手紙 ― Episode 3 Yuiren & Yuiran

「…結蘭は結蘭じゃない…?」
…それは、結蓮も薄々気付いていたこと…。
結蘭のことを、比べていた。何かと。
今回の場合は、主に、目の前にいる彼女と。
そして、それは、逆もまた同じ。
「…結蓮は結蓮…。」
黙って小さく頷く結蓮に、彼女は続けてそう言った。
「……そう…。そうだった……。でも、どうすればいいかな…。」
この後に悩む結蓮は、その気持ちを素直に言葉にしていく。
「…文字だったら伝えやすくない?」
「手紙とか?」
「うん。そう。」
彼女の提案は、普段彼女が文字を多用していることから発せられたものでもあった。
「…そっちの方が…なんていうか、落ち着いて考えられるし。」
「…うん…そうだね…。」

頷きながら、結蓮は考える。
これまで、結蘭に対して、ちゃんと自分の考えを打ち明けたことが、あっただろうか。
…思い返せば、滅多に無かった気がする。

「…そういう真面目な話するときって、お互い顔見なきゃいけないから…あと、ゆっくり考えたりできないから…大変かな~と思って…。」
「うん…。ありがとう。」
結蓮は、そう言いながら彼女の頭を撫でて、もう一度、抱きしめた。


…翌日。
結蘭が部屋に入ると、机に、小さな横長の、ピンク色をした封筒が置かれていた。
――――― 結蓮より。
…裏返した封筒の端に書かれたそれを見て、少し考えてから、その封筒を開け、中にある手紙を広げた…。
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