古傷 ― Episode 1 Mimidori
「……行きたく、ない……。」
今、葛藤の末に、泣きながら発した言葉と、
「……学校……。」
目の前で静かに息を吐く父親。
その手には、成績を綴じるファイルがある。
何言ってるんだという気持ち。言わなければ何も変わらないという気持ち。しかしそれを言ったところで、果たしてこの父親にわかってもらえるのかという気持ち。これは怠けや甘えになるのだろうかという気持ち。
…その全てが合わさって、頭の中がつんとした。
どんな返事が返ってくるかはわからない。でも、想像はつく。
顔を直視する勇気もなく、下を向いていた。
目の前に映る父親の足元は…どこかぼんやりとしていて。周りの景色もなんだか暗い…というか、黒いような……。
「…?」
ぼんやりとした感覚が残ったまま、我に返った。
……夢を見ていた。今までのは夢だった。
あそこに行くまでの展開は、ほとんど覚えてない。というか、何も筋がない夢。内容はたぶんめちゃくちゃだったと思う。
でも、唯一最後だけ、はっきりしていた。記憶にも残った。
本当は…仮にこれが現実だったとしても、自分が言いそうにないこと…言えそうにもないことを、口に出していた。
あれを、もし本当に口に出すとすれば、迷った末に後先考えずに叫ぶ…そのぐらいだろう。
所謂、やけ。自暴自棄。
言ったところでどうせわかってもらえない。それは百も承知だった。過去も。夢の中でも。もちろん、言いたくて、わかって欲しくて仕方がなかった言葉であることも、わかっているが…。
あんなことは、言えたことが無い。言った記憶が無い。
今、葛藤の末に、泣きながら発した言葉と、
「……学校……。」
目の前で静かに息を吐く父親。
その手には、成績を綴じるファイルがある。
何言ってるんだという気持ち。言わなければ何も変わらないという気持ち。しかしそれを言ったところで、果たしてこの父親にわかってもらえるのかという気持ち。これは怠けや甘えになるのだろうかという気持ち。
…その全てが合わさって、頭の中がつんとした。
どんな返事が返ってくるかはわからない。でも、想像はつく。
顔を直視する勇気もなく、下を向いていた。
目の前に映る父親の足元は…どこかぼんやりとしていて。周りの景色もなんだか暗い…というか、黒いような……。
「…?」
ぼんやりとした感覚が残ったまま、我に返った。
……夢を見ていた。今までのは夢だった。
あそこに行くまでの展開は、ほとんど覚えてない。というか、何も筋がない夢。内容はたぶんめちゃくちゃだったと思う。
でも、唯一最後だけ、はっきりしていた。記憶にも残った。
本当は…仮にこれが現実だったとしても、自分が言いそうにないこと…言えそうにもないことを、口に出していた。
あれを、もし本当に口に出すとすれば、迷った末に後先考えずに叫ぶ…そのぐらいだろう。
所謂、やけ。自暴自棄。
言ったところでどうせわかってもらえない。それは百も承知だった。過去も。夢の中でも。もちろん、言いたくて、わかって欲しくて仕方がなかった言葉であることも、わかっているが…。
あんなことは、言えたことが無い。言った記憶が無い。
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