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アスティカシア高等専門学園に来てから長くは無いが短くもない。慣れたと言ってはなれたが、人工的に作られた空間というのはやっぱり少し慣れない
時間が経てば朝になるし夜にもなる、なかなかに面白いとは思うけれど、気象の変化っていうのがちょっと恋しくなってしまうのは仕方がない
ナナシは木に囲まれているベンチに座り、棒付きの飴を舐めながらタブレットを操作していた
パイロット科の成績トップであるナナシは、あるモビルスーツの構成を眺めていた
もし、自分たちの未来があるのならば、こんな時代もあったのかもしれないと思いながら
「ナナシ」
不意に名前を呼ばれ、その声のする方を見る
あんまり人が来なさそうな所を探してそこにいたのだけど、見つかってしまったらしい
「ニカ、どうかしました?」
彼女はニカ・ナナウラ、同じメカニック科で優秀な技術の持ち主でよくモビルスーツの事で話をしたりする関係
ナナシはアーシアンだとかスペーシアンだとかで人を判断はしない
誰とでも同じように接するから人気もあるがよく思ってない人達もまたいる
しかし全く気にしてないし全く動じない
「ちょっと探しちゃった」
「それはすみません」
悪びれるわけでもなくニコッと笑った
悪いなんて思ってないくせになんてニカも思いながらナナシの隣に座った
最初の頃はニカも遠慮がちに話しをしていたけど、ナナシの人柄や話してるうちに自分をスペーシアンだと鼻にかけるような人でないと知り仲良くなるのは早かった
「なにかあったんですか?」
「あ、えぇと......」
どこか彼女はこわばっているようにみえ、なにやら緊張してる様子だった
話してくれるまで待つように穏やかに微笑みながらニカを見る
「......お願いがあるんだけど」
「なんでしょう」
「ごめんね」
えっ、となんのことか聞こうとした瞬間、彼女と目と目がばっちりと合い、彼女の両目が赤く妖しく輝き出す
これは魔眼が発動した時の輝きである。その目に囚われたものは自分の意志とは関係なしに使用者の思いどうりになってしまう
「本当はこんな事したくなかったんだけど、私には......」
深く息を吐き、ナナシを見つめる彼女の表情は暗かった
自分の意思はそこにはない、自分は言われたように動かなければならない、そうしなければ
「私の指示にしたがって、まずはーー」
「なるほど、まさかこの時代に魔眼持ちの人がいるとは思はなかったです」
「えっ」
信じられないと驚き目を見開くニカを尻目にナナシはニカの顎に手を添え上を向かせる
興味深い、そう呟きながらまじまじとニカの魔眼を観察する
「どうして」
「ごめんね、人にはその魔眼、充分な効果があるんですけど」
ニカの心臓がどくどくと波を打つ。身体全体に心臓があるのかと思うくらいうるさく早く鳴り響き、冷や汗が流れ始め頬を伝う
失敗した、どうして、なぜ?人に使って失敗することなんてなかった。失敗するほど人に使ったわけではないけど自信はあった、それなのに
息がだんだん浅くなり苦しくなってくるのがわかる、自分はきっとここで処分されるのだろうと思うと身体が言うことを聞かなかった
「大丈夫ですよ、ニカ」
ナナシは優しくそう言うと手でニカの両目を覆った
彼女の両目から輝きが消え元の色へと戻っていった
「ボク、サーヴァントだから魔眼は効かないんです」
ニカから手をはなし、優しく笑う
その笑顔はいつものナナシの笑顔、誰にでも向ける優しい笑顔だった
それを見て少し安心したのかニカの身体は落ち着きを取り戻した様子だった
「サーヴァント?」
「そ、宝石とか虹のランクだったら危なかったかもしれないです。あ、でもニカの魔眼、人だったら誰にでも効果はあるので強力な魔眼ですよ」
あわてて君は優秀なんですよって言うナナシがなんだかおかしくて力が抜けてふふっっと笑った
それを見たナナシも安心したように笑みを浮かべる
「話しがそれてしまいましたね、ボクはサーヴァントなんです」
「サーヴァント、って、文献に書いてあった人ではない存在ってこと」
サーヴァントに関しての文献があるってことは魔術に関しての文献もこの時代にあるのかそう思いながらそうですっとこたえる
「もしかして、口封じに私消されちゃう、とか」
「えぇ!?そんな事しませんよ!いや、でも、ちょうど良かったです」
「ボクと取引しませんか?」
「私を生かす代わりに情報をよこせ、ってこと?」
「もともと殺すつもりもありませんでしたけどね。ボクがあなたを助けるからあなたもボクを助けてください。ボク今消えかけてて、ニカの魔力をボクにください」
「え、それって、私の事食べちゃうってこと?」
ナナシは驚いて固まる。魔力をくれって言ってなぜ食べる云々の話しが出てくるのか
一体この時代の魔術に関しての文献は何が書いてあるのか
「えっと、魔力供給は魔術師の身も心も喰らうって」
「いやある意味で身も心も喰らうなんてこともありますけども」
ほんと文献には何が書いてあるの?そう頭を抱える思いだった
考えてても仕方ないとナナシは思い、ニカの手を握る
「魔力供給は、魔力をもっているものの体液を摂取する事で補えますし、あとはこうやって肌との接触でも補えたりできるんです」
「あとは、ニカ、君が言った通り情報の交換」
「いいの?それってナナシ裏切り者になっちゃうよ?」
「これは取引ですよ、ボクはあなたを助ける、だからあなたもボクを助ける、お互いに利益がないとですよ」
相手がどの程度魔術に関して知っているかわからない、もしかしたら失敗したってことでそれこそ彼女が消されるかもしれない
ナナシは誰も死なせたくない、それゆえの判断だった
「わかった、私もあなたが消えないように協力する、だからちゃんと守ってね」
「はい、もちろんですよ」
2人の契約は結ばれた
本当は肌での接触で補える魔力なんてほんと微量でしかないって言うのは口には出さなかった
優しい彼女は全部差し出すと言い出しかねなかったから
時間が経てば朝になるし夜にもなる、なかなかに面白いとは思うけれど、気象の変化っていうのがちょっと恋しくなってしまうのは仕方がない
ナナシは木に囲まれているベンチに座り、棒付きの飴を舐めながらタブレットを操作していた
パイロット科の成績トップであるナナシは、あるモビルスーツの構成を眺めていた
もし、自分たちの未来があるのならば、こんな時代もあったのかもしれないと思いながら
「ナナシ」
不意に名前を呼ばれ、その声のする方を見る
あんまり人が来なさそうな所を探してそこにいたのだけど、見つかってしまったらしい
「ニカ、どうかしました?」
彼女はニカ・ナナウラ、同じメカニック科で優秀な技術の持ち主でよくモビルスーツの事で話をしたりする関係
ナナシはアーシアンだとかスペーシアンだとかで人を判断はしない
誰とでも同じように接するから人気もあるがよく思ってない人達もまたいる
しかし全く気にしてないし全く動じない
「ちょっと探しちゃった」
「それはすみません」
悪びれるわけでもなくニコッと笑った
悪いなんて思ってないくせになんてニカも思いながらナナシの隣に座った
最初の頃はニカも遠慮がちに話しをしていたけど、ナナシの人柄や話してるうちに自分をスペーシアンだと鼻にかけるような人でないと知り仲良くなるのは早かった
「なにかあったんですか?」
「あ、えぇと......」
どこか彼女はこわばっているようにみえ、なにやら緊張してる様子だった
話してくれるまで待つように穏やかに微笑みながらニカを見る
「......お願いがあるんだけど」
「なんでしょう」
「ごめんね」
えっ、となんのことか聞こうとした瞬間、彼女と目と目がばっちりと合い、彼女の両目が赤く妖しく輝き出す
これは魔眼が発動した時の輝きである。その目に囚われたものは自分の意志とは関係なしに使用者の思いどうりになってしまう
「本当はこんな事したくなかったんだけど、私には......」
深く息を吐き、ナナシを見つめる彼女の表情は暗かった
自分の意思はそこにはない、自分は言われたように動かなければならない、そうしなければ
「私の指示にしたがって、まずはーー」
「なるほど、まさかこの時代に魔眼持ちの人がいるとは思はなかったです」
「えっ」
信じられないと驚き目を見開くニカを尻目にナナシはニカの顎に手を添え上を向かせる
興味深い、そう呟きながらまじまじとニカの魔眼を観察する
「どうして」
「ごめんね、人にはその魔眼、充分な効果があるんですけど」
ニカの心臓がどくどくと波を打つ。身体全体に心臓があるのかと思うくらいうるさく早く鳴り響き、冷や汗が流れ始め頬を伝う
失敗した、どうして、なぜ?人に使って失敗することなんてなかった。失敗するほど人に使ったわけではないけど自信はあった、それなのに
息がだんだん浅くなり苦しくなってくるのがわかる、自分はきっとここで処分されるのだろうと思うと身体が言うことを聞かなかった
「大丈夫ですよ、ニカ」
ナナシは優しくそう言うと手でニカの両目を覆った
彼女の両目から輝きが消え元の色へと戻っていった
「ボク、サーヴァントだから魔眼は効かないんです」
ニカから手をはなし、優しく笑う
その笑顔はいつものナナシの笑顔、誰にでも向ける優しい笑顔だった
それを見て少し安心したのかニカの身体は落ち着きを取り戻した様子だった
「サーヴァント?」
「そ、宝石とか虹のランクだったら危なかったかもしれないです。あ、でもニカの魔眼、人だったら誰にでも効果はあるので強力な魔眼ですよ」
あわてて君は優秀なんですよって言うナナシがなんだかおかしくて力が抜けてふふっっと笑った
それを見たナナシも安心したように笑みを浮かべる
「話しがそれてしまいましたね、ボクはサーヴァントなんです」
「サーヴァント、って、文献に書いてあった人ではない存在ってこと」
サーヴァントに関しての文献があるってことは魔術に関しての文献もこの時代にあるのかそう思いながらそうですっとこたえる
「もしかして、口封じに私消されちゃう、とか」
「えぇ!?そんな事しませんよ!いや、でも、ちょうど良かったです」
「ボクと取引しませんか?」
「私を生かす代わりに情報をよこせ、ってこと?」
「もともと殺すつもりもありませんでしたけどね。ボクがあなたを助けるからあなたもボクを助けてください。ボク今消えかけてて、ニカの魔力をボクにください」
「え、それって、私の事食べちゃうってこと?」
ナナシは驚いて固まる。魔力をくれって言ってなぜ食べる云々の話しが出てくるのか
一体この時代の魔術に関しての文献は何が書いてあるのか
「えっと、魔力供給は魔術師の身も心も喰らうって」
「いやある意味で身も心も喰らうなんてこともありますけども」
ほんと文献には何が書いてあるの?そう頭を抱える思いだった
考えてても仕方ないとナナシは思い、ニカの手を握る
「魔力供給は、魔力をもっているものの体液を摂取する事で補えますし、あとはこうやって肌との接触でも補えたりできるんです」
「あとは、ニカ、君が言った通り情報の交換」
「いいの?それってナナシ裏切り者になっちゃうよ?」
「これは取引ですよ、ボクはあなたを助ける、だからあなたもボクを助ける、お互いに利益がないとですよ」
相手がどの程度魔術に関して知っているかわからない、もしかしたら失敗したってことでそれこそ彼女が消されるかもしれない
ナナシは誰も死なせたくない、それゆえの判断だった
「わかった、私もあなたが消えないように協力する、だからちゃんと守ってね」
「はい、もちろんですよ」
2人の契約は結ばれた
本当は肌での接触で補える魔力なんてほんと微量でしかないって言うのは口には出さなかった
優しい彼女は全部差し出すと言い出しかねなかったから