あれは、朝8時くらいのことだっただろう。

ガンガン

｢銀時様ーーー！｣

こんな朝早くに玄関を叩きながら銀時の名前を呼ぶ声。
五月蝿くて楓と神楽と銀時は起きた。

銀｢まっ．．．まさか！？｣

その時の銀さんの表情は、青ざめていた。
神楽ちゃんでさえ、知ってるような表情。

『何？』

ドキドキしながら、返答を待つ。

銀｢これは．．．｣

前置きが凄く長い。
その間にも扉を叩く音も、銀時をよぶ声もとまらない。

銀｢・・・・・家賃取りだ。｣

ドカーン

銀時の言葉と同時に破壊音がした。
その破壊音は玄関からだった。

『何だ！？』

楓は、敵だと思って身構えた。
砂煙が立ち止むとその正体が明らかになった。

『女．．．．？』

不思議と人形みたいに肌の白い女の姿。

楽｢たま！｣

神楽ちゃんが、その人の名前っぽいものを叫ぶ。

たま｢銀時様今月の家賃を収拾しにきました。｣

銀｢この家にそんなお金ねーよ。後に回してくれねーか。｣

近頃は依頼なんて来てなかったから毎日が金不足だった。

たま｢では、今すぐでていきますか？｣

銀｢それは、できねー。ならよ、｣

何かいい考えが見つかったのか銀さんは、自信ありげに言った。

銀｢こいつを、使ってくれて。｣

そういって、たまに向けて出したものは私！？

『えっ！？どういうこと！？』

頭がついていけてない楓。
全く分からない人につきだされても何がなんだか．．．



急にもう一人現れてそして今私と、銀さんと神楽ちゃんは、万事屋のしたの店にいる。
現れた方は、銀さんの話に乗ったらしい。

『あの、私最近万事屋で住まわせてもらってる楓です。』

登｢あたしゃ、大家のお登勢さ。｣

たま｢先程は、驚かせてごめんなさい。からくりのたまです。｣

キャ｢ｱﾝﾀｿﾚﾈｺｶﾌﾞｯﾃﾝﾀﾞﾛﾎﾝｼｮｳﾀﾞｾﾖ！｣

あって間もなく酷いこと言われる。
たまは、からくりだって分からなかったけどこの人は確実に天人だ。

登｢こら、キャサリンそれが初めて会う人に対する態度か！！｣

大声でネコの天人に怒鳴りつける。

キャ｢ﾁｯ、ｼｶﾀﾅｲﾅﾜﾀｼﾊｷｬｻﾘﾝ。ｱﾝﾀｱﾝﾏﾁｮｳｼﾉｯﾃﾙﾄｱﾄﾃﾞｲﾀｲﾒﾐﾙﾜﾖ！｣

今思えばキャサリンさんの喋り方すごく聞きづらいな。

『みなさん、よろしくお願いします。』

登｢ふーん、中々丁寧なこじゃないかー。年齢は？｣

『18です。』

この人には威圧感があるけど中身は凄くいい人。

登｢働ける年だね。じゃ、お前はこれからここで働きな。｣

薄々気づいてはいたけどやっぱりそうなるのか。

『分かりました。』

万事屋の未来のために私はここで働くと決めた。
それは、早速今日からはじまった。

銀｢じゃ、楓頑張れよ！｣

楽｢また来るアルヨー！｣

２人は、私を置いて万事屋に戻った。
仕方ない、銀さんは万事屋のオーナーだし、神楽ちゃんは働ける年じゃないし。
泊めてもらってる身の私が頑張らなくては。

登｢ここは、スナックだからお酒を組むこと出来なきゃいけない。｣

『はい。』

安い酒でお酒を組む練習をする。
覚えが早かった楓は、あっという間にOKがでた。
あとは、雑用の力仕事や掃除など。

登｢それと、あとひとつ客を楽しませる事が大切だよ。
笑顔で客に接するんだよ。｣

優しい口調でいわれた。その言葉に私は頷いた。



夕方になって、お客さんがチラホラと来始めた。

『お酒くみましょうか？』

笑顔を作りそういうと、お客さんは少し照れながらおねがいする。

｢お登勢さん、こんなべっぴんさん何処で拾ってきたんだ？
なんでもできるいい子じゃないかぃ。｣

登｢そうだろ！楽しんでいきな。｣

その声は私のところまで聞こえていた。
お客様に褒められて凄くうれしかった。

｢楓ちゃーん、こっちにもお酒くんでくれないか？｣

『はーい。』

店内は楓を呼ぶ声でもりあがっていた。
引っ張りだこ状態の楓にキャサリンは、嫉妬していた。

キャ｢ﾅﾝﾀﾞﾖｿﾉｺﾊﾞｯｶﾘﾖﾝﾃﾞ。ｹｯｷｮｸﾐﾝﾅﾜｶｲﾉｶﾞｽｷﾅﾝﾀﾞﾅー。｣

その言葉を聞いた客は肩をビクつかせていた。

銀｢おー、なんか盛り上がってるじゃねーかー。｣

楽｢なんか、皆楽しそうアルな。｣

２人が、入ってきた。
あれから、随分経ってからの登場。

登｢残念だけどねあんたらの座る席なんてないよ。
まぁ、でもこの子には感謝してるから仕方ないそこがあいてるから座りな。｣

指さしたのはカウンターの席。
ちょうど2つあいていた。

銀｢そうだろ。楓には、社会体験でもさせとかなと思ってな。｣

優しい目で楓をじっと見つめながら銀時は言った。

『銀さんにも注いであげようか？』

楓は、銀時が来たのに気づきお酒を見せながら言った。

銀｢一杯もらおうかね。｣

そう言われたので楓は銀時のコップにお酒を注いだ。


そして、深夜になりお客は居なくなった。
というよりは、閉店のため店をしめたからだ。
先程までの雰囲気とは違い静かになった。

登｢おつかれ楓。あんたのおかげで今日は、繁盛だ。｣

たま｢初めてにしては、良かったですよ楓様。｣

『ありがとうございます。』

キャ｢ﾏｱ､ｶﾞﾝﾊﾞｯﾀﾝｼﾞｬﾅｲﾃﾞｽｶｧ。｣

相変わらずこの人は嫌味っぽく言ってくる。

楽｢楓頑張ったアルなー。｣

今日は疲れたけどいっぱい褒められた日だった。
これなら、働くのも悪くないとおもった。
万事屋の生計のために、頑張らないと。
そして、お登勢さんの奢りで食事を済ませた。