「雨も時には必要」って、本当なのかな…。
そうしているうちに、枕元とは反対方向のドア外…建物の中の階段の方から、足音が聞こえてきた。
きっと結蓮か結蘭が、様子を見に来るついでにお昼を食べるかどうか聞きに来たんだろう…と、ドアの方を見た。
でも、足音がいつもより小さくて気配を感じない。そこに違和感を抱く頃には、だいぶ近くまで来ていたみたいで、すぐにドアが開く。
「……あ…。」
見えたのは、結蓮でも結蘭でもなく、クールだった。
…だから気配があんまりなかったんだ。
「…んだよ、まだ寝てたのか…。」
結蓮から借りたらしい、小さめの黄色いタオルを、濡れた頭に当てながらそう言って、部屋に入ってくる。雨の中、きっと傘も持たずに途中で少しずつ凌ぎながら来たんだと思う。クールは多くのものを持たない人だと私は思ってたから、らしいと言えばらしい。
ただ、この二週間ほどでの部屋の有様や、私の状態を見られるのが、なんとなく、嫌、というか、怖かった。どう思われるのか分からなかったから。
これまでも似たようなことはあったけど…できれば、ダメな部分はあまり人に見せたくないし見られたくない、と、そう考えちゃうのが、どうしようもない私のクセだった。
驚きと、この状態に何と言ったらいいのか分からない戸惑いで、何も言えずにいる私を見ながら、それでもクールは何も言わずにすぐ横まで来た。
ふと何か目に入って、クールの右腕をよく見ると、着ていた服の袖…肩の方から巻かれているであろう包帯が、裾より少し出て見えている…。
「…もう治りかけだから心配いらねぇよ。」
私が見てたから、心配してると思ってそう言ったんだろうな…。確かにすごく心配だけど…まず今はそれ以外にも気にしていることがあるし…何よりクールは、下手するとこれより酷い怪我をするかもしれない、そんな世界で生きている人だった。
というか、そもそも今いるこの街…EDEN自体が、そういう危険が多くある場所で、私も、頭ではなんとなくそれを理解しているつもりだった。
それでも、素直に心配が勝つ。
「…ちゃんと食べてた?」
「……まぁまぁな。」
最初はため息をつきながら返されたけど…私は、つい…。
「…ちゃんと寝てた?」
また聞いてしまう。質問攻めみたいだな。
私の質問攻めを受けて、フッと笑って、ハイハイと緩く返事をするクール。
「ちゃんと寝てましたよ。」
同じような質問を繰り返してしまったことがおかしくて、私も笑った。
…その笑いはすぐ、躊躇に変わっちゃったけど。
「……なんか、ごめんね。」
「いいんだよ。」
心配で聞いたとは言え、気を悪くされたら嫌だな、って。でも、返ってきた答えはそんなものではなく…。
「そういうのが聞きたかったんだから。」
クールはちょっと屈んで、ベッドの上にいた私を抱きしめた。突然だったのと、まず私は起きた直後だったので…嬉しさもありつつ、唸りながら、やっぱり気がかりなことを一つ。
「……まだ顔洗ってないよ。」
「んなもん気にすんなよ…。俺だって服濡らして来たんだからもうどうでもいいだろ。」
…確かにそうなんだけどさ。そう言うクールの服はもうだいぶ乾いてるんだよな。きっと凌ぎながら来て、そこまで言うほど濡れてもいなかったんだろう…。
数十秒後、様子を見に、かつ、お昼を食べなさいと言いに来た結蓮には、また…いいわね~とニコニコされちゃったよ。
きっと結蓮か結蘭が、様子を見に来るついでにお昼を食べるかどうか聞きに来たんだろう…と、ドアの方を見た。
でも、足音がいつもより小さくて気配を感じない。そこに違和感を抱く頃には、だいぶ近くまで来ていたみたいで、すぐにドアが開く。
「……あ…。」
見えたのは、結蓮でも結蘭でもなく、クールだった。
…だから気配があんまりなかったんだ。
「…んだよ、まだ寝てたのか…。」
結蓮から借りたらしい、小さめの黄色いタオルを、濡れた頭に当てながらそう言って、部屋に入ってくる。雨の中、きっと傘も持たずに途中で少しずつ凌ぎながら来たんだと思う。クールは多くのものを持たない人だと私は思ってたから、らしいと言えばらしい。
ただ、この二週間ほどでの部屋の有様や、私の状態を見られるのが、なんとなく、嫌、というか、怖かった。どう思われるのか分からなかったから。
これまでも似たようなことはあったけど…できれば、ダメな部分はあまり人に見せたくないし見られたくない、と、そう考えちゃうのが、どうしようもない私のクセだった。
驚きと、この状態に何と言ったらいいのか分からない戸惑いで、何も言えずにいる私を見ながら、それでもクールは何も言わずにすぐ横まで来た。
ふと何か目に入って、クールの右腕をよく見ると、着ていた服の袖…肩の方から巻かれているであろう包帯が、裾より少し出て見えている…。
「…もう治りかけだから心配いらねぇよ。」
私が見てたから、心配してると思ってそう言ったんだろうな…。確かにすごく心配だけど…まず今はそれ以外にも気にしていることがあるし…何よりクールは、下手するとこれより酷い怪我をするかもしれない、そんな世界で生きている人だった。
というか、そもそも今いるこの街…EDEN自体が、そういう危険が多くある場所で、私も、頭ではなんとなくそれを理解しているつもりだった。
それでも、素直に心配が勝つ。
「…ちゃんと食べてた?」
「……まぁまぁな。」
最初はため息をつきながら返されたけど…私は、つい…。
「…ちゃんと寝てた?」
また聞いてしまう。質問攻めみたいだな。
私の質問攻めを受けて、フッと笑って、ハイハイと緩く返事をするクール。
「ちゃんと寝てましたよ。」
同じような質問を繰り返してしまったことがおかしくて、私も笑った。
…その笑いはすぐ、躊躇に変わっちゃったけど。
「……なんか、ごめんね。」
「いいんだよ。」
心配で聞いたとは言え、気を悪くされたら嫌だな、って。でも、返ってきた答えはそんなものではなく…。
「そういうのが聞きたかったんだから。」
クールはちょっと屈んで、ベッドの上にいた私を抱きしめた。突然だったのと、まず私は起きた直後だったので…嬉しさもありつつ、唸りながら、やっぱり気がかりなことを一つ。
「……まだ顔洗ってないよ。」
「んなもん気にすんなよ…。俺だって服濡らして来たんだからもうどうでもいいだろ。」
…確かにそうなんだけどさ。そう言うクールの服はもうだいぶ乾いてるんだよな。きっと凌ぎながら来て、そこまで言うほど濡れてもいなかったんだろう…。
数十秒後、様子を見に、かつ、お昼を食べなさいと言いに来た結蓮には、また…いいわね~とニコニコされちゃったよ。
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