それはまるで、金の髪、黒い翼…

金色の酒を飲み、クールは思った。
彼女に映る自分は、自分が想像していたよりも尖っていたこと。そして、彼女も少し盲目かもしれないということ。
自分のことを、これくらい、尖ってはいるが綺麗だと言っている、ということなのだから。

「…それ、どう?」
ユイレンはまだ少し笑っていたが、彼にその酒の感想を聞いた。
「あいつは俺のことをずいぶん綺麗な奴だと思ってるらしいよな…。」
彼女が盲目に見えるからこそ彼がそう感じるのか、それとも、実はこれが彼の本質で、彼自身がそうとは思わないからこそそう感じるのか…そこについては、ユイレンも、クール本人も分からない。
どちらにしても…彼は彼女のことを、そう簡単には離れては行かない…向こうしばらくはきっと自分の懐にいるであろう存在、という風に考えている。それは確かだった。
「…あの人はあなたのこと大好きだからねぇ。普段はあんまり口には出さないかもしれないけど…。」
「言わなくてもバレバレだよ。」
…それを聞いて、ユイレンはまた笑った。


二人でいる時にこの酒の話を引き合いに出せば、もちろん、彼女が照れくさい反応をすることは明白なので…あとでどう揶揄ってやろうかと考えながら、彼はまた、その金色の酒を一口飲んだ。
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