罪の復讐、復讐の罪
片手で首を絞められていたミミドリは、柵の方へ更に押し付けられて、咄嗟に手を柵へ。柵は彼女の胸下くらいまであるとはいえ、押しやられて落ちないかと考える力が働いている。上半身がこれ以上外に向きでもすれば、身体が柵へ乗り上げ落ちてしまうと考えているのだ。あるいは、男に身体を持ち上げられて落とされるかもしれない…。
しかし、男が片手の銃を捨て、両手で首を絞めた瞬間、一気に息が苦しくなり、彼女は柵にかけていた手の片方を首もとへやった。
必死に手を外そうと試みているが、どれだけ頑張っても、彼女の力で、その上、片手だけでは、とても無理がある。
焦った彼女は片足を上げ膝で男を蹴ろうとするが、身体が柵にぴったりと押し付けられていて、男とも距離が近いため、蹴ることができない。逆に、もがいていたのが仇となって、男の力の影響と共に、上半身がほんの少し外側へと滑り出る。柵を掴んでいた方の手と腕にも必死に力を込めるあまり、震えていた。
そこで、少し向こうで男の首を絞め蹴り飛ばしたクールが、こちらに走ってくる。そしてそれに気付いた男は…首を掴んでいた彼女に少しの力をかけ、それから手を放した…。
銃を拾い応戦する男だったが、走る彼には当たることはなかった。自身も彼の方へ移動しようと走り出したところで、彼が直前で予想に反した動きをしたことに、対応できなかった。
彼は柵に手をかけ柵の上に身体を持ち上げると、男を躱すようにしながら、脚を回し男の横から蹴る。声を漏らしながら怯む男の顔面や肩に、更に彼の素早い蹴りが、二発、三発と入り、男は倒れた。
その間。解放された彼女は、上半身がかなり外へ出た状態で咳き込む。
首を絞められていた時の必死の抵抗で、既に足がベランダの地面から少し離れていて、柵を掴んでいた片方の手と腕も、疲れと、柵との距離が開いていくのとで、必死に息を吸いながら、だんだん力が入らなくなっていった。
落ちそうな状況では、上半身にこれ以上の力をかけることに対する恐怖心が働いて、もう片方の腕も上手く伸びきらない。
そこで、男を蹴り飛ばし彼女の方へ走ってきたクールが、もう一度、柵に手をかけ、超えない程度に身を乗り出す。
右手でしっかり柵を掴み、やや身を前に出しながら、徐々に沈みかけていた彼女の上半身の下に左腕を回した。
そのまま両腕に力をかけ、自身の身体を外に出ないよう支えながら、彼女を引き上げると、戻ってきた彼女を抱きしめた…。
しかし、男が片手の銃を捨て、両手で首を絞めた瞬間、一気に息が苦しくなり、彼女は柵にかけていた手の片方を首もとへやった。
必死に手を外そうと試みているが、どれだけ頑張っても、彼女の力で、その上、片手だけでは、とても無理がある。
焦った彼女は片足を上げ膝で男を蹴ろうとするが、身体が柵にぴったりと押し付けられていて、男とも距離が近いため、蹴ることができない。逆に、もがいていたのが仇となって、男の力の影響と共に、上半身がほんの少し外側へと滑り出る。柵を掴んでいた方の手と腕にも必死に力を込めるあまり、震えていた。
そこで、少し向こうで男の首を絞め蹴り飛ばしたクールが、こちらに走ってくる。そしてそれに気付いた男は…首を掴んでいた彼女に少しの力をかけ、それから手を放した…。
銃を拾い応戦する男だったが、走る彼には当たることはなかった。自身も彼の方へ移動しようと走り出したところで、彼が直前で予想に反した動きをしたことに、対応できなかった。
彼は柵に手をかけ柵の上に身体を持ち上げると、男を躱すようにしながら、脚を回し男の横から蹴る。声を漏らしながら怯む男の顔面や肩に、更に彼の素早い蹴りが、二発、三発と入り、男は倒れた。
その間。解放された彼女は、上半身がかなり外へ出た状態で咳き込む。
首を絞められていた時の必死の抵抗で、既に足がベランダの地面から少し離れていて、柵を掴んでいた片方の手と腕も、疲れと、柵との距離が開いていくのとで、必死に息を吸いながら、だんだん力が入らなくなっていった。
落ちそうな状況では、上半身にこれ以上の力をかけることに対する恐怖心が働いて、もう片方の腕も上手く伸びきらない。
そこで、男を蹴り飛ばし彼女の方へ走ってきたクールが、もう一度、柵に手をかけ、超えない程度に身を乗り出す。
右手でしっかり柵を掴み、やや身を前に出しながら、徐々に沈みかけていた彼女の上半身の下に左腕を回した。
そのまま両腕に力をかけ、自身の身体を外に出ないよう支えながら、彼女を引き上げると、戻ってきた彼女を抱きしめた…。
