獲物を狙う狩人のような目を向けられニカは恐怖を覚えた
「あんたがスパイだってのはとっくにわかってんだ」
ロビンは腕を前に出し何かをするような体制になっていた
その腕にはボウガンのようなものがついていて、今にも撃ちそうな雰囲気をだしていた
「わ、わたしは」
「まぁあんたがスパイだろうがなんだろうが正直どうでもいいが、うちの立香やナナシに手を出すって言うんなら」
「ニカ姉怖がってるじゃん、やめなよ」
「へいへい、わかりましたよっ」
いつの間にかいた刑部姫に止められロビンはボウガンをしまい立香たちの所へむかった
「ごめんねニカ姉、でもね、さっきロビンが言ったことは本気だからね」
そう言って刑部姫も立香たちの元へいった
「うわーーーもーーー!!!寝坊したよぉおお!!!」
今日は追試の日、立香は試験当日も寝坊して落ちていて、今度こそは寝坊しないで試験に受かるんだ!!って意気込んでいたのに寝坊した
「間に合わないっ!!」
「ボクが背負って会場まで連れていきますよ」
「ほんと!!??ありがとう!!!」
立香は両手を広げ、ナナシは立香を抱き抱える
お姫様抱っこと言うやつである。この方が運びやすいしお互いこれが当たり前と思ってやっている
「まーちゃんレーションあるよ!」
「ありがとうおっきーー」
「ボクたちは先に行ってますね」
「はいよー、俺達もさっさと準備していくんで」
「いきます」
ナナシは立香をしっかり抱え、走り出す
サーヴァントの身体能力は人とは違う、場所が30分以上かかるとこでもものの数分で到着してしまう
「リツカ・フジマルはまだ来ていないのか?」
「ただいま到着しました!!!!」
強風でも吹いたのか、てくらいの風とともにナナシとお姫様抱っこされた立香が急に現れ一同は驚愕していた
ナナシは立香を降ろし、腰につけていたポシェットからクシを取り出し立香の髪をとかした
「あれ、あの人」
「おい立香!!なんでスペーシアンなんかと一緒にいんだよ!!!」
「あ、チュチュ!なんでって、言われても?」
立香は頭にはてなを浮かべながら首を傾げる
それにもイライラしたのか今にも殴りかかりそうな勢いでナナシに詰め寄った
「おいてめぇ、立香になんかしてんじゃねーだろな??」
「何もしてませんて」
「ちょっとまってって! ナナシは私専属のメカニックなんだから一緒に居てもおかしくないでしょ?」
立香のその言葉に一同は驚愕した
スペーシアンとアーシアンが組んでるっていうのは異例だし、何より差別がひどいここではありえないからだ
そしてなによりも
「みんななんでそんなに驚いてるの?」
「ナナシって特定の誰かには肩入れしないって有名だからかな」
「そうなんだ?」
「そうなんですか?」
ナナシはニコニコ笑いながらニカの方を見る
ニカは少し気まずそうな表情を浮かべながらナナシから視線を外す
「あ"ぁ"?てめぇニカ姉になんかしたのか?ぶっ殺すぞ??」
「ちょ、チュチュ、やめなってなにもないから」
「無駄話をしてないで早く位置につきなさい」
「は、はいっ」
「スレッタ頑張ってね!」
「が、がんばる、ます!」
立香はスレッタに手を振ってエールをおくっていた
その後ろからミオリネがついていき、ナナシの前で止まりじっと見ていた
どうかしたのかと声をかけようと思ったら急に制服をまくり上げられた
「みっ!?ミミミミミオリネさんっ!!!???なななにしてるんですか!!?」
「なんでおたくがそんなあわててんの」
いつの間にか到着していたのかロビンと刑部姫が立香の近くにいた
当の制服をまくり上げられた本人はミオリネに上げててと言われ抵抗することなく自分の制服を上げていた
ミオリネはペタペタとお腹を一通り触り、ない、と呟いた
「えっと、満足しました?」
「......うっすいお腹」
「...君には言われたくないですね」
そうさらっと言い放つナナシの言葉にミオリネはぴくりと反応する
スレッタはおろおろしてるし、ニカたちは驚いた表情をして見ていた
ミオリネはヒールでおもいっきりナナシの足を踏みつけ、ふんっ、と鼻を鳴らして歩き出した
スレッタは「すいませんすいません」ってぺこぺこしながらミオリネの後をおった
「ナナシ足大丈夫?」
「サーヴァントですから大丈夫ですよ」
そうニコッとっ笑いながら言うナナシの表情は、どこか寂しそうだった
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