少年 ― Episode 4 Luccio Roche

大地震によって大陸から離れ荒廃した街、EDEN…その中でも、より暗く静寂に包まれた地区がある。
地震によって潰れたり壊れたりして、めちゃめちゃになった家が目立つ、古い建物や倒壊した建物ばかりが並んだ住宅街…。
深夜の、これでもかというくらい真っ暗な時間帯に、そのゴーストタウンの道を行く影があった…。
その、倒壊した建物と廃墟だらけの地区には、街灯などの明かりを灯すものはほとんど何もなく、遠くの街明かりと僅かな月明かりが、空に浮き上がって見えている。
これだけ暗くてもその道を行くことができるのは、この暗さに目が慣れているから、といったところだろう。第一、こんな場所を一人で歩く人間が、まともであるわけがない。

古いアパートや空き地が所々見え始める中、その横を、ただ歩いていく、その人影の正体は…ルチオ・ロッシ、そう名の付いている、一人の少年だった。

果たしてそれが、本当の名前なのか。本当でないとすれば、いつからある名前なのか。それは、誰にも分らない。
ただ、彼は、特に裏社会に住む者から、暗黒街の臥龍、と呼ばれ、恐れられている存在である。

彼が歩く先。既に手が入らなくなって長い証拠である、生い茂った植物と、もともと植えられていた木々が伸ばした枝葉で、覆われ、隠されて、うっそうとした空き地が、道のわき一面に広がった。もう遠くの街明かりは届かないだろう。
さらにそこを道なりに歩くと、見えてくる…集合住宅が奥にいくつか並んだ、団地とでも言うところ。
彼の目的地は、そこだった。
もともと、その集合住宅の駐車場だったはずの場所にまで、雑草やツタの植物が顔を出していて、ここもまた、もう長く手が入っていないことを表している。

彼はそのまま、その一番手前の建物の階段を、登り始めた。
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