古傷 ― Episode 1 Mimidori
覚えていないだけかもしれないと一瞬思い返す。
だがそんなことを思ったところで…もし本当に言ったのなら、覚えていないはずがないことにも、気付いた…。
あれは成績を見せたときだったから、きっと自分の成績が低迷し始めた頃か、そうなってしばらく経ってから。
もしその時期にあんな言葉を口に出したら、どうなるのか。
…というか、口に出してさえいないのに、酷く怒られた…。
それだけで、結果は十分に想像できる。そんな結果になって、記憶に残らないはずがない。
仮にわかってもらえていたとしても…それなら、こんなに酷くはなっていないはずだ。
こんなに酷い精神状態には…。
そうして声に出せなかった代わりに…誰にも言わず、人前から消えようと、失踪した。
結局のところ、自暴自棄になっていた。
今のこの状態は、言ってみれば、その結果だと思う。
あのまま死んでいれば良かったのでは、と…そう、時々…本当に時々だが、思ってしまうことがある。
もちろん、今死にたい、とは、微塵も思わない。
今は、大好きな人のそばにいて、義理だが良い家族もいる。それはとても幸せだった。
…でも、あの時あのまま死んでいたら…もう、戦わずして逃げてきたことを、悔やまずに済んだのだろうか…。こんな古傷を背負って生きることも、無かったのだろうか…。
…やめよう…。
今は、悪夢を見て何か変なことを考えていたんだ。きっと。
考えすぎるのが悪い癖だから…。
それでも涙が止まらない、布団の中で依然として腕に顔を埋めたままの、自分の心の声が、言っている。
……見せられるか。こんな顔。
だがそんなことを思ったところで…もし本当に言ったのなら、覚えていないはずがないことにも、気付いた…。
あれは成績を見せたときだったから、きっと自分の成績が低迷し始めた頃か、そうなってしばらく経ってから。
もしその時期にあんな言葉を口に出したら、どうなるのか。
…というか、口に出してさえいないのに、酷く怒られた…。
それだけで、結果は十分に想像できる。そんな結果になって、記憶に残らないはずがない。
仮にわかってもらえていたとしても…それなら、こんなに酷くはなっていないはずだ。
こんなに酷い精神状態には…。
そうして声に出せなかった代わりに…誰にも言わず、人前から消えようと、失踪した。
結局のところ、自暴自棄になっていた。
今のこの状態は、言ってみれば、その結果だと思う。
あのまま死んでいれば良かったのでは、と…そう、時々…本当に時々だが、思ってしまうことがある。
もちろん、今死にたい、とは、微塵も思わない。
今は、大好きな人のそばにいて、義理だが良い家族もいる。それはとても幸せだった。
…でも、あの時あのまま死んでいたら…もう、戦わずして逃げてきたことを、悔やまずに済んだのだろうか…。こんな古傷を背負って生きることも、無かったのだろうか…。
…やめよう…。
今は、悪夢を見て何か変なことを考えていたんだ。きっと。
考えすぎるのが悪い癖だから…。
それでも涙が止まらない、布団の中で依然として腕に顔を埋めたままの、自分の心の声が、言っている。
……見せられるか。こんな顔。
