7月
初夏のある晴れた日。何でもなく二人でただ外を歩いていた。
…というより、連れ出された、が正解かも。
賑やかな市場みたいな通りはお祭りにも似てるけど、この街ではこれがいつものこと。
ちょっと異様な空間の様子を見ながら人ごみの中を通り抜けて、連れてこられた先は、古いビルの屋上だった。
風が抜けて、さっきまで通ってきた場所が小さく見える。
「…ジオラマみたい。」
「そんなに高くもないだろ。」
「そうかな?」
あの景色を指しながら言った。クールはもしかすると、もっと高い景色にも慣れ切っているのかもな。裏仕事ではこんな古いビルより高いところにも沢山行くことがあるのかもしれない。
空を見ると…遠くの方、高いところには飛行機が飛んでいた。
…二人で大きな旅に出るときは、きっと、「逃避行」みたいなやつになるのかな…。
と、あんまり根拠があるわけでもないけど、そう思っていた。いや、クールが普段は裏社会にいるから、っていうだけの根拠なんだけど…。
そんなことを考えながら、ぼーっと飛行機を眺めてた私の、髪を纏めていたヘアゴムを、なんでかクールが外した。
「…?…変だった?」
「いや…別に。」
…何かありそうな気はしつつ、私は聞くことができないでいる。
そしてまた、風が吹き抜けていく。
「…どうかした?」
こっちを見てるのが…どうしても気になって、一言だけ。
そっと引き寄せられるまで、あと数秒。
…というより、連れ出された、が正解かも。
賑やかな市場みたいな通りはお祭りにも似てるけど、この街ではこれがいつものこと。
ちょっと異様な空間の様子を見ながら人ごみの中を通り抜けて、連れてこられた先は、古いビルの屋上だった。
風が抜けて、さっきまで通ってきた場所が小さく見える。
「…ジオラマみたい。」
「そんなに高くもないだろ。」
「そうかな?」
あの景色を指しながら言った。クールはもしかすると、もっと高い景色にも慣れ切っているのかもな。裏仕事ではこんな古いビルより高いところにも沢山行くことがあるのかもしれない。
空を見ると…遠くの方、高いところには飛行機が飛んでいた。
…二人で大きな旅に出るときは、きっと、「逃避行」みたいなやつになるのかな…。
と、あんまり根拠があるわけでもないけど、そう思っていた。いや、クールが普段は裏社会にいるから、っていうだけの根拠なんだけど…。
そんなことを考えながら、ぼーっと飛行機を眺めてた私の、髪を纏めていたヘアゴムを、なんでかクールが外した。
「…?…変だった?」
「いや…別に。」
…何かありそうな気はしつつ、私は聞くことができないでいる。
そしてまた、風が吹き抜けていく。
「…どうかした?」
こっちを見てるのが…どうしても気になって、一言だけ。
そっと引き寄せられるまで、あと数秒。
