感情 ― Episode 2 Cool

それが、もうこのままいたら死ぬところまで来てる…。
もういっそ飢えるか…。苦しい思いをして生きながらえるのも気が引ける…。
そんなことを考えながらしばらく経ったとき。

いきなり、腕で首を絞められた。
―― 金だ…。
その男も刃物を持って…。また俺を脅迫しに来た。
前に来た奴は動きの自由があったが…。今度はかなりの危険人物だと、首を抑えられてる時点で…なんとなく悟った。

その時に、実感した。
死ぬのは怖いもの…。
何もなくとも、その時は…死ぬのが怖かった。
…いや、死ぬのが怖いんじゃないかもしれない。もしかしたら…結果的に怪我を負って生き続けることが、怖いのかもしれない…。今ならそう思う。一撃で死ねるなら、あの時はきっとそれで納得していたはずだった。
ただ、そうは言っても。
俺は固まってるような人間じゃない。
ここで何もしなかったら、たぶん死ぬ…。そんな気がした。

ただで解ける腕じゃないなら…賭けで後ろに蹴りを入れた。痛がる男がすぐ腕を解いたところで…。
…本来なら、まっすぐ走って逃げるところ…半分、自暴自棄だった。負ければ大怪我をするか、死ぬか、その二択…。
今考えても仕方がないと思って…。

咄嗟にその…当時の俺より背の高かった男の腹に、力を込めて、蹴りを入れていた…。
俺がそんなことをするなんて予想だにしなかった…なんて雰囲気だった。男は怯んで、持っていた刃物を落とす。

そのまま俺はその刃物を奪って……。
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