罪の復讐、復讐の罪
事を終えたとでも言うように、少し気怠そうにため息を漏らしながら、歩き出す結蘭。
「いやぁ~カッコよかったねぇ今日も!」
「…はぁ、うるっせぇな…っつうか、ミセモンじゃねぇし。」
「でも久しぶりじゃない?こういうの。」
「まぁ…ね。」
途中で、飲んでいた客に声をかけられて、はじめは気怠げに返事を返したが、どこか退屈しのぎになったというような、褒められて少し嬉しいような、そんな感情も込み上げる。
しかし、そんな雰囲気は、数歩ほど足を進め、視界をもと居たカウンターの方に戻した時、一変する。
ついさっきまでそこにいたはずの、ミミドリを含めた三人ほどが、忽然と姿を消していた。
…無意識に再び歩みを止め、驚きと若干の焦りで視線の先を見つめていた結蘭に、すぐ隣からまた別の客が声をかけた…。
「…おい、どうした?」
「…あの…あいつらって…。」
「ん?あぁ〜あそこにいた連中?なぁんか外に出てったけどね…。」
「…なんで…?」
…そう言葉を発しながら、咄嗟に入口の方を振り返っても…ただ、兄が例の粘った男を追い出しているのが見えるだけである…。
「あぁ…?わかんねぇよ。ハナシもなんにも、ここじゃ聞こえねぇし。」
少なくとも、彼等が外に出てから少しの時間が経過しているということだろう。そして、そのまま移動している可能性があある…。
あのゴタゴタを片付けに行く前までは、確かに彼女はそこにいたはずで。結蘭自身も彼女と言葉を交わしたはずだった。だが、その記憶も妄想ではないかと疑うほど、今の、彼女が消えているという状況は飲み込み難いものだった。
…そして、結蘭の思考を真っ黒にさせた…。
つまり。結蘭がその場を離れている間に、この場にいた彼等は、こちら側に気づかれることなく、ここを去ったということ。
そこにいたはずの、彼女を連れて……。
「いやぁ~カッコよかったねぇ今日も!」
「…はぁ、うるっせぇな…っつうか、ミセモンじゃねぇし。」
「でも久しぶりじゃない?こういうの。」
「まぁ…ね。」
途中で、飲んでいた客に声をかけられて、はじめは気怠げに返事を返したが、どこか退屈しのぎになったというような、褒められて少し嬉しいような、そんな感情も込み上げる。
しかし、そんな雰囲気は、数歩ほど足を進め、視界をもと居たカウンターの方に戻した時、一変する。
ついさっきまでそこにいたはずの、ミミドリを含めた三人ほどが、忽然と姿を消していた。
…無意識に再び歩みを止め、驚きと若干の焦りで視線の先を見つめていた結蘭に、すぐ隣からまた別の客が声をかけた…。
「…おい、どうした?」
「…あの…あいつらって…。」
「ん?あぁ〜あそこにいた連中?なぁんか外に出てったけどね…。」
「…なんで…?」
…そう言葉を発しながら、咄嗟に入口の方を振り返っても…ただ、兄が例の粘った男を追い出しているのが見えるだけである…。
「あぁ…?わかんねぇよ。ハナシもなんにも、ここじゃ聞こえねぇし。」
少なくとも、彼等が外に出てから少しの時間が経過しているということだろう。そして、そのまま移動している可能性があある…。
あのゴタゴタを片付けに行く前までは、確かに彼女はそこにいたはずで。結蘭自身も彼女と言葉を交わしたはずだった。だが、その記憶も妄想ではないかと疑うほど、今の、彼女が消えているという状況は飲み込み難いものだった。
…そして、結蘭の思考を真っ黒にさせた…。
つまり。結蘭がその場を離れている間に、この場にいた彼等は、こちら側に気づかれることなく、ここを去ったということ。
そこにいたはずの、彼女を連れて……。
