———Mimidori

ちょうど12月24日…イブの夜のこと。早めに寝ておこうかと思って、まだ夜10時だけど、部屋で少しずつ寝るための準備を進めていた時のことだった。
「アナタはいつも引っ込んでばっかりなんだから…たまには甘えたことの一つでも言ってやったらどうなの。」
「…どういうこと?」
「あの人は別に何か欲しいわけじゃないんだから。アンタが都合よく言い訳して甘えに行ったらいいんだよ。」
「いやぁ……それは……。」
途中から私は、一体何を言われるのかと…ちょっと予想はしていたようなことを言われたんだけど…つい否定の声が出て、眉間にしわが寄っちゃうぐらい、それはできないと思ってしまうようなことだったのだ。
…私自身、頭の回転が遅い自負は十分ある。逆に頭の回転が速いクールに対しては、突っ込むほどこちらの自爆の可能性が高まるのである。というか、過去に何度も頭の良さを見せられているから、変なことはやりたくない。

「…アナタはわかってないよねぇ。」
「…なんで?」
「恥ずかしいだけなのかね?」
やけに結蓮はニヤニヤしていて。いつものことといえばそうだけど、たまにこういう時、何か知ってたり、隠してたりすることもあるから、今も、何かあるんじゃないかと勘ぐってしまった。

…次に結蓮の口から出てきた言葉は、頭の片隅でちょっと望んでいたこと、とも、信じられないこと、とも…どちらとも言えるもので。

「さっきね…ちょっと前だけど。アナタがシャワー浴びてる間かな、帰ってきたよ。あの人。」
「…?…え?」
「なんか持ってきてたから、あとで聞いてみなよ。」
「……。」

…本当にクールが来たと一瞬信じられなくて。理解するまでにタイムラグができてしまった。

「ちょうど色々落ち着いて暇になったんだって…。でも絶対、クリスマスだから帰ってきたんだよ。」
ベッドに座ったまま、表情の変化だけで無言で聞いている私に、結蓮は小声で、相変わらずニヤニヤしながら、私の顔見て言ってくる。
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