修行 ― Episode 5 Torao Onigawara

荒廃した街…EDEN。とある日の夕方。高くて大きな二つの建物の間の道。所々に、空き缶や紙くずなどの小さなごみが散らばっているのが見える。
「待たんか、このバァカ者が!」
夕方なだけあって、建物の影で薄暗いその道で、怒鳴り声を響かせる、大きな道着を着た男がいた…。
「…はぁ?」
その目線の先、立ち止まり不快そうに振り返る…道着の男よりもかなり若いであろう、一人の男へ向けて。
「まったくここらの若いのは…みんな腐った根性しとる!」
そう怒鳴った。
「…うるせぇ。別にどうだっていいだろ…。」
腹を立てた若者は舌打ちをして、近くまで来ていた道着の男に、面倒だと、嫌そうな顔をする。
「叩き直してやる!」
道着の男が、相手に掴みかかろうと、前に出た…。


――― 数日前。

…………ドン…………ドン…………。
第四区画と呼ばれる場所に存在する…この街の他のものとは比べ物にならないくらいの、巨大な廃倉庫。
まだ使われていた頃の物や投棄物などが沢山置かれたそこに、十秒ほどの間隔を置いて、大きな音が響く。
…………ドン…………ドン…………。
「…ここ、何かいるぞ。」
「…バケモンでもいるんじゃねぇのか。」
「笑わせんなよ。」
ちょうど、その倉庫の横の道を通りかかった…裏社会の住人や遊び人といったような出で立ちの、少し長めの髪を所々染めた若い男二人が、小声で話しながら歩いていた。
「オイ、入るのかよ。」
「だって、気になるじゃん…。」
「いや、そうだけど…。」
躊躇する片方を置いて、一人が道の突き当りへ歩き出す。
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