God of death girl
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私は、涙を拭った。
こんな大通りの真ん中で泣いてちゃ駄目だから。
『ありがとう。でも、私はここにいちゃ駄目なんだ。』
私の周りにいる人は皆不幸になる。
だから、大切な人を私のことなんかに巻き込みたくなかった。
こんないい町ほどそういうところは、見たくない。
楽「なんでヨ。」
新「そうですよ楓さん!」
皆必死になって私なんかを止める。
『私は死神少女。そんな異名がつけられているの。
私に関わると死んでしまうかもしれない。
私は、そんなの嫌だから。』
楓は、俯きながら答えた。
彼女の表情は、見えなくても声から分かる。
凄くか細く声が震えていた。
銀「もうおせーよ。聞いてしまったんだ。
それに俺たちは死なねー!ぜってーな!」
その言葉は、凄く重く、嘘をついてるようではなかった。
銀「それに、この船に乗ったのは俺たち自身の意志だ。
お前がそんな罪の意識なんて持たなくていいんだよ!」
まっすぐと私を見る彼の目は死んだ魚の様な目ではなかった。
『死なないってこと約束だよ!』
彼女は、初めて俺たちの前で笑った。
ひどく脆く、純粋な笑顔だった。
銀「おう!早く帰って寝なおしすっか!」
楽「いえーーい、寝直しアル。」
新「それなら僕は一旦失礼します。」
この様子だとどれだけ血華族の情報を集めるのに苦労したか分かった。
楓は、先に歩いていく3人の後ろ姿を見ていた。
銀「どうしたー楓?こねーのか?」
『いく。』
楓は、3人の隣に並んだ。
万事屋に着いた。
神楽と銀さんが家に入っていくなか、私は躊躇っていた。
銀「何だ楓。俺に何かされると思って躊躇ってるのかぁー?」
銀さんは、意地悪そうな顔で言った。
私が躊躇っているのを察して言ってくれた言葉は嬉しかった。
楽「楓、こいつは危ないネ。
寝るなら私と一緒に寝るアル。」
神楽は何かを察知したように慌てて言った。
自分は泊めてもらっている側なので寝る場所なんて何処でもいいと思っている。
銀「楓をあんな押し入れになんかに寝さすわけねーだろ!
楓は、俺の隣で寝るんだよ!」
楽「いや、私のとこアル!」
こうなってしまえばいよいよ楓の取り合いになってくる。
どうしたらいいのか反応に困る。
『あっ...そのー』
銀・楽「「楓は、どっちがいい(アルか)?」」
楓が喋ろうとしたのを遮るかのように2人の言葉ははもった。
『どっちでもいい!』
呆れた楓は、大声で言った。
結局ジャンケンをし、神楽が勝ってこの争いは幕を閉じた。
そして私は、神楽ちゃんが住んでいるとあろう押し入れに入った。
上は神楽ちゃんが住んでるから私は下に。
敷布団と掛け布団を貰い押し入れの下に敷いた。
いざ、横になってみると不思議なくらい落ち着く。
楽「楓閉めていいアルか?」
『うん。』
暗くなった押し入れの中。
改めて、人と一緒に寝ることが久々で心臓の鼓動が速くなる。
目を瞑ると余計その鼓動が聞こえる。
楽「ねぇ、楓起きてるアルか?」
『うん。』
再び目を開けた。